フォード・フォーカス(FF/6AT)
洗練されたグローバルプレーヤー 2015.09.30 試乗記 ビッグマイナーチェンジを受けた、フォードのCセグメントグローバルプレーヤー「フォーカス」に試乗。新たに搭載された1.5リッターの“エコブースト”エンジンや、設定が見直されたサスペンションの仕上がり具合を、オーストラリアのアデレードで試した。2リッターから1.5リッターへダウンサイズ
ヨーロッパ製Cセグメントハッチバックの比較テストを行うとき、かつては「フォルクスワーゲン・ゴルフ」の対抗馬として必ず担ぎ出されたフォード・フォーカス。1998年に初代がデビューした際には斬新なスタイリングと軽快なハンドリングが注目され、日本の路上でも目にする機会が少なくなかった。グローバルではすでに累計1200万台を販売し、フォードにとって最も成功したモデルとして位置づけられているらしい。そして、その3代目が誕生した2012年と翌2013年には、単一車名のモデルとしては世界で最も多く販売された乗用車として第三者機関から認定されたというので、フォーカスは決してゴルフのアンチテーゼなどではなく、コンパクトカーのメインストリームを歩む世界的ヒット作といって間違いなさそうだ。
その3代目フォーカスにこのたび実施されたビッグマイナーチェンジは、ダウンサイジングコンセプトを採り入れた直噴ガソリンターボエンジンの搭載がいちばんの目玉と聞いていたが、試乗会場で行われたプレゼンテーションに耳を傾けていると、どうやらシャシー関連にも並々ならぬ改良の手が加えられているらしいことが理解できた。
3代目がデビューした当初からその乗り心地に軽い疑問を抱いていた私は“わが意を得たり”と思わずにはいられなかった。果たして、マイナーチェンジを受けた3代目フォーカスは私好みの乗り心地に変貌しているのか? そしてダウンサイジングエンジンとのマッチングはどうなのか? 私は期待に胸を膨らませながら、オーストラリア・アデレードの街を新型フォーカスで走り始めた。