第34回「トヨタ・ハリアー プレミアム“アドバンストパッケージ”」

2014.01.31 水野和敏的視点 水野 和敏
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「RAV4」プラス「リンカーンMKX」?

今回は「トヨタ・ハリアー」を取り上げます。昨年11月に発表された3代目ハリアーですが、フルモデルチェンジを機にレクサスブランドとの共用から切り離され、国内専用モデルとなりました。

ニューハリアーの動力系は、2リッター直4ガソリンモデルと、2.5リッター直4ガソリンとモーターを組み合わせるハイブリッドモデルの2種類。テスト用には、ガソリンモデルのFF車が用意されました。「プレミアム“アドバンストパッケージ”」と呼ばれる装備をおごった上級グレードで、“素”の状態の車両価格は360万円です。

さて、新型ハリアーを遠目で眺めてみると、「ショートホイールベースにデカっ鼻」という印象ですね。300万円級の車格感を出そうとしているのはわかるのですが、特に造形代として使われるフロントオーバーハングの長さが気になります。
少々嫌みな言い方をすると、「トヨタRAV4」のボディーに「リンカーンMKX」調のノーズをくっつけた感じ。おそらく開発中に、デザインスタジオに置いて2~3m離れて見ると、「質感があっていいね」ということになるのでしょうが、いざ屋外に持ち出して10m離れて眺めてみれば印象は変わります。全体のバランスが崩れてしまっています。RAV4との販売価格差のデザイン表現という意図はわかりますが……。

続いては、大きなボンネットを開けてみましょう。エンジンルームのバルクヘッド側に貼られる吸音材、遮音材の使い方はぜいたくです。「RAV4とのクラス感の違いをしっかり出そう」という意図がくみ取れます。開発陣は、懸命に高級車に仕立てようとしているんですね。