スズキは「By Your Side」をテーマにブースを出展 二輪・四輪の次世代モデルを展示【ジャパンモビリティショー2025】
2025.10.08 自動車ニュース![]() |
スズキは2025年10月8日、東京ビッグサイトで開催される「ジャパンモビリティショー2025」(会期:10月29日~11月9日)の出展内容を発表した。
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2026年度にデビュー予定の軽乗用BEVの姿を示唆
スズキは2025年2月の新中期経営計画(その1、その2)で発表したコーポレートスローガン「By Your Side」をテーマに、四輪、二輪、船外機、その他の事業のすべてにおいて展示を実施。総合モビリティーメーカーとして、「お客さまひとりひとりの困りごとの解決に寄り添うインフラモビリティーを提案する」としている。
主な展示内容は以下のとおり。
【Vision e-Sky(ビジョンeスカイ)】
2026年度内の量産化を目指している、軽乗用電気自動車(BEV)のコンセプトモデル。エンジン搭載の軽乗用車から気軽に乗り換えられるBEV、日々の通勤や買い物、休日のちょっとした遠出など、「生活の足」として愛用されるBEVを志向した軽ハイトワゴンで、270km以上の航続距離を標榜(ひょうぼう)している。
デザインは「ユニーク・スマート・ポジティブ」をテーマとし、前向きで明るい気持ちになれる、スズキらしいイメージを意図。シートファブリックやインストゥルメントパネルのトレイなどにはリサイクル素材を用いている。
【eエブリイ コンセプト】
スズキがダイハツ工業やトヨタ自動車と共同開発している、バンタイプの軽商用BEV。2025年度内の市場投入が予定されている。航続距離は200km。前回の「ジャパンモビリティショー2023」の展示車両より、意匠を変更している。
【フロンクスFFVコンセプト】
コンパクトSUV「フロンクス」をベースに、農作物などの非可食原料を用いたバイオエタノールでも走行できるよう、1.2リッター直噴ターボエンジンなどに改良を加えたもの。FFVとはFlexible Fuel Vehicle(フレックス燃料車)の略。
スズキではカーボンニュートラルの実現へ向けマルチパスウェイで取り組んでおり、その一環としてエタノール燃料を用いた環境技術の開発を推進。バイオエタノールを燃料とする車両はグローバルに浸透しており、日本でも2028年度をめどに、一部地域での先行導入を計画している。
四輪車ではこのほかにも、新型BEVの「eビターラ」や、「クロスビー」の大幅改良モデル、「ジムニー ノマド」「スペーシア」の展示を予定している。
あの人気レジャーバイクがBEVになって復活?
【e-VanVan(eバンバン)】
BEV でもバイクに乗る楽しさ、操るワクワクを感じたいというライダーの願いをかなえるコンセプトモデル。ファンバイクとして、BEVの新たな楽しみ方を提案するとしている。原付二種相当の電動バイクで、1970年代より人気を博してきたレジャーバイク「バンバン」をモチーフとした意匠が特徴。独創的なスタイリングとデジタルをテーマとしたカラーおよびグラフィックで、先進性を表現している。
【e-PO(イーポ)】
市販化へ向けてスズキが開発を進めている、原付一種相当のペダル付き折り畳み式電動バイク。「普段使いからレジャーまで、身近な移動をもっと自由に!」をコンセプトに、電動アシスト自転車とBEVバイクを掛け合わせた新ジャンルのモビリティーを目指している。今回の展示車両は、ジャパンモビリティショー2023のもの(参照)より、リアブレーキをディスク化してリアフレームを強化するなどの改良が加えられている。定格出力は0.25kWで、フル電動走行時の航続距離は30km以上(実測値)。
【水素エンジンバーグマン】
水素を燃料にして走行する「バーグマン」のコンセプトモデル。ジャパンモビリティショー2023の出展車両から進化を遂げており、ラジエーターの搭載位置などを見直すことで、ホイールベースを1700mmに縮小。水素タンクを搭載しつつ、より量産モデルに近いディメンションを実現した。エンジンもより水素燃料に適したものとなるよう、ツインインジェクションとするなど、燃料系や点火系などに改良を加えている。
【ジクサーSF250 FFV】
2025年1月にインドで発売された、バイオエタノール燃料が使用可能なモーターサイクル。ベース車は「ジクサーSF250」で、ガソリンならびにバイオエタノール85%の混合燃料で走行できるよう、インジェクターや燃料ポンプ、エンジン制御などを改良している。
【eアドレス】
スズキの二輪BEVの世界戦略車第1弾。2025年1月にインドで開催されたモビリティーショー「バーラトモビリティーグローバルエキスポ2025」で発表されたモデルで、日本ではこれが初公開となる。原付二種相当の電動スクーターで、定格出力は0.98kW、航続距離はWMTCモードで80kmとなっている。
これらの参考展示車両に加え、日本における市販予定車として、2025年7月発表のネオレトロモデル「GSX-8T/GSX-8TT」や、2025年8月に鈴鹿8時間耐久ロードレースで発表した、新型「GSX-R1000R」(海外仕様)も出展。このほど日本に導入されたスーパーモトモデルの新型「DR-Z4SM」も展示される。
2023年発表の電動小型モビリティーが進化
【MOQBA(モクバ)2】
車輪による走行と、四脚を用いた歩行を併用し、階段や段差のあるエリアの移動も可能とした次世代モビリティー。モデル名の「MOQBA」は「Modular Quad Based Architecture」の略で、荷物配送仕様やバイク仕様、いす仕様、担架仕様など、さまざまなバリエーションの展開を想定。今回のショーでは、バイク仕様がスズキブースのメインステージに、荷物配送仕様といす仕様が、キッザニアのコーナーに展示される。
ジャパンモビリティショー2023の展示車両(参照)から進化を遂げており、AI制御に適したコントロールモジュールやLiDARおよび深度カメラの搭載により、自律的な走行と車体制御に対応。走行安定性の向上や省電力化、設計の高効率化に加え、環境負荷の低い素材の採用も進められている。
【SUZU-RIDE(スズライド)2】
日常、商用、レジャーと、さまざまな用途で気軽に使える電動小型モビリティー。ジャパンモビリティショー2023で発表された「スズライド」の改良型で、市販化へ向けたプロトタイプと呼べるところまで進化を遂げている。高い走破性を実現する四輪独立懸架のサスペンションや、スライド機構付きのシート、被視認性の高い表示灯などにより、みんなが安心して乗れる、安全性の高い小型モビリティーの実現を目指すとしている。
このほかにも、電動小型モビリティーの関連では、1985年10月に誕生した電動車いす「セニアカー」の40周年記念展示も実施。初代セニアカー「ET11」と現行モデル「ET4DB」の実機に加え、パネル展示でセニアカーの歴史を紹介する。
ロボットや再生エネルギー事業の解説も
【MITRA(ミトラ)コンセプト】
さまざまなロボットの足まわりとして活用できることを目指し、開発中の電動走行ユニット。MITRAとはサンスクリット語で友人の意味だ。自立走行ロボットを段差があるエリアに導入するための“ロボットの足”で、パートナーとなる企業が自律走行やAIなどの技術を組み合わせることで、物流や農業、土木建設など、さまざまな分野でのロボットによる課題解決を実現する。
長年の電動車いす事業などで培った、高い信頼性・走破性が特徴で、前後左右にサスペンションを装備。駆動はリア左右のモーターで行い、前輪操舵で旋回する。また幅広い用途を想定し、防さび・防水・防じん対策も施されている。
ブースではMITRAコンセプトのほか、東京・八王子で実証運用されているLOMBYの自動配送ロボット「LM-A」や、HBAの「屋外巡視点検ロボット」、オムロンの「作物育成モニタリングシステム」も展示される。
【Glydways(グライドウェイ)】
グライドウェイは、軽自動車並みの小型電動車両を専用レーンで隊列自動運転させる、オンデマンドの都市交通システムを開発しているアメリカのスタートアップ。スズキとの協業により、必要なときに必要な台数だけ配車することが可能な、効率的で利便性の高い交通システムの実装を目指している。スズキブースでは、グライドウェイで使用する車両「Glydcar(グライドカー)」の実車や、想定される走行シーンなどを解説するパネルを展示する。
【CBG事業】
スズキは酪農廃棄物の資源化により、インド農村の活性化や各種社会課題の解決、そしてカーボンニュートラルの実現に貢献するべく、2022 年よりCBG事業に取り組んでいる。今回のショーでは、スズキがインドの酪農組合と共同で立ち上げたバイオガスプラントのミニチュア模型や、2025年9月に発表した新型SUV「ビクトリス」のCNG(圧縮天然ガス)/CBG(圧縮バイオメタンガス)仕様、スクーター「アクセス」のCNG/CBG仕様の試作車などを展示する。
これらの展示に加え、船外機に関しては事業開始60周年を記念した特別展示を実施。初代船外機「D55」と現行のフラッグシップモデル「DF350A」の実機や、1965年4月からの歴史を解説するパネルを展示する。さらに、マイクロプラスチック回収装置を搭載した「DF140B」の展示などを通して、海洋プラスチックごみに焦点を当てた「スズキクリーンオーシャンプロジェクト」の取り組みも紹介。アルコール含有燃料でも使用可能な「DF60A FFVコンセプト」も展示するとしている。
これらを合わせたスズキの展示は、四輪車が8台、二輪車が12台、電動小型モビリティーが4台、船外機が4基、事業紹介などにおける展示が7台の、計35台。このうちの4モデルが世界初公開、3モデルが日本初公開となる。
さらにジャパンモビリティショー2025の主催者プログラム「フューチャーツアー2035」には、スズライド2の試乗モデルも出展。SkyDrive(スカイドライブ)と協業して事業を進めている、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」も展示されるという。
(webCG)
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