第340回:「メルセデス・ベンツG550 4×4²」が日本上陸!
その狙いを「Gクラス」の統括責任者に聞いた
2016.04.19
エディターから一言
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いよいよ販売が開始された「メルセデス・ベンツG550 4×4²」。お値段3510万円という特別な「Gクラス」の意義とは? 「究極のオフロード性能に日常性を加味した」という開発コンセプトとともに、その“狙い” をGクラス統括責任者に聞いた。
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東京オートサロン2016の主役がいよいよ販売開始
2016年1月の東京オートサロンで何の前触れもなく、そして会場での詳細な製品情報もなく姿を現したメルセデス・ベンツのG550 4×4²。4×4²と書いて「フォー・バイ・フォースクエアード」と読むそうな。
早い話がGクラスのハイリフト仕様でしょ? だからカスタムカーの祭典に出展したんでしょ? その読みはたぶん間違っていない。だが、そこは天下のメルセデス。2014年に登場して世間を驚かせた6輪のGクラス、「G63 AMG 6×6」の特殊な技術を生かして仕上げたという。それにしてもなぜこんなクルマを? というのが率直な疑問だ。
それに答えるべく、Gクラスの統括責任者であるダイムラーAGのグンナー・グーテンケ氏が来日。G550 4×4²が国内で正式に発表された4月4日、各誌の合同インタビューに応じた。本当はまず乗りたいところだが、責任者の話を聞いてからでも遅くはない。というわけで、そこでの質疑応答をざっくりまとめてみた。話題は、G550 4×4²からGクラスの存在意義や将来など多岐にわたった。
ちなみに、4月4日から5月31日までの期間限定販売を実施するG550 4×4²の国内税込価格は3510万円。先のG63 AMG 6×6が8000万円だったことを考えればお得な気もするが、Gクラスのエントリーモデル「G350d」がまるっと3台買える値段でもある。
驚異的な走破性能とオンロード性能を両立
――まず初めに、なぜ今G550 4×4²をつくったのですか?
グンナー・グーテンケ氏(以下、グーテンケ。敬称略):ご覧いただければご理解いただける通り、G550 4×4²はG63 AMG 6×6の流れをくむモデルです。G63 AMG 6×6は挑戦的なエクストリームカーでした。日本での販売も5台のみの特別なクルマです。そのカスタマーたちからは、非常に素晴らしいが毎日は使えないという声をもらいました。そこでアイデアがひらめいたんです。ならば毎日乗りたくなるエクストリームGクラスをつくってみようと。
――足まわりはG63 AMG 6×6と同じですか?
グーテンケ:基本的なテクノロジーは移植しましたが、細部に変更箇所があります。リアアクスルは同じでフロントアクスルは少し変えました。開発段階で力を注いだのは、オフロードの走破性を犠牲にせず、オンロードでより速く走れるようにすることでした。結果、G63 AMG 6×6のマックスは160㎞/hでしたが、G550 4×4²は210㎞/hまで最高速度を伸ばすことができました。
――カタログのメインを飾るのは「エレクトリックビーム」と呼ばれる鮮やかなイエローですが、この色を選んだ理由は?
グーテンケ:キレイでカッコいいから(笑)。有償のスペシャルペイントですが、非常に手間のかかる手塗りですから、一目見れば気に入ってもらえると思います。
Gクラスはメルセデスのアイコン的存在に
――Gクラスは今もオーストリアのグラーツで生産されていますが、G550 4×4²もそうですか?
グーテンケ:はい。
――本国以外の工場で生産するメリットは?
グーテンケ:Gクラスの開発パートナーがグラーツのマグナ(マグナ・シュタイア、当時はシュタイア・プフ)だったので、1979年の発売以来ずっと同じ場所でつくっています。Gクラスならではの手作業のノウハウが蓄積されていますから、他に移す考えはありません。37年間ずっと働いている熟練の職人もいますよ。ぜひ一度見学に来てください。
――37年間もルックスを変えないGクラスは、メルセデスにおいてどういう存在意義があると思いますか?
グーテンケ:一つのモデルを長くつくり続けるには、ぶれない思想が必要です。Gクラスであれば、オフロードで比肩するものがない能力を保ち続けること。その上で最新のテクノロジーを注ぎ込み、インテリアはラグジュアリネスを誇ること。そうしたわれわれの設計思想をカスタマーが愛し続けてくれている。メルセデスにとってはアイコンというべき存在です。
――はじめからアイコンになると思っていましたか? 形を変えなかったことで、結果的に稀有(けう)になったのではありませんか?
グーテンケ:おっしゃる通り、最初からアイコンにしようと思ってデザインされたわけではありません。結果的に、というご指摘も外れではないでしょう。しかし私にとってGクラス最大の魅力は、まず機能です。2つ目は、その機能を表したカタチ。それが融合したデザインは元からユニークだったと言っていいと思います。だから今も愛されている。ドアを閉める音などはスペシャルです。Gクラスのいたるところに、自動車業界のよい伝統が引き継がれています。その意味でも稀有でニッチなクルマです。
クルマはやっぱり乗ってみなきゃ分からない
――2017年にフルモデルチェンジされるといううわさがありますが、それは本当ですか?
グーテンケ:私もインターネットでそのうわさを知りました。こう答えておきます。フルモデルチェンジするほうに賭けるかといえば、私はノーです(笑)。
――最後に一つ。G550 4×4²は本当にデイリーユースに耐えますか?
グーテンケ:一度乗ったら毎日使いたくなる。その気持ちは実際にハンドルを握ったらわかると思いますよ。
弁解がましいけれど、記者たちの質問がG550 4×4²からGクラス全体へとスライドしていったのは、まだ誰もこの日本で試乗していないからだ。最後の質問はその象徴と言っていい(挙手したのは僕ですが)。
約1時間の共同取材が終わった後、会場となったメルセデス・ベンツ コネクションでG550 4×4²とグーテン氏のフォトセッションが行われた。そこで目の当たりにした現車は、笑っちゃうほどの迫力だった。何しろ最低地上高は「G550」の235mmに対して倍近い460mmもあるのだ。ドア下のステップに足をかけるにはヒザをへその高さまで上げる始末。これはもう乗車というよりは木登りだ。
見上げる限り、こんなのどこで乗るんだ? と思う。でも、ハンドルを握ったら違う衝動が沸き起こるのだろうか? 本当に毎日乗りたくなるのか? いずれにせよ運転しなくちゃ何もわからない。というわけで試乗の機会をいただきました。果たして陸の王者を乗りこなせるのか、その試乗記に乞うご期待!
(文=田村十七男/写真=webCG)

田村 十七男
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