第349回:トタン屋根のマリア様

2026.11.09 カーマニア人間国宝への道 清水 草一
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

昔っぽいことに最大の意義がある

私はクルマに関して、あまり細かいことにこだわらないが、現行「マツダ・ロードスター」(ND型)に関してだけは、細かいこと(主にサスペンション関係)にこだわっている。なぜならNDロードスターはきわめて繊細かつ純粋な、日本の、いや世界の至宝だからだ。

NDロードスターは、とても昔っぽいスポーツカーだ。昔っぽいというのは、パワーがあんまりなくて、タイヤのグリップが弱めで、サスペンションが柔らかいということだ。

現在新車で買えるスポーツカーに、こんな昔っぽいのは他にない。その純粋無垢ぶりは、聖母マリア様である。

NDロードスターは昔っぽいことに最大の意義があるので、昔っぽければ昔っぽいほどイイ。よって私は発表当初から、「ベーシックな『S』が最上」と断言していた。それより上のグレードだと、リアスタビが付いてロールが浅くなる。それだけで少し堕落を感じるのである。

NDロードスターで一番感動したグレードは「990S」だ。車重わずか990kg。NDロードスターの場合、他のモデルならまず差がわからない20~30kgの重量増でも、明白な堕落と検知される。よって、最軽量の990Sが最も位が高いのだ。

990Sのサスペンションはとても柔らかく、信じられないほど繊細に仕上げられていた。

夜の首都高に「マツダ・ロードスターPS」で出撃した。ロードスターPSは2026年6月の一部改良を機に追加された特別仕様車で、「マツダ スピリット レーシング・ロードスター」で培った技術や知見を織り込み、ロードスターの本質である“走りの楽しさ”をよりダイレクトに体感できるモデルに仕上げたという。
夜の首都高に「マツダ・ロードスターPS」で出撃した。ロードスターPSは2026年6月の一部改良を機に追加された特別仕様車で、「マツダ スピリット レーシング・ロードスター」で培った技術や知見を織り込み、ロードスターの本質である“走りの楽しさ”をよりダイレクトに体感できるモデルに仕上げたという。拡大
「ロードスターPS」の「PS」は、「ピュアスポーツ」に由来。シンプルに走りのよさを追求した仕様と説明される。カーマニア的にはこのネーミングだけでもありがたい。車両本体価格は366万3000円。
「ロードスターPS」の「PS」は、「ピュアスポーツ」に由来。シンプルに走りのよさを追求した仕様と説明される。カーマニア的にはこのネーミングだけでもありがたい。車両本体価格は366万3000円。拡大
最高出力136PS/7000rpm、最大トルク152N・m/4500rpmを発生する1.5リッター直4エンジンに変更はないが、走行音を抑えつつ心地よい音質を保つべく、吸排気系の改良が施されている。
最高出力136PS/7000rpm、最大トルク152N・m/4500rpmを発生する1.5リッター直4エンジンに変更はないが、走行音を抑えつつ心地よい音質を保つべく、吸排気系の改良が施されている。拡大
「ロードスターPS」のコックピット。エアコンルーバーの加飾がブラック(外側)とシルバー(内側)のコンビネーションに、エアコンダイヤルとエンジンスターターリングがブラックに変更された。
「ロードスターPS」のコックピット。エアコンルーバーの加飾がブラック(外側)とシルバー(内側)のコンビネーションに、エアコンダイヤルとエンジンスターターリングがブラックに変更された。拡大