BMW 523iエクスクルーシブ(後編)

2024.04.18 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 トヨタのエンジニアとして、BMWとともに車両開発に取り組んだことのある多田哲哉さん。電気自動車(BEV)もラインナップする新型「5シリーズ」の試乗を通して、プロはどんなことを感じたのか?
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いま再び大きな変化が!?

4気筒エンジンを積んだ新型「523i」に乗って「これはBEV優先プラットフォーム。普通のガソリン車やディーゼル車にはサイズも剛性も過剰でしょう」と指摘する多田さんだが……。

「では、それがぜんぶ無駄かというと、そうとも言いきれないのがクルマの面白いところです」

「以前にもお話ししましたが、日本車の走行性能が欧州車に一気にキャッチアップしたのも、1990年代に高い衝突安全性が求められたのがキッカケでした。衝突安全性を確保するためにはボディーの強度を大きく引き上げなければならず、“それなら、ここの剛性もついでに上げれば走りも良くなる”と、日本車のボディーもしっかりつくられるようになって、走りも飛躍的に進化しました」

50代半ばの筆者も、1990年代の日本車の進化を身をもって体験したひとりだ。

「今回も、あの時と似たようなことが起こるかもしれません。クソ重い(笑)バッテリーを積むBEVのために、こうしてガソリン車から見ると過剰なほどカチンカチンのプラットフォームとなりました」

「そんな強固なプラットフォームにエンジンだけ載せたらどうなるのか。そんな好奇心に対する回答のひとつが、この523iです。ああこうなるのか……とよくわかりました」

 
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