第102回:一番高いヤツが一番スポーティ?新型「アウディA8」にアウディブランドの真髄を見た!
2004.03.09 小沢コージの勢いまかせ!第102回:一番高いヤツが一番スポーティ?新型「アウディA8」にアウディブランドの真髄を見た!
■あんなに激しくていいの?
いやー、驚きました、新型アウディA8。鹿児島県で開かれたプレス向け試乗会に行ってきたんだけど、あまりにスポーティかつダイレクトなクルマなんでビックリ。「こんなにでっかい高級車なのに、あんなに激しくていいんですか?」って感じ。前モデルもかなりのもんだったけど、ますますアグレッシヴになってます。たぶん。クルマづくりの方向性も、メルセデスベンツSクラスやBMW7シリーズとは全然違っていて、特にベンツのオヤジ臭さとは一線を画すものがあります。
まずはエンジン。最高出力355psの4.2リッターV8で、旧型に比べてパワー25ps増し、トルク2.04kgm増えた43.8kgm。それはいいんだけど、なにより吹けが違う。「シュワーン」って感じで、まるで2リッター直4並みに軽く吹けるのだ。
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乗り心地もいいことはイイけど、これまたベンツみたいな懐の深さや、BMWのようなしなやかさはなく、独特のダイレクトな質感。わかりにくいかもしれないけど、まさに「軽くて硬いアルミならではの手応え」なんだろうなぁ。乗っててキモチいい。
一方、スタイルはジミ目。特に、ジュネーブで発表された新型「A6」を見ちゃうと物足りない。アウディらしく、シンプルかつ強いラインでカッコはいいんだけどね。繰り返しになるけど、なにより走りが凄い。BMWも同様にスポーティ路線だけど、アウディはダイレクトさが違う。ある意味、同じアウディのなかでも、もっと小さなA6、A4よりスポーティかもしれない。
■究極の盗難防止?
ようするに、これくらいやらなきゃ今のブランド競争では勝てない、ってことなんだろうなぁ。なかでも、これからベンツ、BMWと戦っていかなきゃいけないアウディはね。新型A6を見ればわかるように(後にジュネーブショーレポートで報告!)、デザインでもますます先鋭化していくと思われます。
追記すると、ハイテク装備もスゴいね。BMWの「iDrive」と、日産の新しいインターフェイス「センターコントロールスイッチ」を足して2で割ったような、大胆かつ使いやすい新操作系「MMI」(マルチメディアインターフェイス)もそうだし、独自の「バスシステム」が面白い。
バスシステムは、フライバイワイアの最新版みたいなもの。アクセルやブレーキのみならず、パーツ同士の情報交換もすべてコンピュータを介して行うため、パーツそれぞれに小コンピュータが付く。このことによって、接続ケーブルが細くてすむうえ、「2コイチ防止」になるってことが興味深い。つまり、パーツそれぞれをメインコンピューターに認証させなきゃ動かないから、正規代理店の工場でしか修理ができない。盗難パーツをつけたり、勝手に事故車の前半分と後半分を溶接して「2コイチ」をつくる、なんてことはできないのだ。ある意味、究極の盗難防止システム。それでも抜け道を見つけるハッカーみたいのは、出るとは思うけどさ。
つくづくクルマも大変な時代に入ったものです。
(文と写真=小沢コージ/2004年3月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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