第33回:ディーゼルLOVE(前編)
2017.03.14
カーマニア人間国宝への道
ディーゼルはすばらしい!
清水草一(以下 清):今回は、当連載にてこれまで延々と書き連ねてきた「ディーゼル愛」を総括すべく、同じディーゼル乗用車ユーザーである塩見 智君と対談しようというわけです!
塩見(以下 塩):ご指名いただいて光栄です(笑)。
清:塩見君は「ボルボV40 D4」だよね。いつ買ったの。
塩:去年の暮れです。
清:なぜまたV40に。
塩:今度の自家用車は全車速ACC付きのディーゼルにしようと決めてたんですよ。自動運転の萌芽(ほうが)を感じつつ、まだ買ったことのないディーゼルに乗ってみたくて。やっぱりディーゼルは速くて燃費がよくて、ロングドライブの多い我々にとってすばらしい選択じゃないですか。
清:すばらしいよね!
塩:ガソリンV8みたいなトルクを楽しんで、一日中走って軽油代4000円くらいでしょ? 多少の音や振動は我慢できますよ。
清:我慢できるね!
塩:で、条件を満たすクルマを探したら、ボルボV40になったんです。
清:いくらだった?
塩:車両本体価格399万円なんですけど、登録済み未使用車なので実質大幅値引きです。ボディーカラーは白か黒しかなかったので、色は妥協して、なんとか白内装を探しました。
清:うーん、やっぱり我々自動車ライターも、自家用車を買う時はシビアだね!
塩:そりゃシビアですよ~。
カーマニアゆえの悩み
清:で、実際使ってみてどう。
塩:性能的には完全に満足してるんですけど、逆にそこに物足りなさを感じてます。
清:というと?
塩:実は、自家用車を理詰めで選んだのは初めてなんですよ。理詰めで選ぶとパッションがいまひとつ湧かないんですよねー。
清:なるほど~~~~!
塩:初めて家族にも褒めてもらえたし、欲しかった装備はほぼ全部付いてるんだけど、あまりにも賢い消費者になってしまって、マニア的にはそこが物足りない。
清:ステキな意見だね! やっぱりカーマニアは飛び抜けた美点や、かわいらしい欠点に萌(も)える。バランスが良すぎる女には燃えない(笑)!
塩:不満がないのが不満というのは、完全に自分のわがままですけど。
清:マニアはそういうもんだよね。道具じゃなくて愛玩品だから。いまお互いの愛車を交換して走ったみた感じだと、V40はホントによくできてるね!
塩:ですね。
清:白内装が効いてずいぶんな高級車に感じるし、安全装備も現状最高レベル。2リッターディーゼルだけにトルクの厚みもハンパじゃない。
塩:そこは清水さんのデルタの1.6より一段上でしょ? 400Nmですから。
清:俺のは300Nm。貧富の差を感じたよ!
カーマニアはセミATに乗るべし
塩:でも清水さんのデルタも、思ったよりしっかりしてますね。
清:あそう?
塩:なにしろランチアの中古車じゃないですか~。もっとガタピシしてるかと思ったら、ちゃんとしててビックリしました。アイドリングでの振動はボルボより小さいかも。
清:意外と静かだしね。遮音は割としっかりしてるんだよ、一応ランチアはイタリアの高級車だから!
塩:ただ、ディーゼルにはセミATよりトルコンATが合ってますね。
清:というか、セミATの方が相性がいいエンジンなんてほとんどないんじゃね?
塩:ぐわーってディーゼルのトルクで加速して、いいぞと思ったところで変速で加速が中断する。ぐっと出てすぐ終わる感じがちょっと(笑)。
清:俺、セミAT車買ったの初めてなんだけど、いろんな意味で濃いね!
塩:実は僕、過去3台連続してセミATだったんです。「トゥインゴ イージー」、「アルファ147セレスピード」、「C4ピカソEGS」って。
清:そりゃスゲエ!
塩:だからセミATに対してはすっごく温かい目を持ってるんですけど、でもやっぱりディーゼルにはトルコンの方が合ってますね。
清:だからセミATの方が合うエンジンなんてまずないって!
塩:でも、カーマニアがトルコン車乗ったらおしまい、みたいなとこ、ないですか?
清:若干あるかもね。快適すぎるし変速が空気みたいになっちゃうから。
(つづく)
(語り=清水草一&塩見 智/まとめ=清水草一/写真=webCG、池之平昌信、塩見 智/編集=大沢 遼)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
-
第339回:駆けぬけるヨロコビは安くない 2026.7.6 清水草一の話題の連載。いつもの首都高で試乗した「BMW 120d Mスポーツ」の価格が540万円ってマジか! と思っていたら、本国ではなんと4万1750ユーロ(邦貨約770万円)⁉ 安かったころ、もっと小さかったころのBMWに思いをはせた。
-
第338回:古臭いほどイイに決まってる 2026.6.22 清水草一の話題の連載。マイナーチェンジを受けた最新の「シボレー・コルベットZ06」を夜の首都高に連れ出した。アメリカを代表するミドシップスーパーカーのステアリングを握ったフェラーリオーナーの印象やいかに。
-
第337回:「ルーチェ」に比べればタダ同然 2026.6.8 清水草一の話題の連載。フルモデルチェンジで3代目に進化した「日産リーフ」を夜の首都高に連れ出した。「非常に良くなった」「静かで快適」といった評判を耳にする量販・量産BEVのパイオニアに、カーマニアは何を感じた?
-
第336回:やっぱり絶交! 2026.5.25 清水草一の話題の連載。夜の首都高に200台の台数限定で販売される「マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R」で出撃した。手作業で組まれた2リッター直4エンジンを搭載するマツダ入魂のスポーツモデルに、カーマニアは何を感じた?
-
第335回:水平尾翼が効いてるのかな 2026.5.11 清水草一の話題の連載。フルモデルチェンジで2代目となった「シトロエンC5エアクロス」で、夜の首都高に出撃した。最新のデザイン言語を用いて進化した内外装とマイルドハイブリッドの走りに、元シトロエンオーナーは何を感じた?
-
NEW
ホンダCB750ホーネット(6MT)【レビュー】
2026.7.18試乗記ホンダのスポーツネイキッド「CB750ホーネット」が、話題の「E-Clutch」を獲得。ライディングの幅を広げる自動クラッチシステムは、パンチの利いた2気筒のストリートファイターにどんな走りをもたらすのか? その仕上がりを確かめた。 -
人気沸騰「ランクル“FJ”」を手にするもうひとつの方法
2026.7.17サブスク「KINTO」で「ランドクルーザー“FJ”」に乗る<AD>2026年5月に発売されるやオーダーが集中し、受注停止となってしまった「ランドクルーザー“FJ”」。しかし、あきらめるのはまだ早い。“FJ”とのカーライフを実現できる、トヨタの新車サブスクリプションサービス「KINTO」という手段があるのだ。 -
新型「アルピーヌA110」はどんなクルマに? グッドウッドを駆けたテストカーから読み解く
2026.7.17デイリーコラムアルピーヌが次期型「A110」を示唆する「A110フューチャー」を初公開。グッドウッドで走る姿を披露した。そこから分かる未来のA110の姿とは? 電動化がアナウンスされているが、エンジン車の設定はあるのか? 公式発表とテストカーの姿から深掘りする。 -
ベントレー・ベンテイガ スピード(4WD/8AT)【試乗記】
2026.7.17試乗記「ベントレー・ベンテイガ」に最上級グレードの「スピード」が登場。ブランドの在り方をストレートに伝える名称のトップパフォーマンスモデルだが、従来型との最大の違いはその心臓部にV8エンジンが積まれていることだ。およそ不満のあろうはずもないが、最新モデルの仕上がりをリポートする。 -
写真で解説する新型「日産エルグランド」
2026.7.16画像・写真新型「日産エルグランド」は、日本伝統の美をデザインに生かしながら、同社独自の最新技術を組み合わせて“走りのよさ”も徹底追求したという意欲作。その見どころを写真とともに解説する。 -
第970回:クルマの背中に浮かぶ文字たち――空いた字間が語るもの
2026.7.16マッキナ あらモーダ!アナタは自動車のボディー背面に施されたメーカー/ブランドのロゴについて考えたことがあるだろうか? 字間を詰めたり、広げたり、時代によって変わるそのトレンドと、その背景にあるメーカーの思惑を、自動車史にも精通する大矢アキオが語る。






























