日本メーカーが2023年の生産・販売台数を発表! 波乱の一年を数字で総括する
2024.02.09 デイリーコラムトヨタが過去最高のグローバル販売台数を記録
2024年を迎えておよそ1カ月が過ぎた2024年1月30日、日本の各自動車メーカーが、2023年の販売実績をそろって発表した。この一年の各メーカーの調子はどうだったのだろうか? メーカーによっては販売台数を明らかにしていないところもあるが、そうした場合は生産台数で実績を紹介したい。
まずは、グローバルで1123万3039台を売り上げ、4年連続で販売台数世界一となったトヨタグループからだ。
トヨタ自動車の2023年のグローバル販売は1030万7395台。前年比107.7%で、なんと過去最高を記録した。日本国内でも前年比129.8%の167万2970台と、まさに絶好調。コロナ禍明けの追い風を受け、快進撃を果たした。
日本以外での売れ行きを見ると、261万7033台の北米(前年比107%)と112万6107台の欧州(同109.1%)という、2つの大きな市場で堅調に伸びているようだ。いっぽうで、なにかと話題の中国でも販売台数は190万7587台で前年比98.3%。経済の失速が取りざたされるこの市場でマイナスを抑え込んだのも、過去最高記録を生み出した一因だろう。
ちなみに、トヨタは電動車の販売実績も発表している。それによると、2023年のハイブリッド車(マイルドハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を除く)の販売は342万0004台で、前年比131.4%。ハイブリッド車の需要が世界的に拡大しているのは間違いないようだ。いっぽうで、電気自動車の販売も前年比425.2%と4倍以上に伸びたが、台数はまだ10万4018台だった。
次いで、トヨタの子会社であるダイハツはどうか? 認証申請における不正から、2023年暮れに工場停止に追い込まれた彼らには、相当に厳しい未来が予想されている。しかし2023年に関しては、実のところグローバル販売(プロドゥアを含む)で112万0766台(前年比106.9%)と、3年連続で前年比増を達成していたのだ。まさに好事魔多しということだろう。
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中国の不調を北米と欧州でカバー
続いてホンダはどうかというと、2023年の実績は世界生産で387万0162台(前年比108.2%)を達成。5年ぶりの増加という好成績であった。地域別でいえば、北米が7年ぶり増の119万8753台(同130.1%)を記録。いっぽうで、アジア地域は196万3680台(同93.2%)と2年連続減、中国市場も3年連続減の142万4120台(同88.9%)だった。いっぽう、おひざ元の日本市場は56万7969台(同104.6%)で、こちらは5年ぶりの前年比増を記録。日本を除くアジア地域での実績が、足を引っ張ったようだ。
日産の実績もホンダに似ている。要するに、調子がいいのが北米と欧州で、ダメなのが中国だ。グローバル販売は337万4271台で前年比104.6%。北米での販売は123万3572台で前年比123.2%。欧州が34万3891台で前年比120.1%。日本国内も48万0578台で全年比106.9%となった。対して中国は、79万3768台で前年比83.9%である。
マツダも似たような内容だ。グローバル販売は124万4613台で前年比111.5%。北米は36万3355台で前年比123.2%。欧州が18万6705台で前年比123.4%。日本国内が17万7788台で前年比110.2%。一方、中国は8万4949台で前年比78.6%。北米、欧州、日本で調子がよくて、中国で大ブレーキという状態だった。
では、中国とは距離を置くメーカーはどうだっただろうか? まずはジャパンモビリティショー直前の2023年10月24日に、中国市場からの撤退を表明した三菱自動車である。グローバルの総生産数は102万4010台で前年比101.1%。中国での生産が前年比9.7%の3367台まで減っているが、なんとか前年並みを保つことができている。実のところ、三菱の中国生産は2022年時点で前年比56.6%の3万4575台にまで減っていた。だから撤退を決めたわけだし、すでにそれほど減っていたから、よその頑張りでカバーできたのだろう。
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総じて見れば悪い一年ではなかった
さらに、そもそも中国の販売がわずかな1万台で、その影響が小さいスバルはどうかといえば、グローバル生産が95万9147台で前年比113%と、2年連続の増加となっている。国内販売も10万6002台で、こちらも6年ぶり増の前年比105.1%だ。日米市場の活況に乗り、堅調に伸びた感じだろう。スズキも中国とは関係のないメーカーだが、こちらはグローバル販売が307万2824台で前年比103.5%と、3年連続の成長を記録。日本国内は65万0570台で前年比107.9%と、こちらは5年ぶりの増顔だ。地域的には、インド、欧州、中近東が前年比プラスで、特に中東は過去最高を記録したという。
こうして見ると、どのメーカーもダメなのはアジア地域の特に中国で、北米や欧州では好調ということだ。先にも述べたとおり、トヨタが好調なのは、中国でのマイナスをほぼゼロに抑え込めたのが理由だろう。
また巨大市場の中国・米国をすっかり無視しながら、年間300万台レベルの生産・販売を実現するスズキにも注目したい。気がつけばスバルやマツダを大きく上回り、ホンダや日産にも手が届くところにまで成長している。まさに、したたかな経営といえるだろう。
最後に日本の国内市場について触れておくと、コロナ禍による自粛ムードの緩和もあってか、2023年1~12月の国内新車販売台数は、久しぶりの前年超えとなる前年比113.7%の477万8861台(一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ)となった。既述のとおり、多くの日本メーカーがその追い風を受けたようだ。いずれにせよ、主要8社のすべてが前年比増となった2023年は、日本の自動車業界にとって(こと業績に関していえば)いい一年となったようだ。2024年もこの流れが続いてほしいところである。
(文=鈴木ケンイチ/写真=トヨタ自動車、スズキ、webCG/編集=堀田剛資)
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鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
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