日産エクストレイルG e-4ORCE(前編)

2023.06.08 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 新開発の電動パワートレインを搭載し、最新のシャシー制御技術を盛り込んだ、日産自慢のSUV「エクストレイル」。その仕上がりを、車両開発のプロである多田哲哉さんはどのように評価する?

チャレンジ精神が伝わってくる

日産というと、筆者を含めた昭和世代のクルマ好きは、条件反射的に「技術の日産」というフレーズが口についてしまう。これは昭和~平成初期にかけて、日産の代名詞のように使われていた言葉で、かつてトヨタと日産が他の追随を許さない二大メーカーだった時代に「販売のトヨタ」とは対照的な日産らしさを端的に表す表現でもあった。

エクストレイルは日産でも指折りのクローバル商品であると同時に「CMF-C/D」プラットフォームに「可変圧縮比ターボ(VCT)」エンジン、さらには「e-POWER」に「e-4ORCE」と、日産自慢の新技術がテンコ盛りである。

というわけで、エクストレイルの試乗を終えた多田さんに、ずばり、そこに「技術の日産」を感じられたかとたずねてみた。

すると「まだまだ物足りないと思うところもあるのですが……」と前置きしつつも、「つくり手の皆さんが頑張っていることはヒシヒシと感じます。少なくとも、いい方向に向かっていることは間違いありません。きちんとチャレンジしている意思が感じられるのがいい」と評した。

多田さんがここで「チャレンジ」という言葉を使ったのは、これと同じ日に、前々回で紹介した「トヨタ・プリウス」にも試乗していたことも無関係ではないだろう。

その時の記事をご覧いただければお分かりのように、多田さんのプリウス評は「デザインはスポーティーでカッコいい。でも、既存技術の熟成の域を出ないハイブリッドシステムをはじめ、先進技術をアピールするために生まれたはずのプリウスの名を冠するには、今回はチャレンジが足りない」という、いかにもトヨタOBの多田さんらしいものだった。

 
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