第71回「アウディS3セダン」
2014.10.17 水野和敏的視点アウディは真剣に考えている
前々回の「ボルボS60ポールスター」、前回の「スバルWRX STI」に続き、今回もパワフルなエンジンを搭載するスポーティーな4WDセダンを取り上げます。実は次回もハイパワーな4WDセダンに乗る予定ですが、どのクルマかはナイショ! 楽しみにしていてください。
それはともかく、今回の主役は「アウディS3セダン」。2014年の初頭に「A3セダン」と同時に日本への輸入が始まった、スポーティーな3ボックス車です。
S3セダンのベースとなるA3セダンには、1.4リッターターボとその気筒休止機能付き、および1.8リッターターボの計3モデルが用意され、駆動方式は1.4リッターがFF、1.8リッターが4WDとなります。それに対して、S3セダンは2リッターターボエンジン(285ps、38.8kgm)に4WDという組み合わせのみ。価格は585万円です。
それでは早速、運転席に着いてみましょう。A3セダンに試乗したとき(当連載の第55回と56回。「フォルクスワーゲン・ゴルフ」と比較しました)にも言及しましたが、やはりアウディ車の内装は、プレミアムブランドの中でも群を抜いて上質です。マット(つや消し)の黒をメインとして、しっとりまとめられています。エアコン吹き出し口などのシルバーの加飾(かしょく)も、シンプルですが、蒸着メッキのテカリをうまく抑えています。
液晶ディスプレイがダッシュボードの上面に埋め込まれ、自動で出てくる仕組みもいい。この方式を久しぶりに見て、私がかつて「V35スカイライン」に採用したことを思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。メルセデス・ベンツがディスプレイを、「Aクラス」はおろか「Cクラス」でも違和感や後付け感を持たれかねない取り付け方をして、メルセデスに長く親しんできたオーナーの一部をガッカリさせているのとは対照的です。
また、S3セダンはセンターコンソールやシフトレバーまわりの処理もうまい。シルバーやマットブラック、(塗装ではない)練り込み式のピアノブラックといった素材を整然と並べ、そのコーディネートに隙がありません。A3やS3はボディーがコンパクトな分、上位車種である「アウディA4」より密に仕上げられた印象を受け、その結果、質感の高さが強調されています。担当者が本気で知恵を絞っているのが伝わってくるインテリアです。
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