マツダ・アテンザワゴンXD Lパッケージ(FF/6AT)【試乗記】
マツダの満塁ホームラン 2013.04.07 試乗記 マツダ・アテンザワゴンXD Lパッケージ(FF/6AT)……348万4000円
ワゴンで、しかもディーゼルでありながらスポーツカーのようなドライビングフィールを持つ「アテンザワゴンXD」。その魅力に迫った。
ワゴンのカタチをした「マツダ・ロードスター」
夜、自宅の駐車場に到着してエンジンを停止させると、静寂が訪れた。「いいクルマだなぁ」という声がした。私の声だった。独り言はぽろりと漏れる。
どこがいいって、このクルマはワゴンのカタチをした「マツダ・ロードスター」なのである。「人馬一体」。ドアが5枚あって、後ろに大人3人が座れる座席がついていて、乗車定員は2人乗りのロードスターの2.5倍、荷室は150リッター程度のロードスターの10倍広い。昔だったら、「バン」である。「自家用」なんていうステッカーを貼って、商品の仕入れとか配達とかに使う一方、たまの休みにはマイカーとして走らせるクルマなのである、本来は。
もちろん硬い屋根は閉じたままで開かない。それなのに、こいつは紛れもなくロードスターの化身である、と確信させるのである。
『化身』。原作・渡辺淳一、監督・東陽一、主演・黒木瞳なのである。新型「アテンザワゴンXD Lパッケージ」は黒木瞳と思っていただいて間違いない。清純派なのに脱ぐ。女優のかがみである。ワゴンなのにスポーツカー。実用派なのに気持ちイイ。自動車のかがみである。
できることなら、屋根の開閉するコンバーチブルをつくっていただきたいくらいである。ついでに申し上げれば、ロードスターのワゴンをつくったらどうでしょう。