第349回:トタン屋根のマリア様
2026.11.09 カーマニア人間国宝への道昔っぽいことに最大の意義がある
私はクルマに関して、あまり細かいことにこだわらないが、現行「マツダ・ロードスター」(ND型)に関してだけは、細かいこと(主にサスペンション関係)にこだわっている。なぜならNDロードスターはきわめて繊細かつ純粋な、日本の、いや世界の至宝だからだ。
NDロードスターは、とても昔っぽいスポーツカーだ。昔っぽいというのは、パワーがあんまりなくて、タイヤのグリップが弱めで、サスペンションが柔らかいということだ。
現在新車で買えるスポーツカーに、こんな昔っぽいのは他にない。その純粋無垢ぶりは、聖母マリア様である。
NDロードスターは昔っぽいことに最大の意義があるので、昔っぽければ昔っぽいほどイイ。よって私は発表当初から、「ベーシックな『S』が最上」と断言していた。それより上のグレードだと、リアスタビが付いてロールが浅くなる。それだけで少し堕落を感じるのである。
NDロードスターで一番感動したグレードは「990S」だ。車重わずか990kg。NDロードスターの場合、他のモデルならまず差がわからない20~30kgの重量増でも、明白な堕落と検知される。よって、最軽量の990Sが最も位が高いのだ。
990Sのサスペンションはとても柔らかく、信じられないほど繊細に仕上げられていた。
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