シボレー・コルベット クーペ3LT(MR/8AT)
スポーツカーはこうでなきゃ! 2026.02.20 JAIA輸入車試乗会2026 JAIA輸入車試乗会より、孤高のアメリカンスポーツ「シボレー・コルベット」の魅力をリポート。より強烈な「Z06」やハイブリッド4WDの「E-Ray」もイイけれど、“ヴェット”はやっぱり素が一番? 今や貴重な自然吸気のプッシュロッド式V8 OHVの滋味に触れた。これ以上なにを求める?
新聞を見ておったまげた。アメリカの超絶ドメスティックなモータースポーツ、NASCARが、エンジンのV6ターボ化を検討しているのだそうだ。職人技が光る5穴ホイールのタイヤ交換も、今は昔。グローバル化の波はそんなところにも及んでいるのかと、なんか寂しくなった。いやホント、ロードカーでも自然吸気のV8 OHVサウンドを楽しんでいられるのは、今が最後かもしれないね……(何度目だよ? この警句)。
そんなわけで、今乗っているのは「シボレー・コルベット クーペ3LT」。アメリカの誇り、コルベットの、いわゆる素のモデルである。エンジンもベーシックな6.2リッターV8 OHV「LT2」で……いや、これをベーシックって言うのもどうかと思うな。なんせ最高出力は502PS、最大トルクは637N・mも出てんだから。しかもミドシップでしょ。レースカーじゃあるまいし、電スロの力を借りなきゃ、制御できんよ。こんなクルマ(笑)。
実際、踏んだらちゃんとスゴい。ノーマルモードでも一瞬のエンジンのタメの後、ぶっ飛ぶみたいに加速する。ボディーの剛性感もドライブトレインの直結感も強烈で、どこかで力が逃げている感覚は一切ナシ。過去のコルベット以上にバキーン! と突進するのだ。
でも、速すぎない。それがイイ。求める速度に突き当たるまでのわずかな間に、速度を積み増していく感覚が確かにある。ワープ系のスーパースポーツだと加速も3日で飽きるけど、LT2はそうではない。よう、そこの若いの。速けりゃいいってもんじゃないんだよと、現存する世界最古のスポーツカー(born in 1953)は語りかけるのである。
いっぽうで、“JAIA名物”西湘バイパス・大磯港ICの下りS字コーナーでは、ミズスマシのごときスタンスを保ったままスッスッと難所をクリア。これまた、普段使いでも心にしみるミドシップスポーツの滋味である。
やっぱりスポーツカーってのは、こうした普段使いでのありがたみがあってこそだ。Z06やE-Rayもいいけれど、コルベットは素で十分というか、素でもいろいろ余り過ぎだ(笑)。だったら+αの馬力より、プッシュロッドV8の滋味を、息吹を、楽しみましょう。コルベットに貴賤(きせん)なし。みんなちがってみんなイイのだ。
(文=webCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>/写真=田村 弥/編集=堀田剛資)
【スペック】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4630×1940×1225mm/ホイールベース:2725mm/車重:1670kg/駆動方式:MR/エンジン:6.2リッターV8 OHV 16バルブ/最高出力:502PS(369kW)/6450rpm、最大トルク:637N・m(65.0kgf・m)/5150rpm/トランスミッション:8段AT/タイヤ:(前)245/35ZR19 89Y/(後)305/30ZR20 99Y(ミシュラン・パイロットスポーツ4 S)/燃費:--km/リッター/価格:1695万円

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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