マツダCX-30 X Lパッケージ(4WD/6AT)
高みを目指せ 2020.06.03 試乗記 マツダのコンパクトクロスオーバー「CX-30」に新たに設定された、新世代エンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブX)」搭載モデル。マツダが誇る最新のシャシーとエンジンの組み合わせは、どんな走りを見せるのか? 4WDモデルでその出来栄えを確かめた。マツダSUV製品群の“最後のピース”
CX-30は、2019年秋にマツダのSUVラインナップに加わった新しいモデルだ。国内においては、いま一番売れているマツダ車でもある。2020年1月からはスカイアクティブXを搭載したグレードの販売も始まり、すべてのバリエーションが出そろったかたちだ。
先の緊急事態宣言が発令される直前、遅ればせながら「マツダ3」と、このCX-30にゆっくりと乗る機会を得た。前者は愛車の車検をディーラーに出しに行った時、試乗車が空いてたのでチョロッと乗せてもらって以来、後者は2019年末の試乗会以来で、製品版のスカイアクティブXは初体験となる。随分とゆっくりした話で申し訳ないが、方々での取材利用が落ち着くだろう頃合いを待っていたらこんな微妙なタイミングになってしまった。
CX-30はマツダ3のアーキテクチャーを用いたCセグメントSUV……というよりもクロスオーバー系のモデルだ。マツダには現在、「CX-3」から「CX-9」まで6つのSUVがあるが、Cセグメント以下はクロスオーバー、Dセグメント以上はSUVと方向性を明確に違えている。例外として、中国で生産販売されるローカルモデルの「CX-4」があるが、こちらはCX-5をベースとしたDセグメントクロスオーバーだ。
すなわちCX-30のライバルは、スバルでいえば「フォレスター」より「XV」、トヨタでいえば「RAV4」より「C-HR」ということになるだろう。海外勢に目を向ければ「メルセデス・ベンツGLA」や「BMW X2」といったところが同級モデルに該当する。価格的にはトヨタやスバルよりは明確に高いが、メルセデスやBMWよりは全然安い。ちなみに今回試乗したのはスカイアクティブX搭載の「Lパッケージ」、そして4WDと最も高いグレードになるが、価格は371万円余だ。同級のマツダ3に対する価格差は10万円を切っており、ホイールベースまで違えていることを思えば、SUV化のお代は控えめといってもいいだろう。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |