シボレー・コルベット クーペ3LT(後編)
2023.11.02 あの多田哲哉の自動車放談 モデルチェンジに際して、FRの駆動方式を捨てミドシップスポーツカーに転じた「シボレー・コルベット」。車両開発のプロである多田哲哉さんは、その姿と乗り味を通して、このクルマの変わらぬポリシーを感じるという。この価格はありえない!
アメリカン唯一のピュアスポーツともいえるコルベットの価格は1400万円から。ポルシェでいえば4気筒の「718ボクスター/ケイマン」と6気筒の「911」のちょうど中間くらい。さらにV8ミドシップというパッケージレイアウトはまんまスーパーカーのそれだが、同様のレイアウトを持つ欧州スーパーカーと比較すると破格というほかない。
その点について多田さんは「もちろんコストパフォーマンスでスポーツカーを語るのは気が引けるのですが、商品として見ると、コルベットの一番のポイントはそこです。これだけの内容のクルマがこの値段で買えるというのは、素直にすごい」と評する。
「同じようなパッケージのヨーロッパのスーパーカーを見ても“へー”とタメ息が出るだけで、われわれからすると別世界の話でしかありません。しかし、コルベットなら、ものすごく頑張れば買えないことはないと思える。そこに価値があります」
「こんなクルマづくりは、トヨタでは無理です。今あるV8やV6のエンジンでつくれといわれても、FRとかミドシップとかは関係なく、無理だと思います。毎月5000台くらいお客さんが買ってくれれば可能かもしれませんが、それでも、コルベットと勝負できるようになるまでには最低10年はかかるでしょう」
歴代コルベットの生産台数は、実際にはピーク時でも年間3万5000~4万台で、月間3000台前後といったところだ。そう考えると、コルベットのすごみはさらに増す。
「コルベットのクルマづくりはトヨタでも研究していました。V8エンジンについては、実際のところそれほどコストはかかっていないようですが、それだけでは完全には説明できませんでした。皆さんは、トヨタは安いクルマをつくるのが得意と思っていらっしゃるのでしょうが、こういう専用設計のスポーツカーはまた別物なんです」
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