フェラーリ・ローマ(後編)

2021.12.05 池沢早人師の恋するニューモデル 池沢 早人師 漫画『サーキットの狼』の作者、池沢早人師による2+2 FRクーペ「フェラーリ・ローマ」の試乗リポート後編。エレガントでセクシーなスタイルとスポーティーな走りを高く評価した同氏だが、果たして死角はないのか? その最終ジャッジやいかに。
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カラーコーディネートは難しい

往年の「ジャガーEタイプ ロードスター」を思わせるフェラーリ・ローマのリアデザインは、発表当初から気に入っていたと話す池沢先生。しかし実車を前にすると、「フェラーリ・ピニン」を想起させるフロントグリルのデザインにもさらなる魅力を感じたという。

そのフェラーリ・ピニンとはどんなクルマだったのか。そしてどこにローマとの共通点を見いだしたのだろうか。

フェラーリ・ピニンは市販車ではないですよね?
「そうです、コンセプトカーですね。1980年にね、ピニンファリーナとフェラーリの50周年を記念して1台だけつくられた当時フェラーリ唯一の4ドアセダンでした。とっても美しいフォルムのセダンでね、僕も憧れたんですが、さすがに世界に1台しかなく市販もされなかったので、憧れただけで終わってしまいました。フェラーリ・ローマのフロントグリルには、そのフェラーリ・ピニンのグリルのイメージが残ってるんです。そこがね、個人的にはグッとくるポイントです」

なるほど。先生的にはフェラーリ・ローマのエクステリアデザインはバッチリである、と。
「はい。その1980年当時、僕は数ある愛車のなかでも唯一の4シータークーペとなる『フェラーリ400AT』に乗っていたのですが、もしもピニンが市販されたら、世界一美しく速い4ドアのフェラーリって最高かも! と強烈に思った記憶がよみがえります」

インテリアについてはどうですか?
「質感は当然すばらしいですし、デザインも悪くないと思いますが、今回の試乗車両のインテリアカラーの選択は正直ちょっとどうかと……」

カラーコーディネートが、ですね?
「まぁそこは個人の趣味の問題かもしれませんし、内装色は自由に選べますから。ただ、このカラーコーディネートは僕とはセンスが異なります(笑)。こうしたクルマの購入時に、僕も悩みますし、難しいところでもありますね。あと少なくともシートのつくりは、このクルマのキャラクターにちょっと合ってないと感じましたね」

「フェラーリ・ローマ」の個性的なエクステリアデザインは、フェラーリスタイリングセンターが担当。「1950〜1960年代のイタリア・ローマで見られたドルチェヴィータ(華やかで自由気ままな生き方)の世界観を現代流に解釈し直したもの」とされている。
「フェラーリ・ローマ」の個性的なエクステリアデザインは、フェラーリスタイリングセンターが担当。「1950〜1960年代のイタリア・ローマで見られたドルチェヴィータ(華やかで自由気ままな生き方)の世界観を現代流に解釈し直したもの」とされている。拡大
「特徴的な『ローマ』のフロントフロントマスクが、かつて憧れた『フェラーリ・ピニン』のグリルデザインと重なって、そこにグッときますよ」と熱く語った池沢先生。フェラーリ・ピニンは1980年のトリノモーターショーで発表された、ピニンファリーナ設立50周年を記念する4ドアのコンセプトカーであった。
「特徴的な『ローマ』のフロントフロントマスクが、かつて憧れた『フェラーリ・ピニン』のグリルデザインと重なって、そこにグッときますよ」と熱く語った池沢先生。フェラーリ・ピニンは1980年のトリノモーターショーで発表された、ピニンファリーナ設立50周年を記念する4ドアのコンセプトカーであった。拡大
【フェラーリ・ローマ】
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4656×1974×1301mm/ホイールベース:2670mm/車重:1570kg(空車重量)、1472kg(乾燥重量)/駆動方式:FR/エンジン:3.9リッターV8 DOHC 32バルブ ターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:620PS(456kW)/5750-7500rpm/最大トルク:760N・m(77.5kgf・m)/3000-5750rpm/タイヤ:(前)245/35ZR20 95Y/(後)285/35ZR20 104Y(ミシュラン・パイロットスポーツ4 S)/燃費:11.2リッター/100km(約8.9km/リッター、WLTP複合モード)/価格:2682万円

【取材時の燃費データ】
テスト距離:244.7km(市街地2:高速道路6:山岳路2)/使用燃料:34.3リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:7.1km/リッター(満タン法)
【フェラーリ・ローマ】
	ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4656×1974×1301mm/ホイールベース:2670mm/車重:1570kg(空車重量)、1472kg(乾燥重量)/駆動方式:FR/エンジン:3.9リッターV8 DOHC 32バルブ ターボ/トランスミッション:8段AT/最高出力:620PS(456kW)/5750-7500rpm/最大トルク:760N・m(77.5kgf・m)/3000-5750rpm/タイヤ:(前)245/35ZR20 95Y/(後)285/35ZR20 104Y(ミシュラン・パイロットスポーツ4 S)/燃費:11.2リッター/100km(約8.9km/リッター、WLTP複合モード)/価格:2682万円
	
	【取材時の燃費データ】
	テスト距離:244.7km(市街地2:高速道路6:山岳路2)/使用燃料:34.3リッター(ハイオクガソリン)/参考燃費:7.1km/リッター(満タン法)拡大