日産エクストレイルG e-4ORCE(後編)

2023.06.15 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 「“技術の日産”が帰ってきた!」とうわさの新型「日産エクストレイル」。なかでも、特に注目を集めているのがパワーユニットとシャシー制御だ。ワインディングロードで体験した多田さんに、率直な感想を聞いた。
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期待値の高まるエンジン

エクストレイルにも搭載される「e-POWER」については「効率はあまり良くないが、電気自動車(BEV)を思わせる味わいは商品として魅力的」と語る多田さん。このクルマでe-POWERの発電を担当するのは「量産車世界初」をうたう「可変圧縮比ターボ(VCT)」エンジンだ。

そのVCTについては、多田さんも開口一番「これはすごくいいエンジンですね。充電に使うだけではもったいない。ぜひ普通に使っているクルマに乗ってみたい」と笑顔で語るほどだ。

多田さんも言うように、VCTを通常の動力源として使う日産車も世界には存在する。エクストレイルも、日本と同じ1.5リッターVCTで直接駆動するモデルも海外にはある。

「可変圧縮比にすればモーターのようにトルクが均一に出せるという理屈ですね。モーターっぽい味わいは、スポーツカーのエンジンとしては悩むところですが、理屈としてはいいことだらけです」

また、クランクシャフトにリンク機構を追加することで可変圧縮比を実現した日産VCTには、燃焼行程でコンロッドがほぼ真っすぐ下に伸びてピストンの横ブレが少なくなり、さらにリンク類も振動を打ち消してくれるという副産物もあるという。

「コンロッドが垂直に動いているというのは、エンジンにとって、いいことずくめです。振動面で有利なのはもちろん、ピストンの摩耗にも貢献するはずです。そのぶん下のメカがガチャガチャ動くのは大丈夫なのか……と気になるのも事実。そのあたりの耐久性がどうなのかは今後に注目ですね」

 
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