トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”(4WD/6MT)/GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”(4WD/8AT)/GRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ(4WD/8AT)

探求心をかき立てられる 2025.09.12 試乗記 山田 弘樹 レースやラリーで鍛えられた4WDスポーツ「トヨタGRヤリス」が、2025年モデルに進化。強化されたシャシーや新しいパワートレイン制御、新設定のエアロパーツは、その走りにどのような変化をもたらしたのか? クローズドコースで遠慮なく確かめた。
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足まわりの取り付け剛性をさらに強化

2020年の登場以来、コロナ禍を挟みながらも進化を止めなかったGRヤリス。その2025年モデル、TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)いわく「25式」と呼ばれるイヤーモデルがこの度登場し(参照)、袖ケ浦フォレストレースウェイでテストドライブすることができた。

これまでの改良と同様、25式GRヤリスのアップデートも多岐にわたっている。最も大きなトピックは「エアロパフォーマンスパッケージ」の追加だが、これは後ほど詳しく触れるとして、それに次ぐ改良の要は、なんと「ボルト」だ。施工は3カ所で、まずフロントロアアームとロアボールジョイントをつなぐボルトのフランジ部に、リブを追加。リアサスペンションメンバーとボディーを締結するボルトの頭部サイズを拡幅し、リアショックアブソーバーとボディーを締結するボルトフランジの厚みを増やした。さらに走りとは直接関係ないが、チャイルドシート用のISOFIX取り付けボルトも、締結トルクが19.5N・mから22.0N・mへと高められた。

GRヤリスは24式でもサスペンションのアッパーマウント締結ボルトを1本から3本へと増やしている。これはかなり大がかりな取り付け剛性の向上だが、今回はさらに細かい部分にまで手が及んだということになる。そしてこうした骨格部分の剛性アップに合わせて、ショックアブソーバーとEPS(電動パワステ)がリセッティングされた。

さらに24式で登場したばかりの「GR-DAT」(GAZOO Racing ダイレクトオートマチックトランスミッション:8段AT)も、その制御をアップデート。またこのGR-DAT車のみフットレストの幅を拡大している。そして縦引きのパーキングブレーキを全グレードで選択可能とするなど、メーカーオプション/ディーラーオプションも拡充した。

「エアロパフォーマンスパッケージ」を装着した「トヨタGRヤリス」。同パッケージは上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」とモータースポーツ参戦用車両「RC」に設定される。
「エアロパフォーマンスパッケージ」を装着した「トヨタGRヤリス」。同パッケージは上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」とモータースポーツ参戦用車両「RC」に設定される。拡大
AT仕様の「RZ“ハイパフォーマンス”」のインテリア。絶壁のようなインストゥルメントパネルは、スーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権の競技車両をモチーフにしたもので、24式(2024年モデル)から導入された。
AT仕様の「RZ“ハイパフォーマンス”」のインテリア。絶壁のようなインストゥルメントパネルは、スーパー耐久シリーズや全日本ラリー選手権の競技車両をモチーフにしたもので、24式(2024年モデル)から導入された。拡大
今回の改良では、足まわりを締結するボルトを強化。操舵応答性と直進安定性の向上を図っている。
今回の改良では、足まわりを締結するボルトを強化。操舵応答性と直進安定性の向上を図っている。拡大
今回の試乗車は、いずれも上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」であり、パーフォレーション付きのスエード調素材「ブランノーブ」と合成皮革のコンビシートが装備されていた。
今回の試乗車は、いずれも上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」であり、パーフォレーション付きのスエード調素材「ブランノーブ」と合成皮革のコンビシートが装備されていた。拡大