第3回:インポートカーの魅力を満喫!
輸入車チョイ乗りリポート~400万円から650万円編~
2014.02.26
JAIA輸入車試乗会2014
Dセグメントのプレミアムセダンに豪快なスペシャリティーカー、玄人好みのハイパフォーマンスモデル……。「これぞ輸入車!」という醍醐味(だいごみ)を感じさせる、4台の注目モデルを紹介しよう。
いいとこだらけ
アウディS3スポーツバック……544万円
速くて高い「A3スポーツバック」くらいに思っていた。乗るまでは。要するにA3の豪華版でしょ、と。
で、乗ってみたら感激した。そんなひとことで済ませられるようなクルマじゃなかった。スポーティーでスペシャルなA3だった。
A3の皮をかぶったスーパーマシン。ひとことで言っちゃってますけど。
280psもあるのだから、動力性能は「ランエボ」「インプレッサ」並み。ハンドリングも素晴らしい。腕に覚えがあろうとなかろうと、思った通りに、走る・曲がる・止まる。そのうえ、乗り心地まで絶品なのだ。しっとりすべすべ……じゃないけど、スムーズさが普通のA3とまったく違う。ここは、オプションで選べる連続可変ダンピングシステム「マグネティックライド」の存在が効いてるのでしょう。
ルックスはまぁ地味っちゃ地味だけど、クオリティーはまさに“アウディ”そのもの。「A6」あたりと比べても何ら遜色のない、上質な仕上がりだ。室内は黒一色なのに、アルミがいいアクセントになっていて重々しい感じがしない。
ドアの開閉音から各部の操作ロジックまで、車種を問わず見事に統一されているのにも感心する。
日本でのS3の販売比率はA3シリーズ全体の約5%だとか。限られた人のための通なモデル。
スポーツカーのようにも使え、日常での使い勝手も文句なし。
今のアウディの技術力をプロダクトとして昇華させた、万能の一台といえるんじゃないでしょうか。
(文=webCG 近藤/写真=峰 昌宏)
後席が特等席
フォード・マスタング V8 GT コンバーチブル……570万円
「ザ・アメリカ」なクルマだ。正しくは「ジ」だが、そんな細かなことはどうでもいいくらいアメリカンなクルマである。
5リッターV8エンジンが奏でるサウンドは「ドロドロロロ」と野太くてアメリカン。エンジンルームに輝く「5.0」というエンブレムも、これでもかという押し出しの強さでアメリカン。センターコンソールに貼られた、「POWERED BY Microsoft」のバッジも、思いきりアメリカン。
デザインもアメリカンで、「どうだカッコイイだろ!」といわんばかりのスタイリングも個人的には大好きだ。特に、70年代の「トヨタ・セリカ リフトバック」にそっくりなテールランプなんか、たまらない(というか、当時のマスタングのデザインに影響を受けたセリカに、デザインの再解釈をした21世紀のマスタングが似ているというのがとても面白い)。
アメリカのいいとこ取りのようなこのクルマの特等席は、なんといってもリアシートだ。
V8サウンドを堪能するにはここがベストだし、53.9kgmの大トルクをお尻の下で、暴れ馬がひづめで地面を蹴るように感じられる。
スピードを上げると、カキーンと冷えた海風が容赦なく体に当たるが、真冬でなければきっと心地いいだろう。
とはいうものの、やっぱり運転席も楽しい。風の巻き込みが激しくないくらいのスピードで、のんびりと海沿いの道路を流すのもお似合いだが、その気になったときには右足に軽く力を込めるだけで、胸のすくような加速が味わえる。この余裕が、「マスタング V8 GT コンバーチブル」の一番の魅力だろう。
(文=工藤考浩/写真=峰 昌宏)
頼れる、大人のやんちゃ仕様
ボルボS60 T6 AWD R-DESIGN(ポールスター・パフォーマンス・パッケージ装着車)……639万円
シャープな印象のエクステリアに、ギュッと締まった足まわり。「S60 T6 AWD R-DESIGN」は、ボルボきってのスポーティーモデルだ。価格は619万円ナリ。
これに20万円上乗せして、オプション「ポールスター・パフォーマンス・パッケージ」を注文すると、いよいよアガリの仕様となる。
もともと強力な直6ターボ(304ps、44.9kgm)は、ロムチューンによりパワーアップ(329ps、48.9kgm)。期待を込めてペダルを踏めば、思わずニヤリの加速感。「コォーーン!」と響く直6サウンドに、さらに目尻が垂れ下がる。
このカスタムで特筆すべきは、燃費が落ちたりしないこと。それに「メーカー保証付き」だ。安全装備は満載だし、4WDも頼りになる。なんて手堅い“やんちゃ仕様”……!
年内には、その完全版たるコンプリートカー「S60ポールスター」も日本に上陸するのだとか。こちらは350psと51.0kgm(!)で、ATも足まわりも専用仕立て。ただし価格も別格で、50台の前年モデルは10万9950豪ドル(=1011万5000円)。大台超えの値をつけた。
それを思えば、こちらはおトク!? 高級スポーツセダン、例えば「レクサスIS350“Fスポーツ”」(318ps、38.7kgm、595万円)や「アウディS4」(333ps、44.9kgm、799万円)が気になる方、ぜひ一度お試しあれ。
(文=webCG 関/写真=峰 昌宏)
エンジンとサスで語れるアメリカン
キャデラックATSパフォーマンス……486万円
個人的にかなり気になっていた一台。2リッター直4ターボエンジンで276psというのは結構頑張っている数字だし、サーキットに行ってしまうようなパフォーマンス系ならまだしも、街乗り中心のプレミアムセダンに“ブレーキLSD”ではないメカニカルなノンスリを付けて、しかもフロントブレーキがブレンボだなんて、その心意気やよしである。このヤル気に満ちた装備は、ニュルブルクリンクのオールドコースを走り込んで得た結論だろうか(ちなみに、キャデラックは2003年発表の初代「CTS」あたりからニュルで走りこんでいるとうたっており、今回が初ではない)。
今回、ニュルではない西湘バイパスを走って感じたのは、ノンスリの効果ではなく、まずはエンジンの出来が非常に素晴らしいことだった。1000rpm台の後半からすでに有効なトルクが出ていて、スロットルレスポンスもいい。ツキのいいエンジンだ。しかもトップエンドまで気持ちよく回って、高回転域で発するエンジン音も快音の類い。トランスミッションはトルコンATながらシフトスピードが速く、これまた快哉(かいさい)。そして、足まわりはショックアブソーバーが微小域から滑らかに動くさまが体感でき、ひと昔前のアメリカンスポーティーセダンの硬さばかりが目立った乗り心地はもはや過去形に。試乗した「パフォーマンス」グレードではない、廉価な「ラグジュアリー」の方はもっとしなやかさが強調されているそうだから、ぜひともそちらも試してみたいものである。
(文=webCG 竹下/写真=峰 昌宏)

近藤 俊
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