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1/10英アストンマーティンの高級コンパクトカー「シグネット」。2011年10月に日本への導入がアナウンスされた。「トヨタiQ」をベースにつくられたアストン史上最小のクルマであるが、内外装の化粧直しでiQの約3倍という当時の価格設定に、実は軽く憤慨したものだった。
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2/10上質なレザーやステッチなど、インテリアの見える部分は確かにアストンマーティン。英国ゲイドンの本社ファクトリーで、実に150時間かけてアストン化された内装が「シグネット」のハイライトである。
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3/10ボディーサイズは全長×全幅×全高=3078×1680×1500mmで、ホイールベースは2000mm。軽自動車よりも短いボディーながら実は4人乗り。もちろん後席に大人が座るのはかなり大変で、私は史上最も狭い後席のクルマと認定している。
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4/10今回試乗させてもらった「シグネット」のオーナーは、中古フェラーリ専門店コーナーストーンズ従業員のスギウラ君。従業員用駐車場の狭い空間にいつも置かれていて、前々から気になっていたのだ。
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5/10メーターは「シグネット」専用デザイン。甲虫類のスカラベをモチーフとした、アストンマーティンのウイングエンブレムがまぶしい。日本で製造した「iQ」を英国に運び、ゲイドンの工場でいったんバラして内外装をシグネットにするという面倒な作業を1台ずつ手作業で行っていた。そりゃ時間もかかるはずである。
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6/10スギウラ君の愛車「シグネット」のATセレクトレバーには、ゴミ袋代わりとなるコンビニのレジ袋が引っかけられていた。アストンにレジ袋。この光景はかなりインパクトがあった。普段は通勤用に使用しているとのことなので、こうした状態になってしまうのも納得である。
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7/10スギウラ君の「シグネット」は、すでに12万kmも走行している。乗り心地がアストン的だったのは各部がヘタってきているせいだろうか。
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8/10試乗を終えてコナストに戻り、元の位置に止めたつもりだったが、降りて見たらまだ後方に1mも空間があった。シグネットは、空間認識を狂わせるほど全長が短いのだ。
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9/10スギウラ君の「シグネット」は、センターコンソールがこんな状態になっていた。これを見てアストンマーティンであるとわかる人はそう多くはいまい。世界一実用的に乗られているアストンマーティンかもしれない。
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10/10通勤で12万kmまで使われ、車内がゴミ屋敷になってもまったく気品を失っていないスギウラ君の「シグネット」を見て、やっぱりアストンマーティンはすごいと再認識した。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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