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2/13急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防いで操舵応答性を確保し、事故回避を支援する電子制御ABS。1978年に、W116系「メルセデス・ベンツSクラス」の改良モデルに初めて採用された。
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3/13ダイムラー・ベンツ(当時)によるABSの開発風景。ポンピングブレーキを自動化するシステムの開発は古くから考案されていたが、電子制御の登場により初めて実用的なシステムとなった。
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4/13ダイムラー・ベンツとボッシュが共同開発した、世界初となる電子制御ABSの構成部品。(1)が前輪用の速度センサー、(2)がコントロールユニット、(3)が油圧ユニット、(4)がリアアクスルのドライブピニオンに備わる速度センサーである。
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5/131995年に実用化された、世界初の横滑り防止装置。開発したのはやはりダイムラー・ベンツとボッシュで、W140型「メルセデス・ベンツSクラス」に初採用された。
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6/133点式シートベルトの開発者であるボルボのニルス・ボーリン。長年にわたり間断なく進化を続ける自動車のパッシブセーフティーだが、今以上に事故を減らし、事故被害を抑えるうえでは、アクティブセーフティーも重要となる。
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7/13初期の「アイサイト」に採用されたCCDステレオカメラ。アイサイトは既存の「ADA(アクティブ・ドライブ・アシスト)」を進化・発展させた予防安全・運転支援システムである。スバルは1998年から、こうしたシステムの開発を続けていた。
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8/13「アイサイトver.2」に備わる進化型プリクラッシュブレーキの図説。従来のシステムは減速による被害の軽減を狙ったものだったが、進化型は完全停車まで対応。30km/h以下の車速であれば、事故の回避も可能であるとされた。
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9/13停車まで行うプリクラッシュブレーキ自体は、ボルボの「シティセーフティ」という前例があったが、事故回避が可能とされる車速が15km/h以下と低く、また高価であったことから注目を集めなかった。普及の契機となったのはスバルの「アイサイトver.2」の登場で、充実した機能と戦略的な価格が、成功の大きな要因となった。
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10/13自動運転技術の開発は今日も進められている。トヨタは2020年夏に、レベル4相当の自動運転装置を搭載した「レクサスLS」により、東京・台場で自動運転のデモンストレーションと同乗試乗体験会を開催した。
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11/13自動運転技術の開発には、自動車産業に関わってきた完成車メーカーや部品メーカーだけではなく、ITなど異業種の企業も積極的に参入している。写真はグーグルが開発し、実証実験に使用していた完全自動運転車。
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12/13グーグルの自動運転開発部門は、後に分社化してWaymo(ウェイモ)となった。2020年10月にはアリゾナ州フェニックスにおいて、完全無人車両での自動運転配車サービスを一部のユーザー向けに開始している。
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13/13自動運転車の車体後部へ貼ることが要請されているステッカー。自動運転技術の開発の進行に伴い、国土交通省は法改正をはじめとした環境整備を推進。これまで1~5のレベルで呼ばれていた自動運転車の区分についても、レベル3のものを「条件付自動運転車(限定領域)」、レベル4のものを「自動運転車(限定領域)」、レベル5のものを「完全自動運転車」とする、呼称の改定を発表した(2020年12月11日)。

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
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