9V大画面の恩恵とは?
2018年の楽ナビは全部で10種にものぼる豪華な顔ぶれでこの秋登場。中でもひと際輝いているのが9V型大画面のAVIC-RQ902だ。最近のトヨタ車の、9V型ナビに対応したダッシュデザインに敏感に対応したものだ。RQ902の特徴は9V型でありながらXGAという高精細液晶を採用したことで、画面は大きいけれど何となくぼやけて見える、といった大画面ナビにありがちな印象を与えない。大画面ナビは地図が広々と見えるだけでなく、タッチパネルのボタンもそのぶん大きく操作しやすいというのがメリットだが、7V型だったら豆粒にしか見えない小さな表示も大きめに表示されるので、リアルタイムに得られる便利情報も有効に活用できる。たとえば、スマートループで得られる駐車場の満空情報や施設の営業時間等の表示、一時停止地点の案内などはどれも地図上に小さく表示されるので、画面サイズが大きければ見逃すことが少なくなるからだ。もちろんTVやDVDの映像迫力は、9V型となれば圧巻である。以下、9V型以外のモデルにも共通する機能を解説する。
突出した正確な位置精度
楽ナビのナビ性能は必要にして十分どころか、最高レベルといってよいもの。突出した機能をいくつも持っているサイバーナビと比べるとさすがに同じとはいえないが、普通のナビとして使う場合はまったく遜色ない内容といえる。中でもナビ性能の基本中の基本である自車位置精度の高さは第一線級の正確さで、自車位置が地図のあるべき地点からズレるということはまずない。それは高架道路の下を走るといった厳しい条件下でも同様。いつの間にか上の道路を走っていたということはほとんど起こらない。上の道に入るときの角度検出を厳しく行っているからだ。下の道を走っているのにナビの案内は上の道、そんな状況になってしまったらナビの価値はないも同然。スマホナビがいまいち信用できないのはこの点だ。
![]() |
「ここです」案内は感動モノ
自車位置精度のすごさはルート案内時によくわかる。特に交差点の右左折案内における音声案内は絶妙だ。交差点に至る前の事前案内もさることながら、曲がり角に到達するとまるで案内嬢が上空から見ているかのように、まさにドンピシャリのタイミングで「ここです」と音声案内をかけてくる。だから、複雑な交差点でも曲がり角を間違うことはまずない。案内画面を見ずに耳を澄ませているだけでどこを曲がるべきかがわかる。ということは安全な運転につながるといってよいのではないか。
ルート案内が距離ではなく時間を優先した形で出してくれるのもうれしいところ。たとえば大回りしても信号が少なければ最終的に早く着く。上記のさまざまなデータを見比べながら最適な解を出してくれるのだ。
![]() |
導入するメリット大のスマートループ
さまざまなデータの代表格が渋滞情報。ルート案内時も絶えず情報をキャッチ。いま引いているルートより早く着ける道があればドライバーに知らせてくれる。渋滞対応をさらに高めてくれるのがカロッツェリアならではのスマートループだ。これを利用すれば最初にルートを設定した時点ですでに目的地までの間に起きている渋滞、あるいは起こりそうな渋滞箇所を避けたルートで案内する。起こりそうなというのは時間帯別に過去の渋滞履歴データを持っているからで、ここを通るのは何時ごろになりそうだからその時間の渋滞は大丈夫かとそこまで先読みする。遠い目的地まで引いたルートの途中に通行止めがあったとしても、事前に情報を得ていれば、スタートの時点からそこを通らないルートが提示できるというわけ。また、スマートループの渋滞対象道路はVICSがカバーする道路より圧倒的に多いので、各道路の所要時間データも膨大。スマートループを使ったときの目的地到着予想時刻が正確なのはそんなところに理由がある。
スマートループは渋滞情報のほかにガソリンスタンドごとのガソリン価格、駐車場の満空情報などがほぼリアルタイムでわかるので、検索にも有効に使える。スマートループはサーバーから通信で最新の情報を得るので通信手段が必要。利用するには対応可能なスマートフォンを使うこともできるが、別途2万5000円(税別)の最適化された専用の通信モジュールを導入すれば3年分の通信料も付いてくるので、通信料を気にすることなくスマートループをフルに利用できる。スマートループはすべての2018年型楽ナビに対応している。
楽ナビがいまでも楽なワケ
以前はとにかく簡単な操作をうたった楽ナビだが、時代が変われば楽ナビも変わる。操作方法が一般的になった現在、「楽」は何を指すのだろう。それはきっと、特別な操作をしなくても実は裏側では上級機に匹敵する処理が行われている。そんなあえて高性能を前面に打ち出さないあたりが新しい楽ナビの「楽」たるゆえんなのだと思う。
◆BEST BUY 2019 カーナビ | ケンウッド「MDV-Z905W/MDV-Z905」
◆BEST BUY 2019 カーナビ | パナソニック「CN-F1XVD/CN-F1DVD」
◆BEST BUY 2019 カーナビ | 三菱電機「NR-MZ300PREMI」
◆CAR NAVIGATION SYSTEM | Column
◆BEST BUY 2019 ドライブレコーダー | Data System「DVR3100」
◆BEST BUY 2019 ドライブレコーダー | アサヒリサーチ「ドライブマンTW-2」
◆BEST BUY 2019 ドライブレコーダー | カーメイト「d'Action(ダクション)360 S」
◆BEST BUY 2019 ドライブレコーダー | その他の人気ドライブレコーダー4モデルはコレ!

尾澤 英彦
-
Gear up! Selection | Spoon/リジカラ 2018.12.3 ホンダ車のチューニングパーツやアクセサリーを手がける株式会社スプーンの開発した小さなパーツが、“クルマが分かる”人たちのあいだでブームだ。量産車では避けられない車体のウイークポイントを解消するパーツ、その名は「リジカラ」である。
-
Gear up! Selection | KTC/工具セット 2018.12.3 世界最高峰の工具を開発・提供する日本のトップ工具ブランド「KTC(京都機械工具株式会社)」がおすすめする工具セットやツールケースのお買い得情報をお届けする。このチャンスをお見逃しなく。
-
from Le Garage | パリ発のキッズカーがキュート! 2018.12.3 クルマを偉大なオモチャと考えるオトナたちのためのCar Life Media Shop「ル・ガラージュ」。同店が独自の視点で世界中からセレクトした、クルマ生活を豊かにしてくれる珠玉の逸品を紹介する。
-
No Garage, No Life! 2018.12.3 モノ作り全般に言えることではあるけれど、モノには作り手の性格や人柄が表れる。大切なモノを堅牢(けんろう)で耐候性に優れた器に収めたい。今回は中身重視のすてきな空間をカタチにしたガレージである。
-
BEST BUY 2019 ドライブレコーダー
その他の人気ドライブレコーダー4モデルはコレ! 2018.12.3 もはやなくてはならない存在になったドライブレコーダー。店頭にはありとあらゆる製品が並ぶが、予備知識なしにベストな1台を選ぶというのは無理な話。ここでは内容を吟味した4機種をピックアップして紹介する。
-
NEW
トヨタ・カローラ クロスGRスポーツ(4WD/CVT)【試乗記】
2025.10.21試乗記「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。 -
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
NEW
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
NEW
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。