第853回:ホンダが、スズキが、中・印メーカーが覇を競う! 世界最大のバイクの祭典「EICMA 2025」見聞録
2025.11.18 エディターから一言60万人という来場者数に安堵
世界最大級の規模を誇るモーターサイクルの祭典、EICMAが、今年も無事にイタリア・ミラノで開催された。毎年11月の第2週の火曜日にプレスデーが始まり、その週の木曜日から日曜日までが一般公開日となる。そのスケジュールは例年どおりだったが、今回は微妙に会場が違った。国際展示場「フィエラミラノ・ロー」では冬季オリンピックへ向けた準備が進められており、EICMAはいつもと違うパビリオンでの開催となったのだ。
いっぽうで、不安のつきまとう公共交通は例年どおり。最近、ミラノでは毎週のようにストライキで地下鉄/トラム/バスが止まり、市民生活を圧迫しているという。そうでなくとも11月第2週の金曜日には、毎年お決まりの大きなストが決行され、朝夕の数時間を除いて鉄道とタクシー以外の公共交通機関が完全にストップするのだ。もちろんEICMAも、その影響を大きく受けることとなる。
しかし来場者の血気は盛んで、金曜日の朝に会場に向かうと、地下鉄が動く早朝にやってきた人々で、会場の入り口はすでに大混乱。地下鉄が再開すると早々に帰宅した人が多かったのか、夕方に客足が引けるのも早かったが、それでも閉館の18時半まで、各パビリオンはにぎわっていた。
閉幕後に配信されたプレスリリースによると、プレスデーを含む6日間の来場者数は60万人超とのことだった。EICMAは詳細な来場者数や昨年対比を出さないことが多く、加えて前年割れとなった場合は発表も控えめにしがちだ。前回は「来場者は60万人超えで、2023年比で4万人増」との発表があったが、今回は増加とも減少とも言及がなかったことから、おそらくは前年に届かなかったのだろう。それでも60万人の来場者を集めたことに、内心ホッとした。欧州で二輪系のブランドを運営する会社の関係者や、イベントの主催者などから、「状況は厳しく、けっして楽観はできない」と聞かされていたからだ。
ニュースや新聞などの報道によると、欧州経済は緩やかな回復傾向にあり、二輪市場も拡大傾向にあるという。しかし人々の間には、ウクライナとロシア、イランとイスラエルの戦争や、トランプ関税などによる経済的/精神的不安がただよい、二輪市場にも逆風が吹いている。そんななかで開催されたEICMAが、前回とほぼ変わらぬ来場者を集めたことは、とても明るいニュースといえるだろう。
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