第461回:新型「Aクラス」のインテリアを先行公開
商圏拡大を担う新しいメルセデスの出来栄えを占う
2017.12.14
エディターから一言
拡大 |
オーナー層の若返りという難しいミッションを、見事に果たした「メルセデス・ベンツAクラス」が、間もなくモデルチェンジするという。技術説明会で先行公開されたそのインテリアとともに、“コンパクトメルセデス”に課せられた、次なる使命をリポートする。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
モデルチェンジのキモはユーティリティーの改善
2018年の春にデビューが予定されている新型メルセデス・ベンツAクラス。デビューを控え、ウェブ上でもカムフラージュ柄をまとったスパイショットを多く見かけるようになってきた。その新型Aクラスのインテリアデザインをはじめとする一部仕様が、ドイツ・シュトゥットガルトで報道陣向けに開催された技術解説カンファレンス「テックデイ」にて先行公開された。
初代のAクラスが登場したのは1997年のこと。以来、20年間、3世代にわたって約300万台のAクラスが生産されてきた。2012年に登場した現行型ではコンセプトやデザインを一新。若年層の取り込みを積極的に狙う一方で、「Bクラス」「CLA」「CLAシューティングブレーク」「GLA」など派生モデルも数多く誕生し、Aクラスをベースとするコンパクトファミリーは、世界でのべ555万5555台以上が供給されてきたという。
果たして4代目Aクラスはどのように変わるのか。この日はエクステリアデザインやパワートレインをはじめとするスペックの詳細についてはまだ公表できないという前提だったため、モデルチェンジの狙いなどについて、開発責任者のクリストフ・エバライン氏に話を聞いてみた。
――3代目Aクラスは、モデル数も販売地域も増えて世界的にも成功したモデルといえると思います。今回のモデルチェンジの狙いは何なのでしょうか?
クリストフ・エバライン氏(以下エバライン):現行のAクラスは世界的に成功したモデルといえます。特にわれわれの強みはデザインの良さ、スポーツ性に優れた点にあった。一方で、視界の広さ、乗り込みのしやすさ、空間の広さなどに関しては課題もありました。強みはさらに向上させる一方で、この課題を改善することが主な狙いです。
ラインナップを8車種に拡大
――ということは、デザイン面での変更が主たるもので、プラットフォームなどは現行のものを踏襲するのでしょうか?
エバライン:いいえ、完全に新規のものを導入します。
――え、現行型が登場してまだ5年なのに、プラットフォームを刷新すると。それはなぜなのでしょうか?
エバライン:それは時代によって求められているものが変わってきたということです。この新世代では派生モデルの数も8車種へと増えます。
――今後Aクラスをベースに8車種が登場すると。それは楽しみですね。ところで既存のものとは異なる、新しいモデルはあるのでしょうか。こっそり教えてくれませんか?
エバライン:それは言えませんよ(笑)。ただ、今年の前半に上海モーターショーで「コンセプトAセダン」を発表しているので、それを見てもらえばひとつの方向性はわかってもらえるかと思いますね。
――なるほど。あれはセダン需要の高い中国市場を見てのものだと思いますが、例えばCLAとのすみ分けはどのようになるのでしょうか?
エバライン:それも詳細は言えませんが(笑)、でも「Eクラス」と「CLS」の関係性と似たものだと考えてみてください。私は以前、ドイツ国内市場向けのEクラスとCLSのプロダクトマネジャーを務めていたのですが、両者は競合する部分もありながら、顧客からはそれぞれにきちんと支持されていました。
インテリアに実力の片鱗を見る
――それだけ派生モデル数を増やしていくということは、商圏と顧客の両方を広げていくことが、新型にとって大事なミッションということなのでしょうか。
エバライン:もちろんそれはあります。現行Aクラスのオーナーの平均年齢は以前のモデルより13歳以上も若返りました。中国では、顧客の3人に1人が30歳未満というデータもあります。
――なるほど、それほど若いユーザーを獲得できているわけですね。最後に新型Aクラスのイチオシのポイントを言える範囲で教えてください。
エバライン:まずはデザインですね。今回はエクステリアはお見せできませんが、内外装ともに素晴らしい出来だと思います。また進化したテレマティクスコンセプトを来年のCES(コンシュマー・エレクトロニクス・ショー。米ラスベガスで開催されるテクノロジー関連の見本市)で発表する予定ですので、そちらも楽しみにしていてください。
このインタビュー後、スマートフォンなどカメラ類を収納したのち、ある隔離された部屋に通された。そこには、カムフラージュされた新型Aクラスのプロトタイプが展示されており、室内に乗り込むことが許可された。
「Sクラス」譲りの装備、質感の高さもさることながら、フロント、そしてリアの視界の広さがとても印象的だった。後席もヘッドクリアランスが拡大し、明らかに開放感が高まっている。また開発メンバーのひとりが自転車を積載できることにこだわったそうで、ラゲッジルームのフロアは11.5cm長く、荷室容量は29リッター増えているという。
新型Aクラスの全容が明らかになるのは2018年のことだが、カムフラージュ柄のプロトタイプからも、その実力の片鱗(へんりん)を垣間見ることができた。
(文=藤野太一/写真=藤野太一、ダイムラー/編集=堀田剛資)

藤野 太一
-
第865回:ブリヂストンが新タイヤブランド「フィネッサ」を発表 どんなクルマに最適なのか? 2026.3.13 ブリヂストンが2026年1月に発表した「FINESSA(フィネッサ)」は、同社最新の商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載する乗用車用の新タイヤブランドである。高いウエットグリップ性能と快適な車内空間の実現がうたわれるフィネッサの特徴や走行時の印象を報告する。
-
第864回:冬の北海道で「CR-V/ZR-V/ヴェゼル」にイッキ乗り! ホンダ製4WDの実力に迫る 2026.3.9 氷雪に覆われた冬の北海道で、新型「CR-V」をはじめとするホンダのSUV 3兄弟に試乗。かつては実力を疑われたこともあるというホンダ製4WDだが、今日における仕上がりはどれほどのものか? 厳しい環境のもとで、そのコントロール性を確かめた。
-
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す 2026.3.3 電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。
-
第862回:北極圏の氷上コースでマクラーレンの走りを堪能 「Pure McLaren Arctic Experience」に参加して 2026.2.25 マクラーレンがフィンランド北部で「Pure McLaren Arctic Experience」を開催。ほかでは得られない、北極圏のドライビングエクスペリエンスならではの特別な体験とは? 氷上の広大な特設コースで、スーパースポーツ「アルトゥーラ」の秘めた実力に触れた。
-
第861回:冬道性能やいかに ミシュランのオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」を北の大地で試す 2026.2.18 2025年9月に日本ミシュランタイヤが発表した最新のオールシーズンタイヤ「クロスクライメート3」と「クロスクライメート3スポーツ」の冬道性能を確かめるために、北海道に飛んだ。ドライやウエット路面に続き、ウインターシーンでの印象を報告する。
-
NEW
アストンマーティン・ヴァンキッシュ ヴォランテ(FR/8AT)【試乗記】
2026.3.14試乗記英国の名門、アストンマーティンの旗艦車種「ヴァンキッシュ」に、待望の「ヴォランテ」が登場。5.2リッターV12エンジンを搭載した最上級コンバーチブルは、妥協のないパフォーマンスと爽快なオープンエアのドライブ体験を、完璧に両立した一台となっていた。 -
テスラ・モデルYプレミアム ロングレンジAWD(4WD)
2026.3.13JAIA輸入車試乗会2026電気自動車(BEV)「テスラ・モデルY」の最新モデルは、これまで以上に無駄を省いた潔いまでのシンプルさが特徴だ。JAIA輸入車試乗会に参加し、マイナーチェンジによってより軽くより上質に進化したアメリカンBEVの走りを確かめた。 -
ルノーから新型車「フィランテ」が登場 仏韓中の協業が生んだ新たな旗艦はどんなクルマ?
2026.3.13デイリーコラムルノーが韓国で新型クーペSUV「フィランテ」を世界初公開! 突如発表された新たな旗艦車種(?)は、どのようないきさつで誕生したのか? フランス、韓国、そして中国の協業が生んだニューモデルの概要と、そこに込められたルノーの狙いを解説する。 -
第865回:ブリヂストンが新タイヤブランド「フィネッサ」を発表 どんなクルマに最適なのか?
2026.3.13エディターから一言ブリヂストンが2026年1月に発表した「FINESSA(フィネッサ)」は、同社最新の商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載する乗用車用の新タイヤブランドである。高いウエットグリップ性能と快適な車内空間の実現がうたわれるフィネッサの特徴や走行時の印象を報告する。 -
新型「リーフ」は日産の救世主になれるか BEVオーナーの見立ては?
2026.3.12デイリーコラム日産自動車は3代目となる電気自動車(BEV)「リーフ」の受注台数が、注文受け付け開始から約4カ月で6000台を超えたと明らかにした。その人気の秘密や特徴を、自らもBEVを所有するモータージャーナリスト生方 聡が解説する。 -
ホンダN-ONE e:L(前編)
2026.3.12あの多田哲哉の自動車放談軽自動車の世界において「N」シリーズで存在感をみせるホンダ。そのフル電動バージョンたる「N-ONE e:」の仕上がりやいかに? トヨタでさまざまなクルマを開発してきた多田哲哉さんがチェックした。







































