新型「フィアット・パンダ」、IAAでデビュー【フランクフルトショー2011】

2011.09.09 自動車ニュース

【フランクフルトショー2011】新型「フィアット・パンダ」、フランクフルトでデビュー

伊フィアットは、2011年9月13日のプレスデイで幕を開けるフランクフルトモーターショーにおいて、新型「パンダ」をデビューさせる。

■円熟の3代目

1980年に登場した初代「パンダ」は、ジウジアーロの手になる、フロントのウインドシールドにまで平面ガラスを使った直線と平面で構成されたスタイリングをはじめ、徹底的に合理性を追求したベーシックカーだった。かつての「シトロエン2CV」や「ルノー4」にも通じるそのコンセプトは高く評価され、20年以上の長寿を誇った。

ひと回り大きくなった5ドアボディーを持つ2代目は、2003年にデビュー。欧州ではヨーロッパ・カー・オブ・イヤーを獲得するなど、初代同様にベーシックカーとして評価された。しかし、シンプルな機能美とインテリジェンスを感じさせるアイデアが随所に見られるところから、初代パンダをオシャレなクルマとして見る向きも少なくなかった日本では、「丸くなって、フツーになった」2代目の人気はいまいちだった。

さて、フィアットによれば、「活発さやちゃめっ気を失うことなく、円熟の境地に達した」という3代目である。このクラスで「もっともルーミーで、もっとも快適なモデル」を目指したそうだが、スタイリングは先代からのキープコンセプト。ただしフィアット自身が「スムーズ&マイルド」と呼んでいるように、あらゆる部分から角が取れて丸く、柔らかくなった新型は、「ルノー・カングー」に似ているような気がしないでもない。

このクラスではトップレベルの居住空間と荷室容積をさらに拡大し、加えて最高レベルの安全性を確保するため、プレスリリースによれば、ボディーは「ほんの2、3cm」大きくなった。しかし公表された寸法は全長3650mm、全幅1640mm、全高1550mmで、先代の3535mm、1590mm、1535mmと比べると全長は10cm以上長くなっているのだが、フィアットにそう指摘したら「でも全高はたった1.5cmしか高くなってないぜ」と言い返されるに違いない。いずれにしろ、「それでも依然としてコンパクト」というフィアットの主張は認めてやっていいだろう。

■バリエーション豊か

インテリアのデザインも一新された。ちょうど初代パンダのダッシュの下に、ほぼ全幅にわたる棚が用意されていたように、正面からの写真ではわかりにくいが、新しいダッシュの下方は大きなポケット(物入れ)になっているという。このほかにもたくさんの収納スペースや、多彩なシートアレンジ機構を備えている。

「高性能とエコを両立した」とうたうエンジンは4種類。新顔はひと足先に「500」に搭載された875ccのツインエアのターボ(85hp)とその自然吸気版(65hp)で、どちらもアイドリングストップ機構が標準で備わる。従来からの1.2リッター直4(69hp)のファイアエンジンもリニューアルして搭載される。欧州で主流のディーゼルは、1.3リッターのマルチジェットII(75hp)で、こちらもアイドリングストップを標準装備。ギアボックスは5段MTが標準で、遅れてツインエアには2ペダルMTのデュアロジックも用意される。
なお、エンジンにはツインエアターボ(ガソリン/メタノール)と1.2リッター直4(ガソリン/LPG)という2種類のバイフューエル仕様も追って加わるという。
また、当面はFFのみで、初代から設定されている「4×4」(4WD)は後から追加されるそうだ。

新型パンダは前述したように4種類のエンジンに3種類の外装トリム、4種類のインテリア、10色のボディーカラーなどによって、600種類以上もの組み合わせが可能になるという。

2代目パンダはポーランド工場で作られていたが、3代目は南部ナポリのポミリアーノ・ダルコ工場に新設されたラインで2011年11月から生産される。もともとこの工場はアルファ・ロメオが国営だった1970年代初頭に、南部イタリアの雇用拡大と活性化のために「アルファスッド」の生産拠点として建設されたものである。いわば国策だったわけだが、それから40年を経て一時は閉鎖のうわさもささやかれていたものの、再び国内の雇用対策のために復活するというわけだ。新型パンダは、フィアットの小型車としては久々のMade in Italyでもあるのである。

(文=沼田 亨)

新型「フィアット・パンダ」
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