第164回:ビーエムは小さい方がいい?毎日食べたい美味しいおコメだ! 新型1シリーズ
2004.09.27 小沢コージの勢いまかせ!第164回:ビーエムは小さい方がいい?毎日食べたい美味しいおコメだ! 新型1シリーズ
■しみじみ、味がいい
さて、イタリアから帰ってきて怒涛の締め切りの後、待ってました〜のが「BMW 1シリーズ」試乗! コレ、結構注目なんだよね。俺自身もそうだけど、ビーエムファンって業界に多いし、こういう格言もある。
「ビーエムは、小さければ小さい方がいい」
あんまり有名な言葉じゃないけど、BMWは3に限る! って人は多いし、MINIの成功もあるからね。1シリーズにはかなり注目なのよ。売れる売れない以外に「クルマとしての味はどうか」みたいな部分で。
さて結論。ヒトコトでいうと“研ぎ澄まされて”ましたね。パッと乗った瞬間は結構、普通なのよ。特に激しいエンジン音も、ダイレクトすぎるステアリングフィールもない。室内もトランクも使いやすいが、正直広くはない。「これでゴルフを圧倒できるかなぁ」。そう思ったのも事実。特にシート表皮は安っぽかったな。俺が乗ったのは。
だけど長く乗るといろいろ感じてくる。俺は今回、木曜から火曜まで長めに都内を走ってたんだけど、それだけ乗るとつくづく思う。「やっぱビーエムっていいなぁ」と。
なんちゅーかね。まず日々使うのにドアは5枚あるし、サイズ適当で使いやすいのよ。余計なストレスがない。でね。ここが肝心、普通に乗った感じが非常によろしい。「毎日食べたい美味しいおコメ」っていうかなぁ。普段何気なく走るのが楽しく、しみじみ、味がいい。刺激はすくないんだけどね。
■売れる気がする
具体的に言うと、ボディ剛性は非常に高い。3シリーズのコンパクトもそうだったけど、ボディが小さくなったぶん“より締まった”感じがする。ついでに1は、新世代のプラットフォーム(次の3シリーズのリアサスとか)も採用してるしね。余計いい。
足はそれなりに硬めで、ただし、別段、チューニングカーのような締まった乗り味ではない。特別、いいダンパーを使ってるような感じはしない。ただ乗り心地は素晴らしく、ボディが小さくなったがゆえのピッチングや小刻みなボディのゆれは感じない。ちゃんと専用設計されてる感じだ。
特にいいのはステアリングフィール。ビーエム独自の適度なフリクションを感じつつも、非常にスムーズな動きで、路面の状況を確実に伝える。ここのところの味も“一段研ぎ澄まされた”感じだ。荒さはなく、フィールだけが残る。そして2リッター直4エンジンは今までになくよく回る。だんだん直6に匹敵する味のよさを備えつつあると思いました。パワフルじゃないけどね。
それから大きいのがスタイリングだ。正直、走りの味は3のコンパクトでも十分といえば十分。ただ、あれはどうにも「ついでに作りました感」が強いのよ。
一方、1シリーズは専用設計だし、なによりあのクリス・バングル路線デザインは、小さい方が生きる気がした。ボディが小さくなったぶん、グリルが大きく見える「頭でっかちデザイン」なんだけどね。独特のあの「うなぎ犬」みたいなカタチが印象に残る。決して「うー、カッチョいい〜」ではない。「小さなビーエムを飼ってる」って感じでしょうか。意外と愛着を持てる気がしました。ほどよいキャラクター性。
好みは分かれると思うけどさ。日本では結構、売れる気がしましたね。日々の米の美味さと、普段のクルマの走り味は大切ですから。長く乗っても飽きそうもないですよ。新型1シリーズ。
(文と写真=小沢コージ/2004年9月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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