MINIクーパーSEポール・スミスエディション(FWD)
オシャレの2乗 2026.08.03 試乗記 人気のプレミアムコンパクト「MINI」に、特別なデザインが魅力の「ポール・スミスエディション」が登場。著名なファッションブランドがコーディネートしたMINIは、クルマに疎い人も、ブランドに疎い人も魅了する、説得力のある装いの一台に仕上がっていた。細かいことは知らなくたって
私はいわゆる「ブランド」にまったく疎い。興味も知識もゼロに近い。ポール・スミスというブランドもぜんぜん知らなかった。よって、「MINIのポール・スミスエディション」と聞いても、なんのことかサッパリ分からなかった。
オレ「ポール・スミスってブランドなの?」
担当ほった「そうですよ」
オレ「なにつくってるの?」
担当ほった「いろいろです」
担当ほった君もファッションブランドに詳しいとは思えないタイプだった。そんな私どもだが、「MINIクーパーSEポール・スミスエディション」を見て、ブランド力とはまったく無関係に「うわ、ステキだな」と思った(本当)。何がステキだったかというと、白とグリーンが組み合わされたボディーカラーである。
ボディーカラーなんて枝葉末節! というご意見もあるでしょうが、クルマに詳しくない妙齢の女子は、ボディーカラーに最大の興味を抱く。色でしかクルマを判別できないケースも多い。つまりクルマにとってボディーカラーは、とてつもなく重要な要素なのである。「ボディーカラーがイイネ!」というのは、最大のほめ言葉と言っても過言ではない。
で、今回の試乗車のボディーカラーだが、白は「インスパイアード・ホワイト」、グリーンは「ノッティンガムグリーン」。インスパイアード・ホワイトは、クラシックMiniの人気色だったベージュを現代的にオマージュした色で、ノッティンガムグリーンは、ポール・スミス氏の故郷へのオマージュカラーとのこと。
私はノッティンガムなる街をさっぱり知らないが、とにかくこのグリーンがシブイ。苔色とでも申しましょうか? 抹茶は世界的流行だけど、苔もそのうちブームになるかも! 世界中から日本の苔を見るためにインバウンドが殺到する日は近い! そんな予感がするほど、このグリーンはステキだった。
とにかくですね、ポール・スミスというブランドをぜんぜん知らなくても、本気で感心してしまうほど、このクルマのボディーカラーはセンスがいいのです。
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デザインだけでも+57万円の価値がある
順序が逆になってしまって申し訳ありませんが、電気自動車(BEV)になった新型MINIのエクステリアデザインもすごくイイ! 新型MINIは、特にリアの造形が私好みだ。
これまでのMINIのリアは、「これぞMINI」って感じで、MINIの域を脱していなかったが(当たり前)、新型MINIのリアは、MINIじゃなくてランチア? と思ってしまうほど小粋でセンスがいい。「かわいい」というより「オシャレさん」なのだ。
お尻以外はおおむね典型的なMINIの造形を継承しており、顔はウーパールーパー系ですが、お尻がこれだけオシャレさんだと、全部がオシャレさんに見える。そこにポール・スミスの特別色が塗られると、オシャレさんの2乗。「うわ、センスいいな~」と唸るしかないのです。
あくまで個人の感想ですが、これまで私はMINIのデザインについて、「シンデレラ城的なファンタジー」に近い印象を抱いており、それほど肯定的ではなかったのですが、このMINIクーパーSEポール・スミスエディションに関しては、超絶クラスのオシャレカーであると認定する。私に認定されても無価値ですが、とにかく敬意を表します。
続いてインテリア。こちらで目につくのは、ダッシュボードのストライプだ。シート上部にもストライプ。ステアリングには色とりどりのバーコードみたいなストライプも付いている。
実はルーフ外観右側にも、色とりどりのバーコードみたいなストライプが付いていたので、これはたぶんオシャレでやっているのだろうと察していたが、ストライプ柄はポール・スミスの定番のようだ。「ポール・スミス」でGoogle画像検索をかけたら、ストライプ柄のシャツがずらっと出てきたくらいである。
ほった「そうですよ。ポール・スミスといえばストライプなんですよ」
オシャレの対極に君臨するほった君に、そう言われてしまった。むむむ。まぁインテリアについては、エクステリアほど大感心はしませんでしたが、通常のMINIとはちょっと違う感じは十分ある。いいじゃないですか!
価格は598万円。通常のMINIクーパーSE(BEV)が541万円なので、57万円お高いわけですが、これだけオシャレさんなら57万円は高くない! ルーフとドアミラーカバーとアンダーグリルフレームの苔色だけでも57万円の価値があるかもしれない。
ちなみにこのMINIクーパーSEポール・スミスエディション、ボディーカラーは3色で、このほかに「青みがかったグレー+苔色」と「黒+苔色」もあるのですが、そちらは実車を拝見していないので、皆さま、ショールーム等でご確認ください。
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普段使いの足に好適
「おい、これが試乗記なのかよ。ぜんぜん走ってないじゃないか!」そのようにおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、このクルマ、中身はMINIクーパーSE(BEV)そのもので、特に変更点はありません。なので、これで切り上げてもいいような気もしますが、一応試乗した感想だけ記しておきます。
とっても魅力的なBEVでした! 私は現在のBEVに否定的な意見を持っていますが、今は消滅した「ブロッサムピンク」の「日産サクラ」と「フィアット500e」は例外で、非常にイイと思っています。それはつまり、コンパクトでオシャレさんなBEVは、短距離の日常使い専用車にピッタリ! ということです。
MINIクーパーSE(BEV)はWLTCモードで446kmの航続距離を持っているので、短距離専用にはちょっともったいないけれど、実用上の航続距離は300km強でロングドライブにも向かない。結局、富裕層が近場のチョイ乗りに使うならとってもステキだし、ガソリン車のMINIよりオシャレだと思うのです。
直接のライバルたるフィアット500eと比較すると、バッテリー容量・航続距離ともに1ランク上。それでいて価格はほぼ同等。白と苔色のMINIクーパーSEポール・スミスエディションは「買い」だと思います!
(文=清水草一/写真=郡大二郎/編集=堀田剛資/車両協力=BMWジャパン)
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テスト車のデータ
MINIクーパーSEポール・スミスエディション
ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3860×1755×1460mm
ホイールベース:2525mm
車重:1640kg
駆動方式:FWD
モーター:交流同期電動機
最高出力:218PS(160kW)/7000rpm
最大トルク:330N・m(33.7kgf・m)/1000-4500rpm
タイヤ:(前)225/40R18 92V XL/(後)225/40R18 92V XL(グッドイヤー・アシュアランス コンフォートトレッド)
一充電走行距離:446km(WLTCモード)
交流電力量消費率:128Wh/100km(約7.8km/kWh、WLTCモード)
価格:598万円/テスト車=598万円
オプション装備:なし
テスト車の年式:2026年型
テスト開始時の走行距離:1016km
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(6)/高速道路(4)/山岳路(0)
テスト距離:141.2km
消費電力量:--kWh
参考電力消費率:8.0km/kWh(車載電費計計測値)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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