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新エンジンでハイブリッド!? 新型「マツダCX-5」を予想する

2025.03.31 デイリーコラム 工藤 貴宏
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“今後のマツダ”で一番気になる

2025年3月18日にマツダが明らかにした、電動化時代に向けての経営戦略「ライトアセット戦略」によれば、「マツダは2030年までを『電動化の黎明(れいめい)期』と捉えて、多様化するお客さまニーズや環境規制に柔軟に対応すべくマルチソリューションで電動化を進める」とのこと。

具体的には「2030年までの電動化投資1.5兆円のうち、電池投資については、すべての電池を自前で調達するという想定にインフレ影響を加味した7500億円を、協業を活用することで半減させる」「生産においては、既存の資産を活用してEVとエンジン車を混流生産することにより、EV専用工場を新設した場合に比べ、初期設備投資を85%低減、量産準備期間を80%低減する」などといった今後の見通しが明らかにされた。

しかし、筆者が興味を持ったのはEVなどではなく、エンジンに関する説明だった。厳しいエミッション規制に適合する電動化時代の基軸となるエンジンとして「SKYACTIV-Z」に触れているのだ。「究極の燃焼に近づく燃焼技術で高い燃費性能と走行性能を両立させる」というSKYACTIV-Zは、マツダ独自のハイブリッドシステムとの組み合わせで「2027年中に次期『マツダCX-5』から導入される」ことが明言された。

えっ、「SKYACTIV-X」じゃなくて“Z”? 次期CX-5に搭載!?

公式発表ではないが、漏れ伝わってくる情報によると、SKYACTIV-ZはSKYACTIV-Xの進化版で、同様の燃焼方式を採用しつつも排気量や補器類の最適化&ストロングハイブリッドとの組み合わせで商品性が大幅にアップするとかしないとか(余談ですが当初予定されていたSKYACTIV-Xの直6エンジンは気がつけば将来プランから消えていますねぇ……)。

それにしても“次期CX-5”に、“2027年には搭載”ですか。そうきましたか。

2025年3月18日に開催された記者会見において、製品開発の見通しを説明する、マツダの廣瀬一郎 取締役専務執行役員兼CTO。「電動化時代に向けての経営戦略」がメインテーマの会のなかで、「マツダは内燃機関の開発でもフロントランナーでありたい」と語気を強めた。
2025年3月18日に開催された記者会見において、製品開発の見通しを説明する、マツダの廣瀬一郎 取締役専務執行役員兼CTO。「電動化時代に向けての経営戦略」がメインテーマの会のなかで、「マツダは内燃機関の開発でもフロントランナーでありたい」と語気を強めた。拡大
マツダ独自の、「SKYACTIV-Z」エンジンをベースとするストロングハイブリッドシステムが市場投入されるのは2027年。まずは、新型「CX-5」への採用が予定されている。
マツダ独自の、「SKYACTIV-Z」エンジンをベースとするストロングハイブリッドシステムが市場投入されるのは2027年。まずは、新型「CX-5」への採用が予定されている。拡大
「SKYACTIV-Z」は、欧州ユーロ7や米国LEV4、Tier4といった厳しいエミッション規制に適合する2.5リッター直4エンジン。既存の2.5リッターユニットの素材をほぼそのまま使うなど、低投資での実現が目指されているのもポイントだ。
「SKYACTIV-Z」は、欧州ユーロ7や米国LEV4、Tier4といった厳しいエミッション規制に適合する2.5リッター直4エンジン。既存の2.5リッターユニットの素材をほぼそのまま使うなど、低投資での実現が目指されているのもポイントだ。拡大

ディーゼルはなくなるかも……

事情に詳しい読者諸兄ならすでにご存じとは思うものの整理しておくと、そもそもCX-5(一時期はマツダの世界販売の半数を担っていた超貢献モデル)は後継となる「CX-60」や「CX-50」に道を譲ってフェードアウトする予定だった。

しかしCX-60やCX-50へのバトンタッチはマツダが想定したほどうまくはいかず、2世代目となる現行型の登場から8年がたった今でもCX-5は人気車種のまま。そこで、「消えていくはず」だった予定を変更し、次期型へのフルモデルチェンジが計画されたというわけだ。

人気車種のモデルチェンジだけに注目度は高いのだが、新型CX-5について今わかっていることは

  • 2025年内にデビューする
  • SKYACTIV-Zを組み合わせた“マツダ製ハイブリッド”が2027年に搭載される

以上の2点のみ。

というわけで長い前置きとなったが、実は元オーナーでありCX-5にはちょっと詳しいワタクシが、次期CX-5について妄想ベースで予想してみようというのが本コラムの狙いだ。

まずボディーサイズは、わずかにアップするだろう。しかし「全幅が1.9mを超える」という一部スクープ記事もあるものの、そこまでワイドにはならないというのが筆者の見立てだ。そもそもCX-5に求められるのは次期モデルでも“大きすぎない車体サイズ”であり、全幅1890mmのCX-60よりもワイドだったら意味がない。それを求める人はいないだろう。なので現行モデルに対してワイド化されたとしても、1870mm程度におさまると考えると自然だ。もしCX-60よりもワイドだったら、暴動が起きるのは避けられまい。

同様に全長(現行型は4575mm)も、どんなに大きくなったところでCX-60の4740mmを下回るはずで、4.6m台は死守すると考えるのが自然だ。CX-60より大きいというのは、まず考えられない。

パワートレインは、おそらくマイルドハイブリッド化されるガソリンエンジン(2リッターや2.5リッター?)に加え、公式発表された、くだんのSKYACTIV-Zを組み合わせた“マツダ製ハイブリッド”が用意される。CX-5といえばディーゼルだが、マツダは将来的に4気筒ディーゼルをなくす方向だと報じられているので、次期型CX-5へのディーゼルの搭載は微妙かもしれない。もしかすると当初は搭載し、どこかのタイミングで終了となるのだろうか?

デビューから8年を経ても変わらぬ人気を誇る2代目「マツダCX-5」。2023年は“最も売れたマツダ車”に輝き、2024年も「マツダ2」に次ぐ2番手と活躍をみせた。
デビューから8年を経ても変わらぬ人気を誇る2代目「マツダCX-5」。2023年は“最も売れたマツダ車”に輝き、2024年も「マツダ2」に次ぐ2番手と活躍をみせた。拡大
新開発のエンジン縦置き・FRプラットフォームをベースとする「CX-60」。「CX-5」の後を継ぐ次世代モデルとなるはずが、いまひとつ盛り上がらない。
新開発のエンジン縦置き・FRプラットフォームをベースとする「CX-60」。「CX-5」の後を継ぐ次世代モデルとなるはずが、いまひとつ盛り上がらない。拡大
「CX-60」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4740×1890×1685mm。国内の多くのユーザーにとっては、これがギリギリのサイズ感だろう。
「CX-60」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4740×1890×1685mm。国内の多くのユーザーにとっては、これがギリギリのサイズ感だろう。拡大
現行型「CX-5」に搭載されている2.2リッターのディーゼルエンジン。近年のマツダの動きからすると、次のCX-5ではラインナップから落とされてしまう可能性もある。
現行型「CX-5」に搭載されている2.2リッターのディーゼルエンジン。近年のマツダの動きからすると、次のCX-5ではラインナップから落とされてしまう可能性もある。拡大

肝心の車台はどうなる?

気になるプラットフォームだが、車体サイズを考えればエンジン縦置き後輪駆動ベースの「ラージアーキテクチャー」ということはないだろう。もしラージプラットフォーム(ボンネットが長い!)でCX-60より短いクルマをつくろうとしたら、かなりキャビンが狭いパッケージングになってしまうので現実的ではない。

いっぽうで北米や中国で売っているCX-50のように、「マツダ3」や「CX-30」と同じ「スモールアーキテクチャー」の可能性もある(そう報じているスクープ情報もある)が、筆者の見立てはそうではない。現行CX-5のプラットフォーム(ラージにもスモールにも属さない)をキャリーオーバーするのではないかと考えているのだ。

つまり、次期CX-5は現行モデルの“実質ビッグマイナーチェンジ”となるのではないかというのが、筆者の予想である。

他社の例をみると、スバルの新型「フォレスター」や現行「ホンダ・アコード」、そして日本では売っていないけれど「トヨタ・カムリ」の新型なんかも土台は従来モデルから継承する手法でモデルチェンジしている(というか以前からよくある手法だ)。次期CX-5がそうなってもおかしくはない。よくよく考えてみれば現行CX-5も車体の基本は先代から受け継いでいるけれど、それも「熟成されている」と考えれば悪くはない。プラットフォームは「新しければすべてがいい」というわけではないのだから。

というわけで、以上が筆者の現時点における次期CX-5予想だ。一応伝えておくと、あくまで何の情報にも基づかない推測にすぎないので、「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」であることはお忘れなく。

ちなみにマツダによるとSKYACTIV-Zの燃焼改善技術をラージ商品の直列6気筒エンジンに展開し、ロータリーエンジンのエミッション開発にも活用するのだとか。ってことは、アレですか。駆動用に使うロータリーエンジンの復活もけっこう本気で考えているという認識でいいわけですよね? やったぜ!

(文=工藤貴宏/写真=マツダ、花村英典、webCG/編集=関 顕也)

「CX-5」に次いで売れているマツダのSUVが「CX-30」だ。そのプラットフォームが次期「CX-5」に使われるのではないかといううわさもあるが、現時点では不明だ。
「CX-5」に次いで売れているマツダのSUVが「CX-30」だ。そのプラットフォームが次期「CX-5」に使われるのではないかといううわさもあるが、現時点では不明だ。拡大
マツダの資料から。新型「CX-5」は「CX-60」「CX-70」「CX-80」といった既存の“ラージ商品群”とは別にラインナップされ、その開発で得られた技術の一部はラージ商品群にも展開される見通しという。
マツダの資料から。新型「CX-5」は「CX-60」「CX-70」「CX-80」といった既存の“ラージ商品群”とは別にラインナップされ、その開発で得られた技術の一部はラージ商品群にも展開される見通しという。拡大
工藤 貴宏

工藤 貴宏

物心ついた頃からクルマ好きとなり、小学生の頃には自動車雑誌を読み始め、大学在学中に自動車雑誌編集部でアルバイトを開始。その後、バイト先の編集部に就職したのち編集プロダクションを経て、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。別の言い方をすればプロのクルマ好きってとこでしょうか。現在の所有車両は「スズキ・ソリオ」「マツダCX-60」、そして「ホンダS660」。実用車からスポーツカーまで幅広く大好きです。

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