メルセデス・ベンツG350d(前編)
2020.02.06 谷口信輝の新車試乗 今回の試乗車は、「メルセデス・ベンツGクラス」の本命ともいわれるクリーンディーゼルエンジン搭載モデル。先代Gクラス、そして現行型の高性能ガソリン車「AMG G63」を知る谷口信輝は、その走りをどう評価する?あるべきものがそこにない
「ちょっと、これ乗ってみて」
試乗車のメルセデス・ベンツG350dのかたわらに立つ谷口信輝が、スタッフSにそう声を掛けた。
「えー、ボクですか? ボクはドラポジが人よりかなり前になるくらい小柄なんですから」と言いつつも、スタッフSは運転席に乗り込もうとしたが、どうもうまくいかない。その様子を見ていたカメラマンKが「なんで、ここにアシストグリップがないんでしょうね?」と疑問を投げかけた。
そう、もしもAピラーにアシストグリップが付いていたら、これを握って全身を引き上げるようにすることでポジションが高めの運転席まで体を移動できるだろう。でも、残念ながら新型GクラスのAピラーにアシストグリップはない。なぜか?
正式な理由はわからないけれど、もしかしたら助手席正面に取り付けられた大型のアシストグリップがなにか関係しているのかもしれない。助手席正面の大型アシストグリップは旧型Gクラスにも用意されていたアイコン的装備。新型もこれを受け継いでいるので、そのうえさらにAピラーにもアシストグリップがあったら「屋上屋を架す」ような格好になると判断されて省かれたのだろうか? しかし、同様にAピラーにアシストグリップを持たない運転席側には適当な“手がかり”が見当たらない。しかも、メルセデスのSUVにはサイドステップが付いているのでボディーから少し離れて立つ必要があり、さらにこのサイドステップに泥はねが付いていると服を汚さないためにもさらに遠くに離れなければならず、いよいよ乗りにくくなる。谷口がスタッフSに「乗ってみて」と声を掛けた気持ちもよくわかる。
ただし、G350dがいかに魅力的なクルマかを考えれば、乗り降りのしにくさなど相対的に小さい問題といってかまわない。そのなによりの証拠に、この問題を別にすれば谷口は不満らしい不満をひと言も発しなかった。いやいや、それどころか、いままでにないくらい真剣味を帯びた調子で「これ、欲しい!」とまで言い放ったくらいなのである。
なにがそれほど気に入ったのか?
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