ポルシェ911カレラGTSカブリオレ(RR/8AT)

男子の本懐、ここにあり! 2025.11.19 試乗記 今尾 直樹 最新の「ポルシェ911」=992.2型から「カレラGTSカブリオレ」をチョイス。話題のハイブリッドパワートレインにオープントップボディーを組み合わせたぜいたくな仕様だ。富士山麓のワインディングロードで乗った印象をリポートする。
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足がバリカタ

webCG編集部が入居しているビルの地下駐車場で、最新のポルシェ911カレラGTSカブリオレに乗り込んだ。丸いボタン式に変更されたスターターを押すと、背後でヴオンッという爆音がとどろいた。地下駐車場のパレットの上でのことだったので、音が反響したのだ。992.2型と呼ばれる新型911のカレラGTSの注目ポイントはTハイブリッドなるポルシェ初の電動化技術だけれど、なあんだ、案外フツウの911と変わらない。と筆者は思った。

ただ、地下駐車場から地上へ向かうスロープを、エンジンの回転をさほど上げることなくのぼっていくところはちょっと違うかもしれない。公道を走りだして驚いたのは、足の硬さだ。バリカタである。GTSというのは、「カレラS」と「GT3」の間を埋めるグレードだけれど、ほとんどGT3に近い硬さだ。

タイヤはフロントが245/35ZR20、リアが315/30ZR21という前後異サイズ。リアのタイヤ幅はフェイズ1比で10mm広がっている。後述するように後輪が受け止めるパワーが上がっているからだろう。銘柄は元祖スーパーカータイヤの「ピレリPゼロ」だ。より正確には「PゼロR」とRの文字が付いている。Rは自動車メーカーとの共同開発であることを示す。

GTSの足まわりはPASMスポーツシャシーと呼ばれるもので、標準のPASMシャシーより硬くて短いスプリングが使われている。そのため全高が10mm低い。ポルシェはそれでも一定の快適性を担保すべく、リアにモータースポーツ由来のヘルパースプリングを加えている。メインスプリングよりもソフトなこのスプリングのおかげで、単に硬いのではなくて、カドのとれた乗り心地を実現している。ロードゴーイングレーサーのGT3に近いけれど、GT3の領域には入っていない。スカッと爽やか、高性能スポーツのセッティングである。カブリオレなのに、クーペと遜色ないボディーの剛性感もすばらしい。

今回の試乗車は「ポルシェ911カレラGTSカブリオレ」。新車登録された2025年6月時点での車両本体価格は2503万円だったが、11月中旬時点では2633万円に。各種オプションも価格が改定されている。
今回の試乗車は「ポルシェ911カレラGTSカブリオレ」。新車登録された2025年6月時点での車両本体価格は2503万円だったが、11月中旬時点では2633万円に。各種オプションも価格が改定されている。拡大
この試乗車はボディーカラーが「スレートグレー」、ソフトトップが赤の組み合わせ。ソフトトップはほかに黒、青、茶、グレーのストライプ入りの黒が設定されているが、無償で選べるのは黒のみだ。
この試乗車はボディーカラーが「スレートグレー」、ソフトトップが赤の組み合わせ。ソフトトップはほかに黒、青、茶、グレーのストライプ入りの黒が設定されているが、無償で選べるのは黒のみだ。拡大
電動式ソフトトップの開閉に要する時間は片道でわずか12秒程度。開けても閉じてもカッコいい。
電動式ソフトトップの開閉に要する時間は片道でわずか12秒程度。開けても閉じてもカッコいい。拡大
電動式のウインドディフレクターは後席の後方に格納されている。展開・格納とも即座に完了する。
電動式のウインドディフレクターは後席の後方に格納されている。展開・格納とも即座に完了する。拡大