メルセデス・ベンツE200ステーションワゴン スポーツ(FR/9AT)
ザ・フロントランナー 2020.12.28 試乗記 フルモデルチェンジ並みの改良が施された「メルセデス・ベンツE200ステーションワゴン スポーツ」に試乗。最新デジタル技術によって進化したインフォテインメントや日本初となるARカーナビの実用性に加え、48Vマイルドハイブリッドの走りをチェックした。違和感のないモーターアシスト
「Eクラス」のビッグマイナーチェンジといえば、見た目ではわからない中身の部分でも大幅な進化を遂げるというイメージがある。先代モデルでは「2000カ所以上のアップデート」をうたって、それをアピールしていたぐらいだ。
けれども今回は「〇〇カ所」という表現はなく、新型のアピールポイントは内外装のデザインや新世代ステアリングホイール、MBUXの搭載および日本初のARカーナビ、最新の運転支援システム、多彩なパワートレインなどとされている。走りに関するアップデート情報は特にないので、そこは従来とさほど変わらないのかと、いぶかしがりながら試乗することとなった。
試乗車はE200ステーションワゴン スポーツ。エントリーモデルであり、パワートレインは1.5リッター直列4気筒ターボエンジンにモーターとジェネレーターを兼ねたBSG(ベルトドリブンジェネレーター)、そして48V電気システムと9段ATの9G-TRONICが組み合わされる。実は2019年3月から「E200」には同ユニットが搭載されているが、これまで試乗経験はなかったので興味深かった。「Cクラス」では散々乗って好感触を得ていたけれど、一回り大きなEクラスでもパフォーマンスや質感に不足はないかどうかが焦点だ。
街なかを走らせているとエンジンのトルクは十二分で不足はまったく感じない。最大トルクの発生回転域は3000-4000rpmと、いまどきの直噴ターボとしては高回転型にも思えるが、BSGのアシストは低回転が得意な電気モーターによるものなのでそういった高めの設定になっているのだろう。
エンジン単体の最大トルクは280N・mだが、BSGによって最大160N・mのアシストが可能(電気モーターは38N・mだがクランクシャフトに作用するトルク)。1000rpm台から2000rpm台前半の常用域ではトルクの充実を覚える。ストロングハイブリッドのように、いかにも電気モーターがグイッとアシストしてくるわけではなく、あくまで自然。2リッター直4直噴ターボだと言われたら素直にうなずいてしまいそうだ。
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