レクサスLS500h“エグゼクティブ”(FR/CVT)/LS500“Fスポーツ”(FR/10AT)/LS500h“Fスポーツ”(4WD/CVT)
すっかりドライバーズセダン 2017.12.21 試乗記 11年ぶりにフルモデルチェンジした、レクサスのフラッグシップセダン「LS」の仕上がりは? 伊豆の峠道やクローズドコースで、ハイブリッドモデル「LS500h」と、新開発ターボエンジン搭載車「LS500」に試乗した。感性に訴えるクルマを目指して
伊豆サイクルスポーツセンターのコントロールセンターの周囲が板塀、というと安っぽいけれどウッド張りになっていて、「LEXUS」の文字が誇らしげに書いてある。その横にガラス張りの臨時テントが建てられていて、中にはソファーが置いてあるラウンジがつくられ、キュレーターが選んだであろうおしゃれな家具インテリアの本が何冊かこれみよがしに置いてある。
ラウンジの奥にはプレスカンファレンス用のテーブルがいくつか並べてあり、レクサス色の、ということは真っ黒のシーツがかけられている。イスはイームズっぽい……のかも。よくわかりませんけど。
気になったのは入り口に飾ってあった茶道具用の茶わんだ。茶といえば、戦国の覇者・織田信長が天下布武の一方で、政治の道具に使ったとされる。2017年、単なる自動車ブランドではない、ライフスタイルブランドを目指すと宣言したレクサスの思惑をストレートに訴える舞台仕立てに、筆者は素直に感心した。板塀はバックステージともいえる階段の下の厠(かわや)にまでめぐらせてあった。
寒風のなか作業するスタッフはほぼ全員、TEAM LEXUSのロゴ入りのノースフェイスのダウンジャケットを着ていた。ヘビーデューティーブランドのノースフェイスだから暖かいだろうけれど、レクサスがノースフェイスでよいのか? ということはチラリと思った。
「この10年、人々のラグジュアリーに対する意識は、モノから経験へと変化した。モノそのものではなく、モノから発信されるストーリーが大切である」という意味のことを、いみじくもLSの開発担当者がプレスを前に語った。レクサスの転換期にあるいま、数値だけではない、デザインや走りで感性に訴えるクルマをつくる、というのが彼らの目標だった。2017年3月に発売した「LC」と合わせ、LSの登場によってフラッグシップのラインナップが完成し、新世代レクサス時代の幕開けとなる。
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