第935回:晴れ舞台の片隅で……古典車ショー「アウトモト・デポカ」で見た絶版車愛
2025.11.06 マッキナ あらモーダ!奥深いメーカー展示
イタリア屈指の規模を誇るヒストリックカーショー「アウトモト・デポカ」が、2025年10月23日から26日までボローニャで催された。パドヴァから引っ越して3回目となる今回は、計14館のパビリオンを使って展開された。展示面積23万5000m2は、東京ドーム約5個分に相当する。
メイン特集は「F1の75年」で、30台の歴代マシンがパビリオン5館に分けて展示された。また、メーカーのヒストリックカー部門による出展では、ランボルギーニによる1964年「350GT」がとくにイタリアのメディアで話題を呼んだ。シャシーナンバーは2で、同社製量産車としては現存する最古のモデルである。
ステランティス ヘリティッジは、コレクションから3台のエクスぺリメンタルカーを持ち込んだ。1台目は名設計者ヴィットリオ・ヤーノによる1954年「ランチアD25」である。数台がつくられた同型車の1台で、メーカーがF1世界選手権参戦に注力したのと、カレラ・パナメリカーナで操縦するはずだったアルベルト・アスカリが事故死したことから、実戦に参加することなくお蔵入りになった個体である。2台目の「フィアット・アバルト750レコルド」は、フランコ・スカリオーネによるもので、1956年にモンツァで輝かしい速度および耐久記録を残した。同年の公道仕様である「750ザガート」は、ルーズベルト大統領の子息を魅了。彼にアバルト車の米国独占販売契約を取得させるに至った。そして3台目は1966年「アルファ・ロメオ・スカラベオ」である。「ティーポ33」の開発がアウトデルタに移されたあと、メーカーが新たに着手したスポーツカー計画であったが、量産に至ることはなかった。3台は「時代や設計思想こそ異なるものの、技術とデザインの限界を超越しようとした精神は共通する」と、ステランティス ヘリティッジは説明する。
日本ブランドではトヨタが6代目「RAV4」をイタリア初公開し、それに華やぎを添えるべく、歴代5モデルを展示した。また、ホンダは600m2のブースに、クラブの協力も得て、イタリア工場から初めて対日輸出された1987年「NS125RIアドリアティコ」など二輪モデル38台を展開した。
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