第24回「レクサスLS600hL“エグゼクティブパッケージ(4人乗り)”」

2013.11.15 水野和敏的視点

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レクサスLS600hL“エグゼクティブパッケージ(4人乗り)”
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5210×1875×1475mm/ホイールベース:3090mm/車重:2380kg/駆動方式:4WD/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ/モーター:交流同期電動機/トランスミッション:CVT/エンジン最高出力:394ps/6400rpm/エンジン最大トルク:53.0kgm/4000rpm/モーター最高出力:224ps/モーター最大トルク:30.6kgm/タイヤ:(前)245/45R19/(後)245/45R19/価格:1550万円
レクサスLS600hL“エグゼクティブパッケージ(4人乗り)”
    ボディーサイズ:全長×全幅×全高=5210×1875×1475mm/ホイールベース:3090mm/車重:2380kg/駆動方式:4WD/エンジン:5リッターV8 DOHC 32バルブ/モーター:交流同期電動機/トランスミッション:CVT/エンジン最高出力:394ps/6400rpm/エンジン最大トルク:53.0kgm/4000rpm/モーター最高出力:224ps/モーター最大トルク:30.6kgm/タイヤ:(前)245/45R19/(後)245/45R19/価格:1550万円
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世界に打って出るなら“防犯性能”は不可欠

これまで2回にわたり、メルセデス・ベンツの新型「Sクラス」に設定されたハイブリッドモデル「S400ハイブリッド」(テスト車は上級グレードの「エクスクルーシブ」。価格は1270万円)を見てきました。今回は高級ハイブリッドサルーンのパイオニアである「レクサスLS」の最上級モデル「LS600hL“エグゼクティブパッケージ(4人乗り)”」(1550万円)を見ていきましょう。

エクステアリアデザインに関しては、基本的には個人の好き嫌いで構わないと思います。ただし、空力面については話は別です。LS600hLは配慮がなさすぎます。このクラスの車でグローバル販売を考えるなら、高い空力性能はマストといえます。

空力は、例えばセキュリティー(防犯)とも無関係ではありません。日本人は犯罪に対する防犯費用はタダという意識がありますが(聞くところによると、ロールス・ロイスで防弾仕様が販売されていないのは日本だけだとか)、このクラスに乗るVIPにとって“防犯性能”は非常に重要なポイントです。万が一、襲撃されたときに、逃げ切れるだけの性能が要求されるからです。

ですから、ロールス・ロイスもメルセデス・ベンツSクラスも、たとえ危険な雨の日でも、ニュルブルクリンクで後席に人を乗せて全力の走行性能テストをきちんと行っています。ニュルブルクリンクで開発すれば、空力性能が要求されるのは当たり前。そういう背景があって、前回お話ししたSクラスのように、空力性能がきちんと考慮されたデザインが生まれるのです。

さて、LS600hLとS400ハイブリッドを比較してみると、前後バンパーのコーナー処理や、フェンダーオープニングの形状などに違いが見られます。
LS600hLでは、タイヤ側面と車体側面に大きな段差があったり、横から見たときにタイヤの円周方向の隙間がバラバラになっていたりします。これは、走るとすぐに走行風をタイヤハウス内にたっぷりため込んで、車を持ち上げる方向に働く力(リフト)や、走行抵抗を自ら作ってしまっている設計であり、デザインです。「テストコースだけで、しかもコースに慣れたドライバーが開発しているかぎり、本当に必要なことが把握できず、こうなってしまうのか」という思いに駆られます。これはレクサスにかぎらず、日本の自動車メーカーほとんどに言えることです。

VIPが乗る1500万円クラスの車の「必要条件」と「十分条件」とはなにか? それは、グローバルなマーケット要件を理解すれば、おのずと見えてくると思います。片手運転でごく普通に250km/hで走れる性能は必要条件。そして、VIPが襲われたときに逃げきれる性能があるかどうかは十分条件。こういったことをきちんと理解すれば、エクステリアの空力要件を取り込んだデザインも、シャシーの動性能もおのずと見えてきて、結果として欧州の同級他車との動性能の差もなくなり、商品競争力が向上してくるはずです。

滑らかさは世界一! それにパンチが加われば……


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水野和敏(みずの かずとし)
1952年長野県生まれ。長野高専を卒業後、72年に日産自動車に入社。「プリメーラ」(P10)や「スカイライン」(R32)の車両パッケージ開発に携わる。89年にNISMOに出向してグループCカーレースに参戦。日産のレース活動の黄金期を築いた。93年に日産に復帰し、「スカイライン」(V35)や「フェアレディZ」(Z33)などの開発に携わった後、2003年から「GT-R」(R35)プロジェクトにかかわるすべての責任業務を遂行。2013年3月末に同社を退社。
水野和敏(みずの かずとし)
    1952年長野県生まれ。長野高専を卒業後、72年に日産自動車に入社。「プリメーラ」(P10)や「スカイライン」(R32)の車両パッケージ開発に携わる。89年にNISMOに出向してグループCカーレースに参戦。日産のレース活動の黄金期を築いた。93年に日産に復帰し、「スカイライン」(V35)や「フェアレディZ」(Z33)などの開発に携わった後、2003年から「GT-R」(R35)プロジェクトにかかわるすべての責任業務を遂行。2013年3月末に同社を退社。
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