スバル・レガシィアウトバック2.5XT EyeSight(4WD/5AT)【試乗記】
一番楽なレガシィ 2008.06.03 試乗記 スバル・レガシィアウトバック2.5XT EyeSight(4WD/5AT)……397万9500円
次期モデルの噂もちらほら。「スバル・レガシィアウトバック」が、大陸仕込みの2.5リッターターボエンジンを初搭載。ハイテク安全技術も備えたという走りやいかに? 『webCG』のコンドーと関が乗ってみた。
受賞エンジン、初搭載!
コンドー(以下「コ」):「レガシィ」、久々にちゃんと見たけど、いいやん!
関(以下「せ」):でも、もう5年目なんですよ。現行型の4代目って、2003年5月のデビューですから。
コ:そんなに古く見えへん。“感動性能”いうて、カー・オブ・ザ・イヤー取ったよなぁ? 広報のヒトが感動して泣いてはった。
せ:2006年の5月には、マイナーチェンジでグリルやシートが変わった。本気モードからエコモードまで、ボタンひとつでエンジンやトランスミッションの特性を変えられる「SI-DRIVE」システムも備わりました。
コ:“インテリジェント・レガシィ”な。燃費方面にも対応した、と。で、今年の5月は、何も起こらんのかいな?
せ:そのひとつが、コレ。新しくなった「レガシィアウトバック」です。
コ:どこがどうやねん? いままでと同じに見える。
せ:車高が25mm下がってるんですよ。
コ:道理で精悍に……って、ちゃうやろ。アウトバックは、普通のレガシィより7cmくらい車高上がってんのがウリのはず。「悪路でもへっちゃら」がええんやん。
せ:低いのにはワケがある。「レガシィ」シリーズで初めて、2.5リッターのターボエンジンを載せたんです。
コ:2.5リッター? 前からなかったっけ? 6気筒は3リッターNAが1種類。4気筒は……ぎょうさんあって、わかりにくいねん。
せ:「レガシィ」シリーズのフラット4ユニットは、2リッターNA、2リッターターボ、そして2.5リッターのNA。今回の2.5リッターターボは、4年ほど前から北米で扱われ、国内初登場です。
コ:ひょっとして、2008年のエンジン・オブ・ザ・イヤー取ったやつ!?
せ:カー・オブ・ザ・イヤー取ったクルマに、太鼓判のエンジン搭載! こりゃ、乗らない手はないでしょう。
コ:いかにも美味そうや。でも、パワーアップを理由に車高下げるくらいやったら、元から低い、普通のツーリングワゴンとかB4と組み合わせたほうがええような……
せ:それもまた、ワケありみたいですよ。まずは乗ってみるとしますか。
似てるけれども違う味
コ:インテリアも、いままでと同じように見えるで。
せ:黒い木目が新たなマイチェンポイントですよ。樹脂製だけど。
コ:センターコンソールは左右対称に見えて、ちょとだけドライバーのほう向いてる。クルマ好きにはグッとくる。
せ:そこもポイント。オーディオパネルがつやつやのピアノブラックになりました。
コ:それはそうと、アイドリング付近のエンジン音がウルサない?
北米じゃ「大陸向けにガサツにできてる」って声もあったらしいやん。
せ:2リッターターボの「2.0GT」と比べれば、ボクサーエンジンのドコドコ感がわかりますね。排気干渉がリファインされた現行型にあって、味わい深くていいじゃないですか。
コ:出足は、はっきり差がある。2.5リッターでターボやからなぁ。320psくらい出てるのとちゃう?
せ:265ps/5600rpm、35.7kgm/2400rpmだから、オートマの「2.0GT」(260ps/6000rpm、35.0kgm/2000rpm)と、カタログ上はあまり変わりません。
コ:……やっぱ、わかりにくいわ。数字はそれこそビミョーな差やけど、実際の味は結構違うもんや。
せ:2.0GTは4000rpm以上でノッてくる感じ。いっぽう2.5XTは、3000rpm以下でグイグイ走るから、日常ユースでは扱いやすいと思います。
コ:乗り心地も、XTのほうがええ。しかも、速い。
せ:実際、停車時からの加速競争はXTが上なんです。でも、調子に乗って飛ばしてると……
コ:コーナーで怖いよな。なんぼ専用サスを奢ったいうても、ビルシュタインでキメた2.0GTみたいにビシッと安定してへん。タイヤの違いも大きいな。
せ:ターボラグもちょっと大きめだし、峠道を走るなら2.0GTに分がありますね。クローズドサーキットのタイムも、そんな感じだそうです。
コ:2.0GTは、常にMTモードでガンガン走りたくなるもんな。2.5XTは、ATで乗るんが合うてる。
せ:Dレンジしか使わないならXTを選んだほうがいい。高速を多用するひと、都会生活者にはぴったり。スバルは“大人のターボ”と呼んでます。
コ:ちゃんと棲み分けできてるんやん。ところでその大人か何か知らんけど、さっきからピーピーピーピー……ウルサイんやけど、これも新しい機能かなにか?
目の上の“ごっつい”タンコブ
せ:「車線からはみ出しそう」って、レーンキーピング機能の警告。イン攻めすぎなんですよ!
コ:レガシィにそんな装備が? まるでトヨタの高級車みたいやん。……ひょっとして、技術提携?
せ:この「EyeSight」(アイサイト)は、スバルが独自に開発したプリクラッシュセーフティシステムだそうです。レーダーじゃなくて、人間の目のように2台のステレオカメラで状況判断するのがミソ。
コ:マイチェンの“目玉”ゆうわけや。ワッハッハ。……運転中はたいして気にならんかったけど、まじまじ見るとごついなぁ。バンパーに小さなレーダーでも入れりゃ済みそうなもんやけど。
せ:ステレオカメラのほうが天気の影響を受けにくいし、歩行者や自転車など、至近距離で動く対象を判断するのに有利だそうですよ。
コ:車線逸脱防止のほかにも、いろいろできそうやな。
せ:前車追従機能付きのクルーズコントロールに、追突防止。15km/h以下の低速でも効くというのが、アピールポイントなんです。
コ:ほな、渋滞なんか最強やん。気軽にオーディオの操作できるし、ウトウトしてもても一安心!?
せ:それが、結局はブツかっちゃうんです。アイサイトの仕事は、あくまで追突被害の軽減。ドライバーを過信させないように、完全に寸止めはしてくれません。
コ:ビミョーやなぁ。接触でも事故は事故やろ。バンパー同士がすこーし触れただけで起こってる渋滞なんか、一掃されると思たのに。
せ:音による警告はちゃんとしてくれるから、あとはドライバー次第です。もっとも、今後市場が望むなら、衝突前に停める方向に動くみたいですけど。
コ:まあ、普及するかどうかは、値段次第や。
せ:「アイサイト」の装備価格は、20万円ほど。追突事故の修理代や保険代を考えれば高くはないと、開発陣も胸を張ってます。
コ:20万円のカーナビじゃ、命は救ってくれへんもんな。燃費の次は、予防安全か。レガシィも、まだまだやることあんねんな。
せ:来年の5月には、またなんかあるかも……
コ:「スバル・カルディナ」とかいう兄弟車が出たりして!?
せ:……。
コ:それはないとしても、さらなる革新、さらなる熟成を期待したいね!
(文=webCG近藤俊&関顕也/写真=webCG)

近藤 俊

関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。
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