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1/20大いなる遺産か、挑戦を阻害する呪縛か? 全ラインナップを「911」風にしてしまうことで成功してきた、ポルシェデザイン戦略の是非を問う!
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2/20初代の中期モデルにあたる2018年型「マカン」(上)と、新型のEV版マカン(下)。ヘッドランプがよりカクついた横長のデザインとなり、そこからつながるボンネットの峰も、隆起がかなりハッキリしたものとなった。
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3/20新型「カイエン ターボ」のサイドビュー。ハッチバックやクロスオーバー系のSUVではおなじみのルーフスポイラーが装備されておらず、ルーフの後端がつるりとテールゲートにつながっている。
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4/20兄貴分の「カイエン」を見ると、SUVのカイエンもクーペSUVの「カイエン クーペ」も、ルーフエンドには立派なスポイラーが。こちらも間もなく(……というほど近々ではなさそうだが)フルモデルチェンジの予定なので、新型がどういった意匠となるか、気になるところだ……。
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5/202021年9月に発表されたコンセプトカー「ミッションR」。
清水「ヘッドランプとかボンネットの峰の盛り上がりとか、まんま新型『マカン』だ(笑)」
ほった「うーん。やっぱりスポーツカーはカッコイイんだけどなぁ、ポルシェは」 -
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6/20マイナーチェンジ前(上)とマイナーチェンジ後(下)の「カイエン」の比較。ヘッドランプ周りを中心に「ミッションR」顔になっているのがわかる。
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7/20同じくマイチェン前(上)/後(下)の「カイエン」。リアコンビランプの薄さやナンバープレートの位置に注目。
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8/202代目(上)と3代目(下)の「パナメーラ」。新型は全体的に丸みが抑えられた印象で、細部を見ても端々で手が加えられているのだが……。
清水「マイナーチェンジって言われても納得しちゃうというか」
ほった「あえて、変わっていないように見せている感じですね」 -
9/202024年2月にマイナーチェンジを受けた「タイカン」。これもまた、フロントまわりがより「ミッションR」に似たデザインに。
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10/20こちらがマイナーチェンジ前の「タイカン」。ボンネットの峰と一体となったフロントフェンダーが、バンパーに上から覆いかぶさるようなデザインとなっていた。
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11/20ハイブリッド車の設定で話題を集めている「911」のマイナーチェンジモデル。フロント/リアを中心にデザインが変更されたが、丸型のヘッドランプは守られている。
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12/20マイチェン前(上)とマイチェン後(下)の「911」のリアまわり。改良によってリアコンビランプが横一文字のデザインとなったほか、ナンバープレートの取り付け位置も変更されている。
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13/20ちなみに、同じ「911」でも「ターボ」系のモデルだけは、改良前からナンバープレートの取り付け位置が上寄りだった。
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14/20「アウディe-tron GT」(上)と「ポルシェ・タイカン」(下)のサイドビュー。同じ「J1プラットフォーム」を共用する兄弟車だが、フロントのボリュームにプレスラインの入れ方、前後フェンダーのエッジの立て具合など、各所に大きな違いが見られる。
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15/202002年に登場した初代「カイエン」。現在に続く“911デザイン”による金太郎アメ戦略は、このモデルの爆発的成功が端緒となった。
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16/202022年11月に京都でアジア初公開された「フェラーリ・プロサングエ」。「ポルシェ・カイエン」の定常的な成功は、グループ内のライバル「ランボルギーニ・ウルス」をはじめ、「アストンマーティンDBX」、そして写真のプロサングエとフォロワーを生んだ。
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17/20「カイエン」のマイナーチェンジモデルが世界初公開された、2023年4月の上海モーターショーの様子。
ほった「そういえば、欧米や日本以外のマーケットだと、ポルシェってスポーツカーメーカーのイメージがあんまりないみたいですね。『スポーティーな高級車を売ってるメーカー』って感じだそうで」 -
18/202023年6月にドイツで発表された、電動ハイパーカーのコンセプトモデル「ミッションX」。ポルシェのなかでは、“911デザイン”を脱したモデルへの取り組みも、ないわけではないようだが……。
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19/20清水「やはりポルシェといえば『911』、戦国武将といえば織田信長なんだよ! 立花宗茂じゃないんだよ、大好きだけど!」
渕野「立花宗茂って誰です?」
ほった「奥さんと不仲でほとんど別居状態だったっていう、ちょっと残念な西国無双です」 -
20/202002年の初代「カイエン」登場より、“911デザイン”によるラインナップ拡充を推し進めてきたポルシェ。その成功は、いつまで続くのだろうか?(写真は2022年当時の「GTS」モデル群)

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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