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1/23webCGほったが2023年を象徴する一台に選んだ「三菱デリカミニ」。本会合の後で、同車が「日本カー・オブ・ザ・イヤー」(COTY)の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたのには驚いた。
ほった「自分の慧眼(けいがん)が怖い」 -
2/23一見、まったくの新型車に見える「デリカミニ」だが、実は中身は「eKクロス スペース」を完全に継承。車内に乗り込んでみると、それが分かりやすい。
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3/23ちなみに「デリカミニ」は、CM総合研究所が主催する「BRAND OF THE YEAR」で、「消費者を動かしたCM展開 特別賞」も受賞している。
ほった「水川あさみ効果ですかね」
清水「どう考えても、デリ丸。の手柄でしょ」
(写真:峰 昌弘) -
4/232023年の東京オートサロンで発表された「デリカミニ」。発売前に約1万6000台もの初期受注を集めていたが、工場の生産能力の都合か、はたまたその他の準備不足か、発売初月の販売台数は、なんとわずかに1433台だった。その後は次第に生産・納車の体制が整ってきたようで、2023年12月時点での納車待ちは、3~4カ月となっている。
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5/23「デリカミニ」(写真左上)と、そのベースとなった「eKクロス スペース」(同右下)。
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6/23ベース車とはまったく異なるイメージの「デリカミニ」だが、外装で大きく変わっているのは、実はこの“顔”のみ。より厳密にいえば、ヘッドランプとグリル、バンパーだけなのだ。あとはアンダーガードやテールゲートガーニッシュといった装飾類で、違いを表現している。
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7/23フェンダーなどの黒い箇所は、実はいずれも塗装である。先にこの部分を黒で塗り、乾いた後でマスキングをして、ボディー色を塗っているという。
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8/23清水「ドアのこのアンダーガードみたいなヤツは、シールですか? これは塗装じゃないですよね」
渕野「はい。柔らかいシールでした。柔軟で厚みのある、昔風に言うとビトロみたいな感じの」 -
9/23一般的に、ボディーを複数の色で塗り分ける場合は、パネルによって色を変えたり、色の境をウィンドウやピラーで隠すなどして、境界となる部分を極力表に出さないようにしている。塗り分け箇所の仕上げに(あまり)気を使わないで済むからだ。
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10/23「デリカミニ」のフロントマスク。三菱は、黒い“J”の字のモールをして、このデザインを「ダイナミックシールドの一族」と表しているが……。
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11/23もともと「ダイナミックシールド」は、太い“く”の字のメッキモールで、左右からバンパー中央部とロワグリルをぎゅっと挟んだものだった。写真は初めてダイナミックシールドが取り入れられた、2代目「アウトランダー」の後期モデル(2015年登場)。
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12/23渕野「このクルマの外観からは、『アウトドアレジャーにも使われる、家族のためのクルマ』という用途やユーザー像が、よく伝わってくるんですよね。ホントにいいデザインだと思います」
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13/23清水草一が“今年の一台”に挙げた、新型「トヨタ・プリウス」。先述の「三菱デリカミニ」がCOTYの「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車なら、こちらはなんと今年のイヤーカー、すなわち「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車だ。これは本当に偶然か……?(写真:花村英典)
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14/23新型「プリウス」の特徴といえば、このスポーツカー然としたフォルム。フロントウィンドウの傾きは、なんと清水氏の所有する「フェラーリ328GTB」より寝ているという。(写真:花村英典)
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15/23スーパーカー世代にとって永遠の憧れである「ランボルギーニ・カウンタック」。
清水「あの『プリウス』が、カウンタックと並んで語れる日がくるとは……」
(写真:ランボルギーニ) -
16/23ほった「これはトヨタがニュースサイトで公開している、『プリウス』の初期のキースケッチです」
清水「ハナっからスポーティーというか、浮世離れしたデザインで突っ走る気だったのかねぇ」 -
17/23ほった「こっちは最終レンダリング。プロジェクトチーフデザイナーの藤原裕司氏は、『ハイブリッドリボーンを合言葉に、数値や理屈だけでは語れない、一目ぼれするデザインを目指した』そうです」
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18/23清水「ハイブリッド車が特別なクルマじゃなくなって、電気自動車や燃料電池車まで出てきちゃって、もう『21世紀に間に合いました』なプリウスの役割は終わっていたんだよ」
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19/23「プリウス」のサイドビューを見ると、ルーフのピーク(一番高い部分)が後席の上あたりにきている。先代は車体の中央付近にピークがあったが、実はそのほうが空気抵抗は小さくて済む。この形状は“デザイン重視”のものなのだ。
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20/23通常、ピークを後ろ寄りにしたクルマでは、リアビューがタテに伸びて見えがちなのだが、「プリウス」にはそうした違和感はない。
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21/232014年に登場した初代「レクサスNX」。トヨタの“後ろ上がり”なデザインは、このモデルから始まった。
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22/23渕野「個人的には『プリウス』はよりシンプルに徹するべきだったと思います。ドアの下からリアに伸びる折れ線とかも、必要なかったんじゃないかな」
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23/23清水「10年後、このクルマがどんな風に語られているか、楽しみだねぇ」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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