2004ワークスチューニングカー合同試乗会(その3)【試乗記】
マツダスピード(マツダ)&無限(ホンダ) 2004.07.04 試乗記 2004ワークスチューニングカー合同試乗会(その3) 自動車メーカー直系のチューニングメーカー6社による「ワークスチューニングカー合同試乗会」に、自動車ジャーナリストの河村康彦と、『webCG』オオサワが参加。マツダスピードと無限をチェックした。大人のエアロマツダスピード・アクセラスポーツ MAZDASPEED A-spec.(4AT)
メーカー直系チューニングカー勢揃いのなかで、個人的に“カッコよさナンバー1”と思ったのがコレ。デザインは「アクセラのチーフデザイナーが直接監修した」というだけのことはあり、“大人のエアロ”といった風情を醸し出すボディパーツのフィット感がナイス! スマート&クールな後ろ姿など、そんじょそこらのチューニングカーとは一線を画す美しさだ。
インテリアも期待を裏切らない。「間もなく発売予定」というダッシュアッパーにピタリ決まった3連「スポーツメーター・キット」のクオリティは、オリジナルのメーター以上に高い(?)。
当然メカチューンも施される。多段膨張式の消音室を備えたマフラーは、「スポーツサウンド・マフラー」なる商品名どおり、スポーティで乾いた快音を聞かせてくれる逸品だ。しかし、足まわりに難アリ。レートを高めたスプリングと、減衰力強化ダンパーを組み合わせた15mmローダウンのサスペンションの乗り味は、常にヒョコヒョコと落ち着かずメモを取るのもひと苦労だった。見た目はオトナなのに、「しなやかで高い接地感」にはほど遠いのが惜しまれる。
(文=河村康彦)
基本性能アップマツダスピードRX-8 NR-A パーティーレース仕様(6MT)
「ロードスター」でナンバー付き車両レースに力を入れるマツダが、2004年から「RX-8」のカテゴリーをスタートさせた。そのレース車両がコレ。マツダスピード「A-spec.」は、ストリート向けライトチューンのため、過度なパワーアップなどは施されないが、6点式ロールバーや前後ストラットタワーバーによるボディ強化など、基本性能のアップが行われる。
エンジンは、スポーツラジエターとオイルクーラーを装着。サスペンションは、20mmローダウンのスポーツスプリングセットと、減衰力を強化した前後ダンパー、スタビライザーを採用したほか、ブレーキパッドが強化品となる。エクステリアは、RX-8のチーフデザイナーが監修したというエアロパーツを付与した。
(webCGオオサワ)
レーシィミニバン無限オデッセイアブソルート(5AT)
ミニバンきってのアスリートに、レースフィールドで慣らした無限が手を加えたモデル。サスペンションにブレーキ、タイヤ、ホイールにエキゾーストシステム……と見どころは多いが、圧巻はボディパーツだ。
リアバンパー下部にディフューザーを装着、マフラー下部もフラットな造形にするなど、見た目だけでなくエアロダイナミクスを考慮してつくられた。レーシングカーではおなじみの徹底した“フラットボトム化”である。クルマの下に「もぐって見なけりゃわからない」のがなんともモッタイナイが、いかにも無限らしい。
そもそも低い車高をさらに25mmマイナス、225/45サイズのタイヤを18インチの大径ホイールに組み合わせ……と聞くと、トンデモない乗り心地を想像するが、乗り味が意外なまでにフラット、かつしなやかなのは、素性のよさがあってのことか。ブレーキタッチも明らかに向上していた。
ただし、ホンダお得意のエンジンにちょっとガッカリ。3000〜4000rpm付近でのこもり音が大きく、走っていて閉口した。もっとスッキリ心地よい“快音”を聞かせて欲しいものだ。
(文=河村康彦)
ハデさはないが……無限シビックタイプR(6MT)
峠道に本籍を置く(?)シビックタイプRにあわせ、「THE STREET WORKS」をコンセプトにファインチューンを図ったモデル。ジマンは、GT選手権に参戦する「GT-NSX」と同じ考え方からつくられたというブレーキローターだ。フロントローターに、表裏合わせて10本のスリットを刻み、パッド表面を滑らかに保つとともに、摩耗粉の排出性を高めた。ブレーキパッドは、高温時の摩擦力を向上すべく、材料の配合を最適化したという。サスペンションは、15mmローダウンのスポーツサスペンションを装着した。
エンジンはスポーツエグゾーストシステムとエアクリーナーを装備する程度で、突出したチューンは施されない。外観もそれほどハデに見えないが、前後スポイラーはグラスファイバー製、グリルとボンネットは、カーボンFRP(ボンネットはグラスファイバーとのコンポジット)製と、軽量化が図られた。
(webCGオオサワ/写真=清水健太/2004年7月)
マツダスピード:
http://www.mazda.co.jp/mazdaspeed/
無限:
http://www.mugen-power.com/
・2004ワークスチューニングカー合同試乗会(その1)
・2004ワークスチューニングカー合同試乗会(その2)
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河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
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