第118回:JAIA試乗会、チョイ乗りリポート(その1)
2011.02.15 エディターから一言第118回:JAIA試乗会、チョイ乗りリポート(その1)〜『webCG』スタッフの気になるクルマはコレ!
![]() |
2011年2月1日、毎年この時期の恒例行事「JAIA」(日本自動車輸入組合)主催の輸入車試乗会が神奈川県大磯で開催された。今回は『webCG』スタッフそれぞれが、気になるクルマをセレクト&試乗。その印象を価格帯別にお伝えします。
【300万円以下ならコレ】
輸入車だって安いが一番!? 最も多くの試乗車が並んだこのクラス。なのに……、選ばれた6台はかなりの個性派ぞろいです。
見てると癒やされるフィアット・プント エヴォ……205万円
なんで気になるクルマが「プント エヴォ」なのか? クルマを目の前にしても、やっぱりなんか違和感がある。「エヴォ」って顔じゃないですよ。
「グランデプント」から進化し、2010年6月に登場した「プント エヴォ」は、大人4人がゆったり乗れてちゃんと走れる実用的なハッチバック(5人乗りです)。アイドリングストップ機能も備わり、グランデプントより燃費は向上している。
エヴォって顔じゃないってことはおいといて、愛嬌(あいきょう)のある表情と、曲線のみで構成されるわりに甘過ぎないインテリアがいい。
ちなみに、プント エヴォにはアバルト仕様もあるので、見た目もパワーも派手なのが好きな方はこちらをどうぞ。こっちのほうがエヴォっぽい。
(webCG ワタナベ)
思わず笑みがこぼれるシトロエンC3……209万円
外観は好き好きだと思うのだけれど、乗り込んだ瞬間ニンマリするフロントウィンドウ(ゼニスウィンドウ)は絶品。目の前から頭上まで、開放感は抜群で、まるでクルマじゃない(?)みたい。
インテリアの仕立てもかなり上質。フランス車も変わったもんだ。シートの出来も、ふっかりしっかり文句なし。変速機は4ATゆえ「まぁ確かに、ナンだな」と思うところはあるけれど、パワーそのものに不満はない。ざらついた路面を滑らかに感じさせる乗り心地の良さや足腰のしっかり感、ハンドル切った時に車体がゆっくり傾く感じだとか、とにかく乗れば乗るほど好きになる。
(webCG こんどー)
不思議なクルマスマート・フォーツーmhd カブリオ……213万円
スマートの魅力はやっぱりこのカタチ。1997年のジュネーブショーで初代がデビューしてから、実に14年がたってるけど、今もこんなインパクトのあるクルマは他にない。
現行のスマートは、2008年12月に登場したアイドリングストップ搭載モデルで、2010年10月にちょこっと変更を受けている。フロント/サイド/リアスカートと給油キャップがボディ同色になって、カブリオのホイールは新デザインに。乗ってみるとダッシュボードも新しくなってスッキリした感じ。試乗車のボディカラーも新色です。
スマートって、乗り心地とかハンドリングの良い悪いは気にならない。近所のコンビニに行くだけでも特別な時間を与えてくれそうな不思議なクルマ。
(webCG ワタナベ)
MTB積んで山に行きたいルノー・カングー1.6……229万8000円
「そういえば、去年もここでカングーに乗ったな」と、撮影の時に思い出した。正直、相当気になってるクルマである。日本のルノーの大ベストセラーカー。販売台数の約半数を占めるのだそうだ。
先代に比べボディはデカくなったけど、そのぶん室内もデカくなった。内外装の質感も良くなった。プラスチッキーではあるけれど、デザイン性と実用性を両立している。
動力性能は、……ちょっとつらい。特に登りなんか相当つらい。だけどそこはルノー、5MTの設定もあるから、心配ならこれにすればいい。ハンドリングは最高。山道の下りなんてめちゃ速い。カッコに似合わず(?)運転するのがホント楽しい。積みたいモノがたくさんあるなら、きっと買うな。
(webCG こんどー)
乗る人みんなを幸せにルノー・カングー ビボップ……234万8000円
寝そべった姿勢で弾丸のように突き進む「コルベットZR1」から、「カングー ビボップ」に乗り替えると、急に善人になった気がした。愛嬌(あいきょう)のあるフロントマスク、爽やかなオープンボディ、ポップな雰囲気のインテリア。このクルマは、人を和やかな気持ちにさせてくれる。
前席だけでなく、後席も左右独立式シートを装着。リアグラスルーフ+リアテールグラスと組み合わされて特別感は抜群。人を幸せにするオーラ(?)が、これほど強いクルマも珍しいと思う。
(webCG 曽宮)
オトコ香る、クルマシトロエンDS3 スポーツシック……269万円
カフェでスマートフォンをWi-Fiに接続し、カップルで見ているサイトは「DS3ウェブストア」。カラーリングのシミュレーションを楽しむだけじゃなく、「じゃあ、これにしようか」と、そのまま注文もできる。
グレードはもちろん6MTの「スポーツシック」。ギアの選択に若干迷いが見られる4ATより、6MTのほうがスムーズな加速ができるし、なによりギアをかき回す動作は男を魅せるチャンスだ。
クルマに乗り込むといい香りが。パルファムエアフレッシュナーの仕業である。恋人以外にもあまたの女性を乗せる貴男には必須のアイテムでもあろう。2カ月ほどで効果が切れるので、まめな補充が必要。1本で約3000円はプレイボーイには気にならないはずだ。
フレンチコンパクトらしい小振りのシートは体格に合わないと嘆くなかれ。女性の髪の毛が残りにくいというメリットも忘れてはならない。
(webCG 本諏訪)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
-
第842回:スバルのドライブアプリ「SUBAROAD」で赤城のニュルブルクリンクを体感する 2025.8.5 ドライブアプリ「SUBAROAD(スバロード)」をご存じだろうか。そのネーミングからも想像できるように、スバルがスバル車オーナー向けにリリースするスマホアプリである。実際に同アプリを使用したドライブの印象をリポートする。
-
第841回:大切なのは喜びと楽しさの追求 マセラティが考えるイタリアンラグジュアリーの本質 2025.7.29 イタリアを代表するラグジュアリーカーのマセラティ……というのはよく聞く文句だが、彼らが体現する「イタリアンラグジュアリー」とは、どういうものなのか? マセラティ ジャパンのラウンドテーブルに参加し、彼らが提供する価値について考えた。
-
第840回:北の大地を「レヴォーグ レイバック」で疾駆! 霧多布岬でスバルの未来を思う 2025.7.23 スバルのクロスオーバーSUV「レヴォーグ レイバック」で、目指すは霧多布岬! 爽快な北海道ドライブを通してリポーターが感じた、スバルの魅力と課題とは? チキンを頬張り、ラッコを探し、六連星のブランド改革に思いをはせる。
-
第839回:「最後まで続く性能」は本当か? ミシュランの最新コンフォートタイヤ「プライマシー5」を試す 2025.7.18 2025年3月に販売が始まったミシュランの「プライマシー5」。「静粛性に優れ、上質で快適な乗り心地と長く続く安心感を提供する」と紹介される最新プレミアムコンフォートタイヤの実力を、さまざまなシチュエーションが設定されたテストコースで試した。
-
第838回:あの名手、あの名車が麦畑を激走! 味わい深いベルギー・イープルラリー観戦記 2025.7.5 美しい街や麦畑のなかを、「セリカ」や「インプレッサ」が駆ける! ベルギーで催されたイープルラリーを、ラリーカメラマンの山本佳吾さんがリポート。歴戦の名手が、懐かしの名車が参戦する海外ラリーのだいご味を、あざやかな写真とともにお届けする。
-
NEW
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
NEW
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
NEW
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。 -
NEW
第926回:フィアット初の電動三輪多目的車 その客を大切にせよ
2025.9.4マッキナ あらモーダ!ステランティスが新しい電動三輪車「フィアット・トリス」を発表。イタリアでデザインされ、モロッコで生産される新しいモビリティーが狙う、マーケットと顧客とは? イタリア在住の大矢アキオが、地中海の向こう側にある成長市場の重要性を語る。 -
NEW
ロータス・エメヤR(後編)
2025.9.4あの多田哲哉の自動車放談長年にわたりトヨタで車両開発に取り組んできた多田哲哉さんをして「あまりにも衝撃的な一台」といわしめる「ロータス・エメヤR」。その存在意義について、ベテランエンジニアが熱く語る。 -
第83回:ステランティスの3兄弟を総括する(その1) ―「ジュニア」に託されたアルファ・ロメオ再興の夢―
2025.9.3カーデザイン曼荼羅ステランティスが起死回生を期して発表した、コンパクトSUV 3兄弟。なかでもクルマ好きの注目を集めているのが「アルファ・ロメオ・ジュニア」だ。そのデザインは、名門アルファの再興という重責に応えられるものなのか? 有識者と考えてみた。