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1/162024年5月3日に米マイアミで世界初公開された「フェラーリ12チリンドリ」。このご時世にノンターボ、電動機構なしの12気筒という、潔いスーパースポーツだ。
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2/16最近の他のフェラーリとは異なり、シンプルにプロポーションで勝負をしてきた感のある「12チリンドリ」。遠目に見ても、それこそ携帯端末の画面越しでさえ「おっ」と思わせる存在感を放つ。
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3/161968年に登場した“デイトナ”こと「フェラーリ365GTB/4」。初期のモデルは前端がプレキシガラスで覆われていて、その中央部はブラックとなっていた。(写真:newspress)
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4/16清水「……超リバイバル系のデザインって言っちゃったけど、こうして見ると、顔以外はあんまり“デイトナ”とも似てはいないんだよね」
ほった「というか、過去のどのフェラーリとも似てない印象ですね」 -
5/16「12チリンドリ」のフロントマスク。中央部がブラックとされたノーズの意匠に「デイトナ」の面影を感じる。
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6/16リアまわりでは、大胆に取り入れられたブラックのカラーリングが特徴。真後ろからではわかりづらいが、キャビンから後ろの全体でV字のモチーフを表している。
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7/16サイドビューでは、ヘッドランプからテールランプまで貫くように、直線のラインが車体を横断。これにより、クルマの“軸感”が強調されている。一方、車両後端は黒で“ぶつ切り”にされており、ちょっとクルマのフォルムがわかりにくくなっている。
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8/16一世代前のFR 12気筒モデルにあたる「812スーパーファスト」(2017年)のキャラクターラインはご覧のとおり。ボディーサイドは車体底部から後ろへと跳ね上がる曲線(曲面)の造形が目を引く意匠で、クルマの“軸感”はあまり意識されていない。
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9/16「12チリンドリ」の大きな特徴となっている「デルタウイングシェイプ」。フロントウィンドウやカーボンファイバールーフ、サイドウィンドウをひとつのセット、リアウィンドウとリッド、エアロフラップをもうひとつのセットとしてブラックでまとめ、リア全体でV字のモチーフを表現している。
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10/16渕野氏&清水氏に「お金があったら買いたい」とまで言わしめた「ローマ」だが、フロントフェンダーはやや膨らみが強く、タイヤが小さく、ボディーを重たく見せてしまっていた。
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11/16いっぽう、「12チリンドリ」のフロントフェンダーはご覧のとおりの薄さで、非常に軽快でスポーティーだ。いっぽうリアフェンダーは、“ぽっこり”とした形で膨らみを強調している。
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12/16「12チリンドリ」の、俯瞰(ふかん)よりのリアクオータービュー。この角度で見ると「デルタウイングシェイプ」の意匠がよくわかる。
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13/16プラグインハイブリッドのスーパーカー「SF90ストラダーレ」。「12チリンドリ」ほどわかりやすくはないが、よく見ると、キャビン後方のエアインテークと黒のエンジンフードにより、V字のモチーフが表現されている。
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14/16クーペと同時に発表された「12チリンドリ スパイダー」。写真のとおり「デルタウイングシェイプ」とはなっておらず、クーペよりはシンプルでクラシックなイメージである。
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15/16渕野氏が絶賛する「365GTB/4」のサイドビュー。ロングノーズ/ショートデッキの伸びやかで明瞭なフォルムをしている。
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16/16「フェラーリ12チリンドリ」(写真向かって左)と「12チリンドリ スパイダー」(同右)。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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