第33回:BMW 3シリーズ(前編)
2019.05.15 カーデザイナー明照寺彰の直言![]() |
世界が認めるDセグメントのベンチマーク「BMW 3シリーズ」。7代目となる新型「G20」のデザインを通し、現役のカーデザイナー明照寺彰が、ドイツと日本の“自動車デザインの仕方”の違いと、BMWのデザインの変遷を語る。
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“サイズ感”は従来モデルと一緒
明照寺彰(以下、明照寺):Dセグメントのセダンにおいて、BMW 3シリーズっていうのは、性能面でもデザイン面でも大きなベンチマークなんですよ。その他のセダンはすべて、3シリーズがどうなってるかを横目で見ながらデザインしてるようなところがあります。
永福ランプ(以下、永福):明照寺さんもそうなんですね?
明照寺:確実に意識はします。で、新型3シリーズですけど、パッと見て感じるのは、「クリス・バングルがデザインディレクターだった時代から、基本的なシルエットとか各部のボリュームの比率は変わらないなぁ」ってことです。
ほった:とはいえ、サイズはずいぶん大きくなりましたよね? 日本のクルマ好きからは、「またか」とか「3シリーズよ、お前もか」って、嘆く声がたくさん聞こえてきますけど。
明照寺:確かにサイズは大きくなっていますが、他のクルマも少しずつ拡大しているので、各々の時代におけるシルエットやボリューム感は変わってないということです。
永福:3シリーズは、サイズでは比較的踏ん張ってるほうですしね。ずいぶん日本市場を意識しているというし。デザイナーの永島譲二さんも、「3シリーズにとって、全幅拡大の最大のブレーキは日本市場」っておっしゃってました。
ほった:ホントなんですかね?
永福:少なくとも先代のF30型は、日本向けだけドアノブ形状を変えて全幅1800mmに抑えてたからなぁ。
明照寺:とにかく、実際のサイズはともかく、造形の基本構成や比率がそれほど変わってないんですよ。絶対的なテンプレートがあるんじゃないかっていうぐらい、基本的な感じは変わってない。
永福:私もそう思います。特に今回は「マイナーチェンジ?」という印象すらある。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)
さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。
永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。
webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。
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