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1/18珍しく渕野氏、清水氏がそろって高評価な「フェラーリ12チリンドリ」。そのデザイン的特徴を、過去のモデルを引き合いに出しつつ検証する。
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2/181996年に登場した「550マラネロ」。「365GTB/4」以来となるFR 12気筒フェラーリで、オープントップの「バルケッタ」なども存在した。
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3/181983年登場の4代目「シボレー・コルベット」(上)と1996年登場の「550マラネロ」(下)の比較。ベルトラインの曲がり具合や長めの前後オーバーハング、尻上がりのボディー、スパッと立ち落としたリアの処理に注目。当時のwebCGほったが「あれ?」と思ったのも、むべなるかな。
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4/182002年に登場した「550マラネロ」の改良モデル「575Mマラネロ」のリアクオータービュー。普通、この角度の写真であればフロントオーバーハングはもっと隠れるものだが……。550/575Mマラネロは、デザイン的に“頭でっかち”なクルマだった。
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5/18渕野氏が「ここからデザインがアメリカンになった」と指摘した2006年登場の「599GTBフィオラノ」。デザイナーがジェイソン・カストリオタとフランク・ステファンソンというアメリカ人コンビだったのは……さすがに偶然か。
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6/18「599GTBフィオラノ」のリアクオータービュー。横から見てボディー(ベルトライン)にくびれを持たせるデザインは、アメリカ車が好んで使った手法で、コークボトルラインと呼ばれる。
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7/18アメリカ人も大好きなA80世代の「トヨタ・スープラ」(1993~2002年)。海外のメーカーがアメリカ向けのスポーツカーをつくると、皆こういった肉感になるのかもしれない。
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8/18ほった「後ろ姿に関しては、“4灯+断ち落とし”だった『550』ほどのコルベット・コンプレックスはなくなりましたね。Cピラーもフライングバットレスにして、個性を出したりしてる」
清水「いや、そんなの小手先だよ……」 -
9/18「550マラネロ」以降の、FR 12気筒フェラーリの比較。程度の差こそあれ、尻上がりのウエッジシェイプ形状はいつの時代も共通となっている。
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10/182012年に登場した「F12ベルリネッタ」。「599」と比べて、全体にちょっとシャープなイメージとなった。
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11/18サイドビューの特徴といえば、フロントフェンダーパネルとドアパネルの大きな掘り込み。上縁のラインがクルマの軸感を強調しているものの、ちょっと“取って付けた”感が否めない。
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12/182017年登場の「812スーパーファスト」。複雑な意匠がボディー全体を覆っており、またヘッドランプの縁など、各所にエアダクトがあけられていた。写真は同年5月の日本初公開時の様子。
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13/182017年のジュネーブモーターショーに展示された「812スーパーファスト」。
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14/18中央部が隆起したボンネットに注目。「812スーパーファスト」(写真)までのFR 12気筒フェラーリは、パワーバルジでフロントの厚みを強調したデザインとなっていた。
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15/18今のところ“最後のFRコルベット”である7代目「シボレー・コルベット」(2014~2019年)。バルジで強調されているのでわかりづらいが、実際にはコルベットのボンネットは、驚くほど低く抑えられていた。
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16/18「12チリンドリ」のボンネットを見ると、左右フェンダーの峰の間は“平野”といった感じで、画像で見る限り一面に低い印象だ。従来モデルとは、趣が大きく異なる。
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17/181968年に登場した“デイトナ”こと「365GTB/4」。「550マラネロ」より20年以上前に存在したFR 12気筒のフェラーリだ。写真はリトラクタブルヘッドランプを備えた後期型。
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18/18筋金入りのフェラーリオーナーからも、この道20年の元カーデザイナーからもアツい期待が寄せられる「12チリンドリ」。実車を見られる機会が待ち遠しい。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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