-
1/27
-
2/27「スバルWRX STIタイプRA-R」の試乗会は、木々が視界をさえぎるブラインドコーナーと、急峻なアップダウンが特徴の難コース、群馬サイクルスポーツセンター・サーキットコースで行われた。
-
3/27インテリアでは、グロスブラックの装飾パネルやドアトリムなどに用いられたレザー調の表皮素材、各所に施されたSTIのロゴが目を引く。
-
4/27シート表皮については、もともとアルカンターラとトリコットの組み合わせだったものを、ファブリックとトリコットの組み合わせに変更し、軽量化を果たしている。
-
5/27トランクフードを飾る「RA-R」のロゴ。その下には、STIの創立30周年を記念する専用バッジが貼られている。
-
スバル WRX STI の中古車webCG中古車検索
-
6/27STIの創立30周年を記念して設定された「タイプRA-R」。現行型「WRX STI」としては「S207」「S208」に続く3番目の、(そして恐らく最後の)コンプリートカーである。
-
7/27タイヤサイズは、「S207」「S208」のものより幅およびリム径の小さな245/40ZR18。「ミシュラン・パイロットスポーツ4S」が純正装着される。
-
8/272本のフィンが施された意匠が特徴的な、ドライカーボン製エアロドアミラーカバー。ミラーまわりの空気をフィンに沿って上に流すことで、フロントリフトを4%低減させている。
-
9/27軽量パーツの採用やウィンドウウオッシャータンクの小型化に加え、走りと関係のない装備を省くことで軽量化を実現した「タイプRA-R」。よく見ると、リアシートのセンターアームレストも廃止されている。
-
10/27「タイプRA-R」の車両重量は、ベース車の「WRX STI」より10kg、同じSTIのコンプリートカーである「S208」より30kg軽い1480kgとなっている。
-
11/27「S208」と同じチューニングが施されたEJ20型エンジン。エンジン本体がバランス取りされていることに加え、過給機にはボールベアリングターボが、吸気系には低圧損エアクリーナーエレメントと強化シリコンゴム製インテークダクトが、燃料制御には専用ECUが用いられている。
-
12/27インテークのそばに装着されたRA-Rのオーナメント。初代「レガシィ」で初めて採用されたEJ20型も今年でデビュー20年目を迎え、現行型「WRX STI」とともに“引退”がささやかれている。
-
13/27排気系には通気抵抗(背圧)を約60%低減したという専用設計のマフラーを採用。最高出力の向上と加速レスポンスの改善に寄与するほか、こもり音の少ない伸びやかなサウンドも実現している。
-
14/27車体の軽量化と高出力エンジンの採用により、4.498kg/psというパワーウェイトレシオを実現した「タイプRA-R」。0-100km/h加速は4.8秒と公称されている。
-
15/27ブレーキは、前後ともブレンボ製のキャリパーとディスクローターに、STI製のパッドの組み合わせ。シルバーで塗装された、STIのロゴ入りキャリパーが目を引く。
-
16/27アルミパッド付きのABCペダルやフットレストはベース車と共通。ブレーキペダルの位置の高さがやや気になった。
-
17/27専用チューニングの足まわりや、それによる10mmのローダウン、軽量化が図られたボディー、ハイグリップタイヤの採用などにより、「タイプRA-R」は「ドライ路面での限界Gが1G超」というスポーツカー顔負けの旋回性能を実現している。
-
18/27サスペンションは前後のダンパー、コイルスプリングのいずれもが専用設計となっており、特にフロントには、KYBの倒立式モノチューブダンパーが用いられている。
-
19/27軽量なジュラコン製のシフトノブ。「タイプRA-R」では、エンジンだけでなくトランスミッションのクラッチカバーやフライホイールもバランス取りされている。
-
20/2711:1というクイックなスアリングのギア比は、2013年に販売された先代モデルのコンプリートカー「tSタイプRA」で初採用されたもの。現行モデルになってからも「S207」「S208」、今回の「タイプRA-R」と、すべてのコンプリートカーに採用されている。
-
21/27ボディーカラーにはテスト車に採用されていた「WRブルーパール」を含め、全4色が用意されている。
-
22/27ワークス体制で初めて臨んだ2008年以来、スバルは10年以上にわたりニュルブルクリンク24時間レースに参戦。2018年には5度目のSP3Tクラス優勝を果たしている。
-
23/27パワープラントやシャシーに施された大幅な改良とは裏腹に、デザイン面でのベース車との差別化は控えめ。フロントまわりでの違いは、チェリーレッドのストライプとSTIのエンブレムがあしらわれたメッシュグリル程度である。
-
24/27トランクルームは一見するとベース車と同じのようだが、軽量化のため床下に搭載されていたスペアタイヤは廃止され、スペアタイヤパン内のメルシートも剥がされている。
-
25/27センターコンソールを飾る「STI」のエンブレム。スバルのモータースポーツ活動を統括するSTIが誕生したのは1988年4月のこと。翌年に実施された、初代「レガシィ」によるFIA公認10万km世界速度記録への挑戦が彼らにとって初の大仕事となった。
-
26/27「タイプRA-R」の販売台数は500台のみ。注文受け付けと同時に購入希望者が殺到し、即日完売となったようだ。
-
27/27スバルWRX STIタイプRA-R

山田 弘樹
ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦経験をもつ、実践派のモータージャーナリスト。動力性能や運動性能、およびそれに関連するメカニズムの批評を得意とする。愛車は1995年式「ポルシェ911カレラ」と1986年式の「トヨタ・スプリンター トレノ」(AE86)。
スバル WRX STI の中古車webCG中古車検索
試乗記の新着記事
-
ロイヤルエンフィールド・クラシック650(6MT)【レビュー】 2025.9.6 空冷2気筒エンジンを搭載した、名門ロイヤルエンフィールドの古くて新しいモーターサイクル「クラシック650」。ブランドのDNAを最も純粋に表現したという一台は、ゆっくり、ゆったり走って楽しい、余裕を持った大人のバイクに仕上がっていた。
-
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】 2025.9.4 24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。
-
ランボルギーニ・ウルスSE(4WD/8AT)【試乗記】 2025.9.3 ランボルギーニのスーパーSUV「ウルス」が「ウルスSE」へと進化。お化粧直しされたボディーの内部には、新設計のプラグインハイブリッドパワートレインが積まれているのだ。システム最高出力800PSの一端を味わってみた。
-
ダイハツ・ムーヴX(FF/CVT)【試乗記】 2025.9.2 ダイハツ伝統の軽ハイトワゴン「ムーヴ」が、およそ10年ぶりにフルモデルチェンジ。スライドドアの採用が話題となっている新型だが、魅力はそれだけではなかった。約2年の空白期間を経て、全く新しいコンセプトのもとに登場した7代目の仕上がりを報告する。
-
BMW M5ツーリング(4WD/8AT)【試乗記】 2025.9.1 プラグインハイブリッド車に生まれ変わってスーパーカーもかくやのパワーを手にした新型「BMW M5」には、ステーションワゴン版の「M5ツーリング」もラインナップされている。やはりアウトバーンを擁する国はひと味違う。日本の公道で能力の一端を味わってみた。
新着記事
-
NEW
MINIジョンクーパーワークス コンバーチブル(FF/7AT)【試乗記】
2025.9.8試乗記「MINIコンバーチブル」に「ジョンクーパーワークス」が登場。4人が乗れる小さなボディーにハイパワーエンジンを搭載。おまけ(ではないが)に屋根まで開く、まさに全部入りの豪華モデルだ。頭上に夏の終わりの空気を感じつつ、その仕上がりを試した。 -
NEW
第318回:種の多様性
2025.9.8カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。ステランティスが激推しするマイルドハイブリッドパワートレインが、フレンチクーペSUV「プジョー408」にも搭載された。夜の首都高で筋金入りのカーマニアは、イタフラ系MHEVの増殖に何を感じたのか。 -
NEW
商用車という名の国民車! 「トヨタ・ハイエース」はなぜ大人気なのか?
2025.9.8デイリーコラムメジャーな商用車でありながら、夏のアウトドアや車中泊シーンでも多く見られる「ハイエース」。もはや“社会的インフラ車”ともいえる、同車の商品力の高さとは? 海外での反応も含め、事情に詳しい工藤貴宏がリポートする。 -
フォルクスワーゲン・ゴルフRアドバンス(前編)
2025.9.7ミスター・スバル 辰己英治の目利き「フォルクスワーゲン・ゴルフ」のなかでも、走りのパフォーマンスを突き詰めたモデルとなるのが「ゴルフR」だ。かつて自身が鍛えた「スバルWRX」と同じく、高出力の4気筒ターボエンジンと4WDを組み合わせたこのマシンを、辰己英治氏はどう見るか? -
ロイヤルエンフィールド・クラシック650(6MT)【レビュー】
2025.9.6試乗記空冷2気筒エンジンを搭載した、名門ロイヤルエンフィールドの古くて新しいモーターサイクル「クラシック650」。ブランドのDNAを最も純粋に表現したという一台は、ゆっくり、ゆったり走って楽しい、余裕を持った大人のバイクに仕上がっていた。 -
BMWの今後を占う重要プロダクト 「ノイエクラッセX」改め新型「iX3」がデビュー
2025.9.5エディターから一言かねてクルマ好きを騒がせてきたBMWの「ノイエクラッセX」がついにベールを脱いだ。新型「iX3」は、デザインはもちろん、駆動系やインフォテインメントシステムなどがすべて刷新された新時代の電気自動車だ。その中身を解説する。