これがおすすめ! ヤマハ・トライセラ プロト:未来のマシンにも“乗りこなす”喜びを!【ジャパンモビリティショー2025】

2025.10.30 これがおすすめ! 河野 正士
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ヤマハのコンセプトモデル「TRICERA proto(トライセラ プロト)」。
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webCGでも二輪関連の記事を多数手がける河野正士さん。彼が注目したのはヤマハの三輪電気自動車(BEV)「TRICERA proto(トライセラ プロト)」だ。新しいモビリティーは退屈でぬくもりも感じられない? そう思う人こそ、ぜひこの一台を間近に見て、ヤマハのスタッフに話を聞いてほしい。

 
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開発の裏テーマは「鍛錬を娯楽にする」

昨今の二輪車の選択肢では、扱いやすさ、手軽さが大きな要素であり、各社が先進技術を駆使し、それと感じさせないほどに優しく、自然にライダーの操作をサポート。扱いやすさや手軽さを最大化させています。強烈なパフォーマンスは、いまやワクワクの火種にならず、それを乗りこなすこと、乗りこなそうと鍛錬することに喜びを感じるなんてヒトは、“マニア"と呼ばれ、激流の向こう岸に渡ったチョット変わった人に見られたりするのです。

そんななかにあって、ヤマハ発動機が発表した、3輪操舵が可能な電動コンセプトモデル、トライセラ プロトは、「鍛錬を娯楽にする」が開発の裏テーマにあるそうです。

3輪操舵は、ハンドルを切ることで前2輪を操舵、ハンドルに付いたパドルシフトを操作することで後1輪を操作します。想像しただけでも頭がこんがらがりそうですが、何度もトライアンドエラーを重ねる“鍛錬”により、前後輪を連動させてコーナーをクリアできるようになったときの感覚は、二輪とも四輪とも違う言い得ない快感があるそうです。そして、その快感を求める行為が「鍛錬を娯楽にする」のです。

僕のように、ずっとバイクに乗り続けている人間がワインディングロードを走る快感とは、まさに鍛錬から来るものです。同様のことはスポーツの世界では当たり前のようにあふれているし、料理や楽器演奏にも鍛錬による快感と娯楽性がある。それをズバッと言い切れるヤマハは素晴らしい。開発者自身も、前回モビリティショーで発表したコンセプトモデル「トライセラ」から実走実験を進め、その快感と娯楽性をさらに強く感じたそうです。

加えて興味深いのが、ウッドパネルのトリムやレザーのシートなど、経年変化を楽しめる天然素材を多数使用していること。最新モデルが出るごとに旧型というネガティブなイメージが付くプロダクトサイクルのなかにあって、ともに過ごした時間を感じることができ、それを価値に変えようとする試みもうかがえます。

デンキだの電子制御だので、ぬくもりを失いつつあると感じてしまう新世代のモビリティーも、そんなチョットしたストーリーが加わることで、急にまた身近に感じてしまう。人間って、いや僕って単純だなぁ。

(文と写真=河野正士/編集=堀田剛資)

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