ホンダ・フィット モデューロX プロトタイプ(FF)
大物ルーキーあらわる 2020.12.10 試乗記 ホンダのコンパクトハッチバック車「フィット」に、間もなく人気のコンプリートカー「モデューロX」が追加される。プロトタイプにサーキットでチョイ乗りという限られた条件ながら、ホンダアクセス自慢の「実効空力デバイス」を味わってみた。データよりも人の感覚を重視
モデューロXは、ホンダ四輪車用の純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが、テストコースや風洞など“親会社”が持つ資産も活用しながら走りの質感向上にこだわって完成させたコンプリートカーだ。2013年1月に発売された「N BOXモデューロX」(当時の名称)を皮切りにこれまでに6車種、累計1万4000台が世に送り出されてきた「隠れたヒット車」でもある。
ここに紹介するのは、2020年の年頭に開催された「東京オートサロン」に出展された、新型フィットのモデューロX。今のところ「発売時期は未定」とアナウンスされているが、同時出展されたマイナーチェンジ版「フリード モデューロX」がすでに発売されていることを考えれば、こちらの発売も秒読み状態であることは間違いない。
「データよりも人の感覚を重視」をコンセプトにセッティングが吟味されたサスペンションと、空力性能の改善によって走りの質を向上させるというのが、各モデューロXに共通する特徴。もちろん新型フィットの場合も例外ではなく、フロントバンパー下部をのぞき込んでみると、「エアロスロープ」や「エアロボトムフィン」など、開発者が「街乗りスピード程度でも効果を発揮」と語る「実効空力デバイス」の姿を確認できた。
開発作業がほぼ最終段階と目されるプロトタイプモデルを短時間ながらテストドライブすると、そんなモデューロXならではの狙いどころを感じ取れた。ベースモデルもなかなか高い走りの質感の持ち主である新型フィットだが、コーナー進入時のターンインの素直さや、期待を超えるシャープな身のこなしなどが印象的。空力の改善にフリード モデューロXと同様のアイデアを採用しながらも、「コンパクトなハッチバックモデルならではの機敏性の演出にも留意した」という開発陣の思いを、実際の挙動としてきちんと実感できた。
完全舗装が施されたサーキットのみでのテストドライブゆえ、モデューロXのもうひとつの大きな売り物である“しなやかな乗り味”について判断しづらかったのは残念。
しかし、ベース車の出来栄えから、こうした点でも高得点を望めるのは間違いない。いよいよ期待が高まるモデューロXのニューカマーである。
(文=河村康彦/写真=郡大二郎/編集=藤沢 勝)
【スペック】
全長×全幅×全高=3995×1695×1540mm/ホイールベース=2530mm/車重=1200kg/駆動方式=FF/エンジン=1.5リッター直4 DOHC 16バルブ(98PS/5600-6400rpm、127N・m/4500-5000rpm)/モーター=交流同期電動機(109PS/3500-8000rpm、253N・m/0-3000rpm)/燃費=27.4km/リッター(WLTCモード)/価格=--円/テスト車の価格=--円
※数値はベース車「フィットe:HEVリュクス(FF車)」のもの
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河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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