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トヨタ・ヤリスTRDラリースペック(FF/6MT)/トヨタ・ハイラックス タッツフィンクデザートレースEX4クラス優勝車両(4WD/6AT)/日産スカイライン400R ニスモパーツ装着車(FR/7AT)/日産ノート オーラNISMO ニスモパーツ装着車(FF)

走れ! クルマ好き 2021.12.03 試乗記 山田 弘樹 TRD、NISMO、STI、無限と、メーカー直系のワークスチューナーが合同試乗会を開催! まずはTRDが持参した2台のラリーカーと、NISMOの用品を装着した「スカイライン400R」「ノート オーラNISMO」の走りを紹介しよう。

国内のラリーシーンをもっと盛り上げるために

TRDが今回持ち込んだのは、2台のラリーカー。小さいほうは「TRD CUP-SPECダンパー」を装着した「トヨタ・ヤリス」で、大きいほうは「TFDR」(Tatts Finke Desert Race:オーストラリア・ノーザンテリトリー州アリススプリングスからアプチュラまでの砂漠を、2日間かけて走るオフロードレース)のEX4クラスで優勝した「トヨタ・ハイラックス」である。

いつもの合同試乗会とは異なり、コンプリートカーでも用品装着車でもない2台の“競技車両”を持ち込んだことについて、TRDの柏村勝敏氏(TRD事業本部 第2MS事業室 室長)は、これらのラリーカーやパーツを紹介するのではなく、ラリーの世界観を伝えるのが目的だと語った。

このヤリスで競われる国内ラリー「TRD RALLY CUP」は、入門カテゴリーのひとつ上に位置しており、足まわりと安全装備を除いて車両は無改造。グラベルとターマックを共用できるTRDのワンメイクサス(先述のTRD CUP-SPECダンパーである)を装着することで、参戦コストを抑えながらセッティング技術が学べるよう考えられている。ちなみに、タイヤ&ホイールは入門カテゴリーのひとつである「TGRラリーチャレンジ」と共通だ。

その狙いは、ラリーにおける新陳代謝とでも言おうか。というのも、国内ラリーの現状はTGRチャレンジなどとJAF地方選手権との“開き”が大きく、入門カテゴリーから上へステップアップする参加者が少ない。せっかくの初心者向けのラリーで、ベテランが走り続けてしまっているのだ。そこでTRDは、両者の間を埋めるカテゴリーとして、サスペンションを付け替えるだけで参加できるTRD RALLY CUPを提案。日本における「ラリーのしくみづくり」を応援しようというのである。

TRDとは、トヨタ自動車の子会社であるトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが展開するブランドであり、自動車のカスタマイズやモータースポーツに関連する用品の開発を手がけている。
TRDとは、トヨタ自動車の子会社であるトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが展開するブランドであり、自動車のカスタマイズやモータースポーツに関連する用品の開発を手がけている。拡大
「ヤリスTRDラリースペック」には、新設される国内ラリー「TRD RALLY CUP」向けの用品が装着されている。
「ヤリスTRDラリースペック」には、新設される国内ラリー「TRD RALLY CUP」向けの用品が装着されている。拡大
ロールケージや4点式のシートベルトなどが装備された車内。ラリーはクラッシュの危険性が高い競技であり、だからこそ健全な入門カテゴリーと、そこからステップアップする仕組みが重要なのだ。
ロールケージや4点式のシートベルトなどが装備された車内。ラリーはクラッシュの危険性が高い競技であり、だからこそ健全な入門カテゴリーと、そこからステップアップする仕組みが重要なのだ。拡大
足もとの仕様は、ヨコハマのラリー用タイヤ「アドバンA036」とレイズの競技用アルミホイール「TE37グラベル」の組み合わせ。このあたりの仕様は「TGRラリーチャレンジ」のそれと同じである。
足もとの仕様は、ヨコハマのラリー用タイヤ「アドバンA036」とレイズの競技用アルミホイール「TE37グラベル」の組み合わせ。このあたりの仕様は「TGRラリーチャレンジ」のそれと同じである。拡大
トヨタ ハイラックス の中古車

小さくてもちゃんとラリーカー

そんなTRD-CUP用サスペンションだが、コスト重視とはいえ、そのポテンシャルは「そのままJAF地方選手権に出場しても、そこそこ以上に戦える」内容に仕立てられているという。具体的には、フロントに複筒式、リアに単筒式の車高調整可能なダンパー(減衰力は32段階調整が可能)を用意し、ここにフロント/リアともに30N・m/mmのスプリングを組み合わせている。

試乗用の車両を見ると、そこにはサイドバー付きのロールケージが組み込まれ、助手席側にはフットボードとコドライバー用の計器、トランクルームにはヘルメット用のネットと2本のスペアタイヤ、そして油圧ジャッキがインストールされていた。もちろん後席は取り払われ、完全な2名乗車である。

ロールケージによって上がった剛性と、ストロークフルなサスペンションの組み合わせがそう感じさせるのだろう。その走りには1.5リッター+6MTのノーマルヤリスが持つ軽やかさはなく、その代わりに、小さくともラリーカーだと感じられるしっかり感があった。

サスペンションは確かにグラベルでも使用できる雰囲気で、適度なストローク量をキープしながらも、減衰力の調整でターマックでの姿勢変化を抑えている。今回はジャーナリスト試乗会ということもあって、セッティングを安定方向に振っているのだろう。大きくフロント荷重をかけてターンしてもリアが破綻するような気配は皆無。アンダーパワーなマシンだけに、本来はもう少しセットをオーバーステア方向に振って、ボトムスピードを上げながら曲がっていく走りに仕立てていくのだろうと想像できた。

ちなみに、TRD RALLY CUPの格式をサーキットレースで例えると、「フレッシュマンくらいのイメージ」だという。それを安全関連と足まわりの装備だけで走れるとなれば、これはかなり魅力的である。ちなみに、タイヤはパンクしなければ1戦あたり1セットで持たせることは十分に可能だという。

ドライブフィールは刷新された足まわりに加え、ロールケージの装着によるボディー剛性の強化が顕著。ドライブトレイン関連では、CUSCO製の機械式LSDが装備されている。
ドライブフィールは刷新された足まわりに加え、ロールケージの装着によるボディー剛性の強化が顕著。ドライブトレイン関連では、CUSCO製の機械式LSDが装備されている。拡大
「TRD CUP-SPECダンパー」が装着されたフロントの足まわり。このサスペンションキットは、スプリングを交換することでターマックでもグラベルでも使用できるのが特徴だ。
「TRD CUP-SPECダンパー」が装着されたフロントの足まわり。このサスペンションキットは、スプリングを交換することでターマックでもグラベルでも使用できるのが特徴だ。拡大
こちらはリアの足まわり。「TRD CUP-SPECダンパー」は、前後ともに車高調整機構および32段階の減衰力調整機構付きで、もちろんオーバーホールも可能となっている。
こちらはリアの足まわり。「TRD CUP-SPECダンパー」は、前後ともに車高調整機構および32段階の減衰力調整機構付きで、もちろんオーバーホールも可能となっている。拡大
ラリーに挑戦するにあたっては、入門カテゴリーで経験を積むのもありだが、「ジムカーナやダートトライアルを経てからのほうが、基本的な技術も身につく」というのがTRD柏村氏の弁。これからは、モータースポーツの振興につながる競技間の連携にも期待したい。
ラリーに挑戦するにあたっては、入門カテゴリーで経験を積むのもありだが、「ジムカーナやダートトライアルを経てからのほうが、基本的な技術も身につく」というのがTRD柏村氏の弁。これからは、モータースポーツの振興につながる競技間の連携にも期待したい。拡大

実は“大アリ”なハイラックスでのラリー参戦

一方、TFDR仕様のハイラックスは、TRDオフロードアドバイザーである塙 郁夫氏がドライブし、筆者は助手席での同乗体験となった。TRDのチューニングにより、最高出力260PS、最大トルク700N・mにまで高められた2.8リッターのディーゼルターボエンジンは、なんとトルコンの6段ATで変速を行う。足まわりもたっぷりとしたストロークを持っていて、塙さんいわく「運転が楽」だという。つまり、こういう仕様じゃないと長いラリーレイドをトラブルなく走破できないというわけだ。

助手席での印象は、確かにパワフルでトルキーな4WDだが、なんというか基本は想定内。姿勢変化は大きいけれど動き自体は穏やかで、極端な言い方をすれば、ターマックなら筆者でも運転ができそうだと感じられた。ただ、だからこそグラベルでこの巨体を振り回せるわけで、実際に塙氏がこのマシンでジャンプ台をバンバン飛んでいる場面を、筆者もダートの耐久レースで確認している。

面白かったのは、TRDの柏村氏が「イニシャルコストはかかりますが、ハイラックスのようなクルマでラリーをするほうが、安全でマシンも壊れませんよ」と語ったこと。確かに、ヤリスや「86」でダートを走るよりも、クロカン4WDでダートを走るほうがクルマのキャラクター的にも自然だ。

ちなみに、そうした競技仕様のハイラックスも、TRDなら車両製作をしてくれるという。興味がある人は、ぜひお問い合わせを(笑)。

TFDR仕様の「トヨタ・ハイラックス」とTRDオフロードアドバイザーの塙 郁夫氏。同車はキャビン骨格以外がCFRP化されており、大幅に重量が軽減されている。
TFDR仕様の「トヨタ・ハイラックス」とTRDオフロードアドバイザーの塙 郁夫氏。同車はキャビン骨格以外がCFRP化されており、大幅に重量が軽減されている。拡大
オフロードでの走りを支える強靭(きょうじん)なサスペンション。収縮が速いときと遅いときとで、個別に減衰力を調整できるなど、細やかなセッティングが可能となっている。
オフロードでの走りを支える強靭(きょうじん)なサスペンション。収縮が速いときと遅いときとで、個別に減衰力を調整できるなど、細やかなセッティングが可能となっている。拡大
内輪を浮かせながら豪快にコーナリングする「ハイラックス」。駆動系はセンターデフを換装することで40:60の前後駆動力配分を基本とするフルタイム4WDに変更されている。
内輪を浮かせながら豪快にコーナリングする「ハイラックス」。駆動系はセンターデフを換装することで40:60の前後駆動力配分を基本とするフルタイム4WDに変更されている。拡大
ニスモが持ち込んだ2台。左が「スカイライン400R」の、右が「ノート オーラNISMO」の用品装着車だ。
ニスモが持ち込んだ2台。左が「スカイライン400R」の、右が「ノート オーラNISMO」の用品装着車だ。拡大
「スカイライン400R」の3リッターV6ツインターボエンジンには、ECUチューニングの「スポーツリセッティングTYPE-2」を採用。ニスモは、今日でも積極的にパワーユニットのチューニングを手がけている。
「スカイライン400R」の3リッターV6ツインターボエンジンには、ECUチューニングの「スポーツリセッティングTYPE-2」を採用。ニスモは、今日でも積極的にパワーユニットのチューニングを手がけている。拡大
「スポーツチタンマフラー」は、チタン合金製のセンターパイプとリアマフラーをセットにしたもので、大幅な軽量化とフラットなトルク特性を実現する。
「スポーツチタンマフラー」は、チタン合金製のセンターパイプとリアマフラーをセットにしたもので、大幅な軽量化とフラットなトルク特性を実現する。拡大
国産屈指のハイパフォーマンスセダンである「スカイライン400R」。販売台数に対する「スポーツリセッティング」の採用率は、「GT-R」に次いで高いという。
国産屈指のハイパフォーマンスセダンである「スカイライン400R」。販売台数に対する「スポーツリセッティング」の採用率は、「GT-R」に次いで高いという。拡大

ECUチューンでよりコントローラブルなマシンに

今回の合同試乗会にニスモが持ち込んだ品は、至ってシンプルでスタンダード。その1台は、スカイラインのハイパフォーマンスモデル、400RをECUとマフラーのチューニングでポテンシャルアップして、エアロパーツでスタイルアップするという、わかりやすい王道メニューだった。

ECUチューニングの名称は、ご存じ「スポーツリセッティング」。ちなみに今回の“スポリセ”は「TYPE-2」。2020年秋に発売された「TYPE-1」は速度リミッターカットのみのメニューであり、今回は実際にエンジンの特性が変更されているという。

さてその内容だが、コンセプト的には幅広いエンジン回転域でのフラットトルク化を狙っており、最高出力405PS、最大トルク475N・mというアウトプットには変更がないとのこと(実際は、ブーストアップによって若干数値は上がっているようだが)。ニスモいわく、ノーマルのVR30DDTTエンジンは40~60km/hと80~100km/hの間くらいに少しだけトルクの落ち込みがあり、低中速域ではブースト圧を上げ、高速領域では点火時期の変更を行うことによって、段付き感のない加速を実現しているという。

また排気系にはチタンマフラーを装着。これも最大トルクを発生してからのトルク特性をフラットに保ち続けることに主眼を置いて開発しており、なおかつ純正マフラー比で50%もの軽量化を実現しているという。ちなみに、そのお値段は39万8000円と、高純度チタン仕様のマフラーとしてはかなり魅力的。しかし職人が手づくりするために量産ができず、現在はバックオーダーを抱えているとのことだった。

足まわりの用品も期待したいところだが……

ということで、早速ニスモ特製の400Rを走らせてみたが、これがかなり痛快なドリフトマシンになっていた。出力にほぼ変化はないとはいっても、ターボのトルクが素早く立ち上がるから、簡単にリアタイヤがドリフトアウトしてしまう。

特に今回は、筆者の試乗枠が手荒いジャーナリスト諸氏によってクルマがしごかれた後だったこともあって、タイヤの内圧が上がりきっていたせいもある。まるで壊れた「スーパーHICAS」が付いているのかと思うほど(笑)、ターンすれば即ドリフト状態になってしまい、むしろ普通に走らせるほうが大変なほどだった。

とはいえ、そのレスポンスを注視すれば、確かにトルク特性はとてもフラットだ。パーシャルスロットルでのコントロールにもクセがないため、挙動がコントロールしやすい。

となると、やはり足まわりにもニスモらしいキビキビとしたサスペンションが欲しくなるところだが、予防安全・運転支援装置(ADAS)との兼ね合いで、今のところその設定はないようだ。ただLSDに関しては、発売するかも含めて目下検討中。試作品の開発を進めているとのことだった。

「スカイライン400R」の試乗は、リアタイヤの内圧が上がっていたこともあってか、すっかり“ドリフト祭り”に。それでも、よりコントローラブルになったエンジンの特性は確かに感じられた。
「スカイライン400R」の試乗は、リアタイヤの内圧が上がっていたこともあってか、すっかり“ドリフト祭り”に。それでも、よりコントローラブルになったエンジンの特性は確かに感じられた。拡大
今回の試乗車は、エンジンやマフラーが改良されているだけでなく、ブレーキにも、幅広い速度域での正確な操作性を追求した「S-tuneブレーキパッド」が装着されていた。
今回の試乗車は、エンジンやマフラーが改良されているだけでなく、ブレーキにも、幅広い速度域での正確な操作性を追求した「S-tuneブレーキパッド」が装着されていた。拡大
これだけ走りが楽しいとサスペンションキットも用意してほしいところだが、車高が変わってしまう(ADAS用センサーが装着される“高さ”が変わる)ので、それは難しいとのことだった。
これだけ走りが楽しいとサスペンションキットも用意してほしいところだが、車高が変わってしまう(ADAS用センサーが装着される“高さ”が変わる)ので、それは難しいとのことだった。拡大
開発中の空力パーツが装着された「ノート オーラNISMO」。パーツはいずれも、ダウンフォースの向上と前後の空力バランスの最適化を図ったものとなっている。
開発中の空力パーツが装着された「ノート オーラNISMO」。パーツはいずれも、ダウンフォースの向上と前後の空力バランスの最適化を図ったものとなっている。拡大
赤いラインが目を引くNISMO専用バンパーの、さらにその下に顔をのぞかせているのが、開発中のフロントリップスポイラーである。
赤いラインが目を引くNISMO専用バンパーの、さらにその下に顔をのぞかせているのが、開発中のフロントリップスポイラーである。拡大
ルーフエクステンションスポイラーは、ルーフラインの後端で空気をはね上げるような形状が特徴。これらの空力パーツは、レースカーの空力を担当するデザイナーによって設計されている。
ルーフエクステンションスポイラーは、ルーフラインの後端で空気をはね上げるような形状が特徴。これらの空力パーツは、レースカーの空力を担当するデザイナーによって設計されている。拡大
現在、適合確認を進めているというレイズ製の鍛造アルミホイール「LM GT4S」。高強度化と大幅な軽量化により、ハンドリングの改善に寄与する。
現在、適合確認を進めているというレイズ製の鍛造アルミホイール「LM GT4S」。高強度化と大幅な軽量化により、ハンドリングの改善に寄与する。拡大
試乗車に装着されていた用品のほか、ニスモは「ノート オーラ」向けの「スポーツリセッティング」も開発中。「より乗りやすく、ブレーキで車体をコントロールできるようなセッティングを目指している」とのことだった。
試乗車に装着されていた用品のほか、ニスモは「ノート オーラ」向けの「スポーツリセッティング」も開発中。「より乗りやすく、ブレーキで車体をコントロールできるようなセッティングを目指している」とのことだった。拡大

“クルマ遊び”も電動車が主流になりつつある

お次は、ハイブリッドコンパクト「日産ノート」の高性能バージョンであるノート オーラNISMOに、さらにニスモパーツを装着した一台だ。とはいえ、モーターの出力やバッテリー容量に変わりはなく、変更はエクステリアが主となっている。

そもそも、ベース車であるノート オーラNISMOの見た目が“NISMO仕様”として整えられているだけに、その変更はガーニッシュを中心としたアクセントの追加がメイン。そのなかで性能に直接関係するのはフロントリップスポイラーとルーフエクステンションスポイラーの2つであり、現状はどちらも試作パーツとなっている。ちなみに、これらはSUPER GTでGT500車両の空力を担当するデザイナーが設計したもので、Cd値(空気抵抗係数)を悪化させずにダウンフォースを稼ぎ、なおかつ前後の空力バランスを最適化するのが狙いだという。

実際にこれを走らせてみると、キビキビとしたハンドリングとe-POWERのコンビネーションが魅力的だった。そもそもノート オーラNISMOは普通のノート オーラ(これも変な言い方だ)よりもサスペンション剛性が高められており、ハンドリングの追従性も高い。加えて試乗車の足もとにはレイズ製の鍛造アルミホイール「LM GT4S」がおごられており、さらにそのステアフィールが鮮明に感じられた。ダウンフォースの増加によるグリップ感の向上は、正直、もっと高速なコースのほうがわかりやすいだろう。ただ、少なくとも前述の通りターンは軽快であり、なおかつブレーキングでリアタイヤの接地性が失われることもなかった。

前回にあたる2020年の合同試乗会で、ニスモの関係者は先代「ノートNISMO S」のガソリン仕様を持参しつつも、「走行会の参加車両も、およそ半数がe-POWERになってきている」と説明していた。その話には筆者も驚いたものだが、今や現行ノートは全量e-POWERである。今後はこうしたカスタマイズのシーンでも、電動車が増えていくのだろう。そんな時節の変化を感じさせる、ノート オーラNISMOの走りであった。

(文=山田弘樹/写真=荒川正幸/編集=堀田剛資)

トヨタ・ヤリスTRDラリースペック
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2021ワークスチューニンググループ合同試乗会(前編:TRD/NISMO編)【試乗記】の画像拡大
 
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テスト車のデータ

トヨタ・ヤリスTRDラリースペック
(ベース車:トヨタ・ヤリスX)

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3940×1695×1500mm
ホイールベース:2550mm
車重:980kg
駆動方式:FF
エンジン:1.5リッター直3 DOHC 16バルブ
トランスミッション:6段MT
最高出力:120PS(88kW)/6600rpm
最大トルク:145N・m(14.8kgf・m)/4800-5200rpm
タイヤ:(前)185/60R15 84Q M+S/(後)185/60R15 84Q M+S(ヨコハマ・アドバンA036)
燃費:19.6km/リッター(WLTCモード)
価格:154万3000円/テスト車=--円
装着部品:国内ラリー向けジョイント式ロールケージ<2名乗車>/ラリー用アンダーガード類一式/ラリータイヤ<185/60-15>+レイズTE37グラベル/Winmaxラリー向けスポーツパッド<フロント>&シュー<リア>/CUSCO機械式LSD<1way>/TRD CUP-SPECダンパー

テスト車の年式:2021年型
テスト開始時の走行距離:4653km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:--km/リッター

トヨタ・ハイラックス タッツフィンクデザートレースEX4クラス優勝車両
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トヨタ・ハイラックス タッツフィンクデザートレースEX4クラス優勝車両
(ベース車:トヨタ・ハイラックス レボ スマートキャブ)

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=--×--×--mm
ホイールベース:--mm
車重:--kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.8リッター直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ
トランスミッション:6段AT
最高出力:260PS(191kW)/3000rpm
最大トルク:700N・m(71.4kgf・m)/1600-2000rpm
タイヤ:(前)LT285/70R17 121/118S 10PR/(後)LT285/70R17 121/118S 10PR(ヨコハマ・ジオランダーA/T G015)
燃費:--km/リッター
価格:--円
装着部品:--

テスト車の年式:2021年型
テスト開始時の走行距離:4109km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(軽油)
参考燃費:--km/リッター

日産スカイライン400R ニスモパーツ装着車
日産スカイライン400R ニスモパーツ装着車拡大
 
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日産スカイライン400R ニスモパーツ装着車
(ベース車:日産スカイライン400R)

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4810×1820×1440mm
ホイールベース:2850mm
車重:1760kg
駆動方式:FR
エンジン:3リッターV6 DOHC 24バルブ ターボ
トランスミッション:7段AT
最高出力:405PS(298kW)/6400rpm
最大トルク:475N・m(48.4kgf・m)/1600-5200rpm
タイヤ:(前)245/40RF19 94W/(後)245/40RF19 94W(ダンロップSP SPORT MAXX 050 DSST CTT)
燃費:10.0km/リッター(WLTCモード)
価格:562万5400円/テスト車=--円
装着部品:スポーツリセッティングTYPE-2(13万円)/スポーツチタンマフラー(39万8000円)/S-tuneブレーキパッド(4万8076円)/フロントアンダースポイラー(15万4000円)/ピラーガーニッシュ(2万8000円)/マルチファンクションブルーミラー(2万1000円)/ドアハンドルプロテクター(2800円)/ドアインナープロテクター(2万3000円)

テスト車の年式:2019年型
テスト開始時の走行距離:1万8672km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(ハイオクガソリン)
参考燃費:--km/リッター

日産ノート オーラNISMO ニスモパーツ装着車
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日産ノート オーラNISMO ニスモパーツ装着車
(ベース車:日産ノート オーラNISMO)

ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4125×1735×1505mm
ホイールベース:2580mm
車重:1270kg
駆動方式:FF
エンジン:1.2リッター直3 DOHC 12バルブ
モーター:交流同期電動機
エンジン最高出力:82PS(60kW)/6000rpm
エンジン最大トルク:103N・m(10.5kgf・m)/4800rpm
モーター最高出力:136PS(100kW)/3183-8500rpm
モーター最大トルク:300N・m(30.6kgf・m)/0-3183rpm
タイヤ:(前)205/50ZR17 93W/(後)205/50ZR17 93W(ミシュラン・パイロットスポーツ4)
燃費:23.3km/リッター(WLTCモード)
価格:286万9900円/テスト車=--円
装着部品:フロントリップスポイラー(試作品)/ルーフエクステンションスポイラー(試作品)/鍛造アルミホイール「LM GT4S」(適合確認中)/フロントグリルガーニッシュ(8000円)/バンパーサイドガーニッシュ(1万8000円)/リアバンパーガーニッシュ(1万8000円)/サイドロアガーニッシュセット(2万8000円)/アンテナ&ウイングサイドガーニッシュセット(2万2000円)/ピラーガーニッシュ(3万4500円)/マルチファンクションブルーミラー(2万1000円)/ドアハンドルプロテクター(4000円)/プラスチックバイザー(2万円)/インテリアパネル<シフトノブベースフィニッシャー>(1万7000円)/インテリアパネル<ウィンドウスイッチフィニッシャー>(3万7000円)/キッキングプレート(3万7000円)/ドアインナーガーニッシュ(2万2000円)/フロアマット(2万8000円)/ラゲッジマット(1万7000円)

テスト車の年式:2021年型
テスト開始時の走行距離:129km
テスト形態:トラックインプレッション
走行状態:市街地(--)/高速道路(--)/山岳路(--)
テスト距離:--km
使用燃料:--リッター(レギュラーガソリン)
参考燃費:--km/リッター

山田 弘樹

山田 弘樹

ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦経験をもつ、実践派のモータージャーナリスト。動力性能や運動性能、およびそれに関連するメカニズムの批評を得意とする。愛車は1995年式「ポルシェ911カレラ」と1986年式の「トヨタ・スプリンター トレノ」(AE86)。

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