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【スペック】S2000 タイプS:全長×全幅×全高=4135×1750×1285mm/ホイールベース=2400mm/車重=1260kg/駆動方式=FR/2.2リッター直4DOHC16バルブ(242ps/7800rpm、22.5kgm/6500-7500rpm)/価格=399万円(テスト車=432万6000円/本革シート=10万5000円/DVDナビゲーションシステム=23万1000円)

ホンダ S2000 vs NSX【試乗記】

ホンダ S2000 vs NSX【短評】 2008.10.03 試乗記 近藤 俊関 顕也 ホンダS2000 タイプS(FR/6MT)/NSX-R(MR/6MT)
……432万6000円/1255万4850円

スポーツの秋、ドライブの秋。なのにお寒いニッポンのスポーツカー市場。“走りのクルマ”に未来はないのか!? ホンダの2台を駆って、その魅力を探った。 
「タイプS」は、空力や足まわりを煮詰めた特別なS2000。2007年10月25日にデビューした。
「タイプS」は、空力や足まわりを煮詰めた特別なS2000。2007年10月25日にデビューした。 拡大
リアの巨大ウィングが「S」の証。
リアの巨大ウィングが「S」の証。 拡大

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ホンダテイスト全開!

コンドー(以下「コ」):実はそろそろ、クルマ買いたいなぁ思ってんねん。予算は、夏のボーナスでもらった500マン。
関(以下「せ」):たぶん、ひとケタ勘違いしてますよ……。それだけあったら、オプションも選びたい放題ですねぇ。
コ:羽根さえついてりゃオーケー。狙ってんのは、これ。「ホンダS2000」のタイプS。20世紀のテイストを引きずった貴重なクルマ。
せ:よりによって、2シータースポーツですか! って、まだ買えたんだっけ?

コ:ホンダもすっかりミニバンメーカーやから、そういわれるのも無理はない。ますます今のうちに乗っとかんと。次期型はどうなるかわからんし……
せ:視力やカラダのほうも追いつかなくなったり!? でも、このタイプSは、ホントに乗り心地がいいですよね。
コ:街では快適、峠にゃ最適。足まわりにお金がかかってるからな。こだわりまくり。バネレートを高めただけやなくて、全体のバランスがサイコーにチョードイイ、ホンダ。
せ:操作系もいまどきのスポーツカーらしく、チョー楽チン。やせ我慢がいらないのは、長く付き合う大事なポイントですよね。でも……このエアロな見た目に飽きたらどうしよう!?

コ:そのうち気に入るて。そうじゃなくても慣れるて。ガソリン高いんやから、置いとくだけでも楽しめなアカン。
せ:そのわりに、インテリアのデザインはすごく地味だし……
コ:新車やのに、すでに懐かしい感じがする。ちょっと前のホンダテイスト全開!
せ:小さなカーナビはそっぽ向いてて見難いわ、フロアや荷室は凸凹してるわ。
コ:スポーツカーなんやから、そんなんええねんて。デジタル式のメーターはちょっと垢抜けへんと思うけど。

S2000のパワーユニット。50:50の前後重量配分を実現すべくエンジンルーム最後部にマウントされる。
S2000のパワーユニット。50:50の前後重量配分を実現すべくエンジンルーム最後部にマウントされる。 拡大

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せ:たしかに機関はピカイチ。まるでスポーツバイクみたいに、リミッターが効く8000rpmまで軽〜く吹けあがりますね。ステアリングやシフトも軽いし、女性オーナーを見かけるのも納得です。

コ:オープンになるのも嬉しいやろ。電動でシュッと開けられるの、国産じゃぁ数少ない。
せ:開閉時間は世界一短いんじゃないですか? ストッパー外してから5秒もかからない。
コ:これで399万円かぁ。もう絶滅する前に買うしかない。本気で欲しい。他にライバルもおらへんことやし。
せ:気になるライバル、いるじゃないですか! しかも、同じホンダに……

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磨けば光るビンテージ

せ:ずばり、ニュースポーツカーX、「NSX」!
コ:どこが“ニュー”やねん。ずばり、1990年生まれの旧車や。どこかでまだ新車売ってんのか? 値段も1000マン超えてるし。ボーナス1回分では手が届かん。だいいち、S2000が3台買えるやんか!

せ:いま、中古が狙い目なんですよ。ネットオークションの個人売買なら、200〜300万円ってところですから。
コ:そりゃ安いな。とはいえ、スポーツカーは、鮮度が命。使い古しはアカン。特に足まわりな。

せ:ホンダでは、1993年からNSX専用の「リフレッシュプラン」というレストアサービスを提供してるんですよ。
コ:もちろんタダじゃないんやろ?

せ:フルコースでお願いしたら新車1台分になっちゃうけれど、たとえば「基本リフレッシュ」+「足まわりリフレッシュ」+「足まわり推奨リフレッシュ」なら、70万円ってところです。
コ:オープンにできるプランはないん? 「推奨ルーフチョップ」とか。
せ:……。そんなに屋根開きがいいなら、タルガトップの「typeT」をどうぞ! NSXは、どこから見てもスーパーカー。持ってるだけで嬉しい。でも、こんなに小さかったかな?

コ:並べると、S2000がずんぐりして見えるな。どっちも“羽付き”。全然さりげなくないところが、泣かせる。
せ:並べると、ナンバーが「泣くパパ、無視しろ」(=7988/6446)なんですけど……

コ:乗り込みだけはちょっとツラいけど、シートに収まればガラスが広くて開放的や。さすが「解放するスポーツ」。

せ:そういえば、“日常使えるスーパーカー”とも言われてましたっけ。最新の「アウディR8」といい、これって今またキテるのかも!?
ゴルフバッグやビール箱が積めるスーパースポーツ、いいじゃないですか!
コ:ミニバンみたいになだらかなダッシュボードとか、S2000よりむしろ新鮮味あるよ。

せ:アナログの距離計やキー式スタートは、いまとなってはレトロな感じ。ま、NSXのキモは、なんといっても背後のV6エンジンですからね。ガルガルガル!って、アイドリングからヤル気まんまん。
コ:なんて? 大声でしゃべらんと聞こえへん。そのぶんクルマとの対話に集中できるけど。気分も盛り上がったところで、出発するか!

NSXは総アルミボディのスーパースポーツ。なかでも「R」(写真右)は、さらなる軽量化とチューニングを施したスペシャルモデルだ。
NSXは総アルミボディのスーパースポーツ。なかでも「R」(写真右)は、さらなる軽量化とチューニングを施したスペシャルモデルだ。 拡大

ホンダ S2000 vs NSX【試乗記】の画像 拡大

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赤絨毯ならぬ、カーボン/アラミドコンポジットの軽量レカロシートが迎えるRのコクピット。画像をクリックすると、運転席まわりの比較アニメーションが見られます。
赤絨毯ならぬ、カーボン/アラミドコンポジットの軽量レカロシートが迎えるRのコクピット。画像をクリックすると、運転席まわりの比較アニメーションが見られます。 拡大
金網越しに常に見られるRの心臓。軽量化のため、ノーマルより薄いパーティションガラスが使われる。
金網越しに常に見られるRの心臓。軽量化のため、ノーマルより薄いパーティションガラスが使われる。 拡大

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ノーマルより高精度に組まれた3.2リッターV6ユニットの吹けあがりは、豪快そのものだ。
ノーマルより高精度に組まれた3.2リッターV6ユニットの吹けあがりは、豪快そのものだ。 拡大
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熱意はクルマにあらわれる

せ:足まわり、舌噛みそうなくらいガッチガチ!……ハッキリ言って、このクルマは峠というよりはサーキット向きだなぁ。
コ:これは「R」やから、しゃーない。むしろ、総アルミボディのガッシリした感じが印象的や。18年前の設計とは思われへん。

せ:一連のロータスを思わせる、「軽くて硬いシェルに包まれてる感じ」。これでS2000と同じ1270kgというからオドロキです。
コ:じゃ、今度出るV6の「ロータス・エヴォーラ」はこんな感じかな? エンジンでNSXを超えるのは難しそうやけどな!

せ:いまどきこんなに“聞かせるエンジン”少ないですよ。どの回転域でも惚れ惚れするなぁ。シフトフィーリングはS2000より少し重めでゴリゴリしてるけど、節度があって気持ちいい。
コ:チタンの球形シフトノブは両車共通か。兄弟だけに、同じタマ。

せ:FRとMR、メカニズム的には違いがあるけど、すいすいコーナー曲がれるから、自分が運転うまくなったように思えるのは同じ。どちらも峠道はお手のもの。
コ:タイプSも、前後重量配分50:50にこだわったフロントミドシップやからね。それにしてもこのNSX、4速2000-3000rpmあたりのフィールは極上。そこからさらに回すと……いやー熱くなれるなー!

せ:いい汗かけますねぇ! クーラーなんか付いてないし。
コ:……道理で暑いわけや。でも、ええねん。それも含めて、エモーショナルなことがスポーツカーに乗る醍醐味なんやから。


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【スペック】NSX-R(写真奥):全長×全幅×全高=4430×1810×1160mm/ホイールベース=2530mm/車重=1300kg/駆動方式=MR/3.2リッターV6DOHC24バルブ(280ps/7300rpm、31.0kgm/5300rpm)/価格=1255万4850円(テスト車=同じ)
【スペック】NSX-R(写真奥):全長×全幅×全高=4430×1810×1160mm/ホイールベース=2530mm/車重=1300kg/駆動方式=MR/3.2リッターV6DOHC24バルブ(280ps/7300rpm、31.0kgm/5300rpm)/価格=1255万4850円(テスト車=同じ) 拡大

せ:数字だけなら、いまどきミニバンだってこれくらいパワーありますからね。でも、スポーティさを謳うミニバンでも、こういう楽しみは得られないわけで。
コ:当のスーパースポーツの世界はといえば、いまや400ps、500psが当たり前。とうぜん速さじゃ比べるべくもないけれど、そのどれもがこの2台より心に訴えかけるとゆうわけやない。

せ:なんだか、貴重に思えてきたでしょう? ちなみに、NSXの国内販売台数は、1990〜2006年で7415台。現存数は、当然それ以下。
コ:たしかにS2000と迷うなぁ。新車みたいなNSXを400万で売ってほしい。さらに新しいスポーツカーなんか出えへんやろな?

せ:ホンダも5リッター級でV10のスーパースポーツを計画してるようですが、数字だけじゃないクルマを期待したいですね。NSXやS2000の熱さとコダワリそのままで、500psも出せたなら……
コ:火が出るて。軽量化もいいけど、クーラーだけはゼッタイ標準にしてもらわんと。汗かくどころか、フラフラなって運転続かんようになんで!

(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=荒川正幸)

関 顕也

関 顕也

webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。

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