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第539回:燃費もウエット性能もハンドリングも
横浜ゴム「BluEarth-GT AE51」なら走りも楽しい?

2018.12.11 エディターから一言 サトータケシ
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「BluEarth-GT AE51」では、名称に“グランドツーリング”を意味する“GT”を取り入れている。つまり「走りに自信あり」ということである。
「BluEarth-GT AE51」では、名称に“グランドツーリング”を意味する“GT”を取り入れている。つまり「走りに自信あり」ということである。拡大

横浜ゴムは2018年11月27日、「BluEarth-GT(ブルーアース・ジーティー)AE51」を発表した。これは2012年に登場した省燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」の後継となるモデル。およそ6年分となる進化の度合いを確かめるために、箱根ターンパイクに向かった。

横浜ゴムが2018年11月27日にリリースした「BluEarth-GT(ブルーアース・ジーティー)AE51」。販売開始は2019年2月1日で、245/35R19 93Wから155/65R14 75Hの全57サイズをラインナップ。さらに2019年中に4サイズを追加する予定だという。価格はオープンプライス。
横浜ゴムが2018年11月27日にリリースした「BluEarth-GT(ブルーアース・ジーティー)AE51」。販売開始は2019年2月1日で、245/35R19 93Wから155/65R14 75Hの全57サイズをラインナップ。さらに2019年中に4サイズを追加する予定だという。価格はオープンプライス。拡大
「メルセデス・ベンツ」の「Cクラス」(写真)や「Eクラス」のほか、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」など輸入車のC~Dセグメントも「BluEarth-GT AE51」の装着ターゲットとなる。
「メルセデス・ベンツ」の「Cクラス」(写真)や「Eクラス」のほか、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」など輸入車のC~Dセグメントも「BluEarth-GT AE51」の装着ターゲットとなる。拡大
「BluEarth-GT AE51」では非対称パターンを専用開発。快適な乗り心地と優れた操縦安定性を持ち、トレッドパターンの新機軸となる「ライトニンググルーブ」や「ブレードカットサイプ」がウエット性能を向上させたという。
「BluEarth-GT AE51」では非対称パターンを専用開発。快適な乗り心地と優れた操縦安定性を持ち、トレッドパターンの新機軸となる「ライトニンググルーブ」や「ブレードカットサイプ」がウエット性能を向上させたという。拡大
「BluEarth-GT AE51」でも「BluEarth」シリーズに採用されている、特徴的なディンプルショルダーを受け継ぐ。このディンプルが放熱効果をもたらすという。
「BluEarth-GT AE51」でも「BluEarth」シリーズに採用されている、特徴的なディンプルショルダーを受け継ぐ。このディンプルが放熱効果をもたらすという。拡大

省燃費性能と操安性の両立が目標

クルマ関連の性能評価のなかでも難しいのはタイヤの評価だ。クローズドのコースで、制動距離やラップタイムを数値として比較するならまだしも、一般道でのフィーリングをチェックする官能評価はかなり難易度が高い。

というわけで、横浜ゴムの新製品、BluEarth-GT AE51を箱根ターンパイクで試乗すると聞いて、ちょこっと不安になった。果たして、従来型との違いをどこまで確認できるのか。

試乗をスタートする前に、BluEarth-GT AE51について説明しておきたい。ご存じの方も多いと思うけれど、BluEarthは横浜ゴムにおける省燃費タイヤという位置付けの銘柄だ。

現在のBluEarthはハイブリッド用やミニバン用などいくつかのモデルをラインナップするけれど、省燃費をもたらす低転がり抵抗性能だけでなく、ドライビングプレジャーや高いウエット性能を備えたタイヤとして、2012年にBluEarth-Aが生まれた。

今回発表されたBluEarth-GT AE51は、BluEarth-Aの後継モデルとなる。ハイブリッド車やミニバン、さらには「トヨタ・クラウン」や「メルセデス・ベンツEクラス」といったアッパーミドルクラスのセダンまで視野に入れたタイヤである。

そしてBluEarth-GT AE51を試してみるのだが……。

試乗前の不安は、現実となった。まずは「メルセデス・ベンツC180」のセダンからスタート。はっきり言って、現行のCクラスは傑作です。かっちりしたボディーと、正確かつしなやかに動くアシ。これだけの乗り心地の良さとアジリティー(敏しょう性)の高さを両立していて、しかも箱根のターンパイクの登りでも動力性能に不足は感じない。

ただし、快適性とファン・トゥ・ドライブがハイレベルで両立しているのは間違いないけれど、どこまでがタイヤの“手柄”なのかはイマイチわからない。

続いて「トヨタ・アルファード」。Cクラスのように、腹の底から感動することはなかったけれど、大柄なボディーで高速コーナーをクリアしても不安を感じないし、ロードノイズも静かだ。ただしこちらも、どこまでがタイヤの“手柄”なのか……。

クルマの出来のよさと、タイヤの貢献度を分けて評価することは実に難しい。

新旧の乗り比べから進化を確認

といった疑問は、最後の最後で霧散した。新しいBluEarth-GT AE51と従来型BluEarth-Aを、「アウディA4 2.0 TFSIクワトロ」で履き比べることができたのだ。

まず感じるのは、新型のBluEarth-GT AE51の方が明らかに乗り心地がマイルドであるということだ。同じ段差や路面の不整を突破しても、ドライバーに伝わるショックが角のとれた丸いものになっている。

ターンパイクの直線では、ロードノイズが大幅に低減されていることも感知できた。従来型BluEarth-Aは「シャー」という高周波の音が耳につくけれど、新型BluEarth-GT AE51は音量も低いし、音質も耳にやさしいものになっている。

なにより大きな違いは、高速コーナーでのしっかり感だった。BluEarth-GT AE51は従来型に比べて、真円の形が崩れずにしっかり路面をとらえていることがハンドルを通じて手のひらに伝わってくる。したがって、ステアフィールも大きく異なり、BluEarth-GT AE51のほうが安心して楽しく走ることができた。

ドライ路面だったので自慢のウエットグリップについては試すことはできなかったけれど、グランドツーリングを意味する“GT”というネーミングを与えた理由はよ〜く分かった。

試乗を終えてから、分かったことと分からなかったことを、横浜ゴムのスタッフに正直に伝える。で、ここから先はBluEarth-GT AE51という製品の話ではなく、タイヤ全般にまつわる話だ。

現在、日本では国内ラベリング制度にのっとって、タイヤの性能(転がり抵抗とウエットグリップ)が表示されている。転がり抵抗に関しては「AAA」から「C」までの5段階、ウエットグリップ性能は「a」から「d」までの4段階。

ちなみにBluEarth-GT AE51は全モデルでウエットグリップ性能の最高評価「a」を獲得しているという。ウエット路面でのフルブレーキングで、「a」のタイヤと「c」のタイヤとでは、制動距離に数メートルの違いがある。これは、人の命が助かるかどうかに直結する違いだ。

タイヤの性能を評価することは難しい。ただし、タイヤの性能を知ることは、ラベリング制度の表示を見るだけだから簡単だ。

というわけで、BluEarth-GT AE51が従来型より進化していたことと同時に、タイヤ選びにはラベリング制度を活用してほしいということを、ここでお伝えしたい。

(文=サトータケシ/写真=花村英典/編集=櫻井健一)

「BluEarth-GT AE51」はミドルクラスセダンのほか、大型のミニバンもターゲットとなる。箱根ターンパイクでは、トヨタの「アルファード」でも走行テストを行った。
「BluEarth-GT AE51」はミドルクラスセダンのほか、大型のミニバンもターゲットとなる。箱根ターンパイクでは、トヨタの「アルファード」でも走行テストを行った。拡大
いわゆる日本におけるフルサイズミニバンの、大柄なボディーで高速コーナーを走行しても、安定性が高く不安を感じることはなかった。
いわゆる日本におけるフルサイズミニバンの、大柄なボディーで高速コーナーを走行しても、安定性が高く不安を感じることはなかった。拡大
「BluEarth-GT AE51」(写真左)と従来モデルとなる「BluEarth-A 」(写真右)を同じ「アウディA4」で履き比べる。ウエット走行はできなかったが、同一コースを同様のスピードで走り、乗り心地の向上やロードノイズの削減など、6年分の進化を感じ取ることができた。
「BluEarth-GT AE51」(写真左)と従来モデルとなる「BluEarth-A 」(写真右)を同じ「アウディA4」で履き比べる。ウエット走行はできなかったが、同一コースを同様のスピードで走り、乗り心地の向上やロードノイズの削減など、6年分の進化を感じ取ることができた。拡大
従来モデルに比べ「BluEarth-GT AE51」のほうが明らかにロードノイズが低減され、同時に乗り心地もマイルドな印象だった。スポーティーなハンドリングが楽しめる、走れる省燃費タイヤだといえそうだ。
従来モデルに比べ「BluEarth-GT AE51」のほうが明らかにロードノイズが低減され、同時に乗り心地もマイルドな印象だった。スポーティーなハンドリングが楽しめる、走れる省燃費タイヤだといえそうだ。拡大
サトータケシ

サトータケシ

ライター/エディター。2022年12月時点での愛車は2010年型の「シトロエンC6」。最近、ちょいちょいお金がかかるようになったのが悩みのタネ。いまほしいクルマは「スズキ・ジムニー」と「ルノー・トゥインゴS」。でも2台持ちする甲斐性はなし。残念……。

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