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1/282023年9月に発表されたBMWのコンセプトモデル「ビジョン ノイエクラッセ」。同車のデザインモチーフは、広く市販車にも取り入れられていくというが……。
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2/28BMWでは、2024年10月付でデザイン開発の体制を刷新。小・中型車と上級車種とで責任者を分けるなどして組織を改編し、デザイナーを異動させた。
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3/28それまでMINIブランドでデザインを指揮していたオリバー・ハイルマー氏は、BMWの小・中型車とMモデルのデザインを手がけることに。BMWの量販セグメントに、ポップでキャッチーなMINIの血が入るのかと思うと、ちょっと興味深い。
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4/282025年の「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で発表された「コンセプト スピードトップ」。
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5/28「コンセプト スピードトップ」のインテリア。同車とオープントップの「コンセプト スカイトップ」は、ともに数量限定で販売される。台数は、スカイトップが50台、スピードトップが70台だ。
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6/28「コンセプト スカイトップ」(写真左)と「コンセプト スピードトップ」(同右)。
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7/28「コンセプト スピードトップ」の3面図。
ほった「いいですねぇ。昔ながらのBMWって感じで」
渕野「個人的には、未来のBMWにはこちら側のデザインを取り入れていってほしいのですが……」 -
8/28「コンセプト スカイトップ」のフロントマスク。顔まわりの意匠は、大きく逆スラントした面の向きと、ぐっと張り出した左右のエアインテーク部が目を引く。
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9/28後端をつまんで引っ張ったようなトランクフードの意匠に注目。シンプルでありながら、細かいところまで丁寧にデザインされている。
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10/28「コンセプト スカイトップ」(上)と「コンセプト スピードトップ」(下)のデザインスケッチ。
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11/28「ノイエクラッセ」シリーズには2台のコンセプトモデルが存在する。写真左がセダン「コンセプト ノイエクラッセ」、同右が「コンセプト ノイエクラッセX」。
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12/28「コンセプト ノイエクラッセX」のリアクオータービュー。サイドを見るとドアパネルのかなり低い位置にピークがある反面、その前後ではフェンダーが高く張り出しており、前後のピークはそれと同レベルの高い位置にある。見る角度や箇所によって、ピークの位置がチグハグなのだ。
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13/28渕野「セダンのほうも、クルマの前後とサイドとで、ピークがずれているんですが……」
ほった「前後のバンパーに、ドアのキャラクターを受けるラインが通ってますね」
渕野「それに、フロントから徐々に変化しながらサイドにつながっていくデザインなので、そんなに気にならないんですよ」 -
14/28清水「窓が大きくて、ボディー断面が末広がりになるこのデザインは、キャビンを広く見せたかったのかな?」
ほった「かっこいいクルマの既成概念に対する挑戦を感じますよね。そこは好印象なんですけど……」 -
15/28同じ「ノイエクラッセ」シリーズの2台だが、フロントまわりの意匠は大きく異なる。セダンではランプを内包した2つの枠をキドニーグリルと見立てているのに対し、SUVではフロント中央に小ぶりなキドニーグリルが残されているのだ。
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16/28「コンセプト ノイエクラッセ」のデザインスケッチ。
ほった「確かに、これと比べたら『ノイエクラッセX』のフロントデザインは、『日和(ひよ)ったな』って感じがしますね」 -
17/282013年に発表された「日産IDxフリーフロー」。
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18/28「マルニ」とは、1966年より順次登場した、一連の小型2ドアセダンの総称。日本では、2リッターエンジンの高性能モデル「2002」や「2002ti」、ターボエンジンを搭載した「2002ターボ」などが有名。
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19/28(※)2025年3月の年次総会で披露された、電動SUVの新型「iX3」。「ノイエクラッセ」シリーズ最初の市販モデルとして、2025年後半の生産開始が予定されているが……。
ほった「あれ? ボディーサイドのデザインが……」
渕野「やっぱり、『ノイエクラッセ』のドア面を市販のSUVに取り入れるのは、ムリがあったんですね」 -
20/281990年登場の初代「三菱ディアマンテ」。当時は逆スラントのフロントデザインをして「BMWっぽい」とやゆされたが、まさか三十余年を経て逆の現象が起きようとは、誰が予想できたでしょう?
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21/282024年に登場したばかりの現行型「X3」。シンプルで塊感のある意匠は既存のBMWにはないものだったが、いっぽうで「ノイエクラッセ」とも異なるイメージでもある。
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22/28ほった「BMWは、『X3』に取り入れたこのデザインコンセプトをどうするつもりなんですかね? まさか一台・一世代でお役御免ってことはないでしょうし」
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23/28次世代のBMWデザインといえば、近年過激化の一途をたどっていた巨大キドニーグリルの行方も気になるところだ。写真は「XM」。
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24/28イルミネーション入りでギラギラ光る「7シリーズ」のキドニーグリル。カーマニアからは大ひんしゅく、ファンの間では拍手喝采だった巨大キドニーの、明日はどっちだ?
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25/28ほった「……というか、巨大化するキドニーグリルの終着点が『ノイエクラッセ』のこの顔なのでは?」
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26/28「BMWコンセプト ノイエクラッセ」では、顔の上半分がすべてキドニーグリルとなり、ヘッドランプもその内側に収まるかたちとなった。
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27/28もはやグリルじゃない部分を探すほうが難しい面構えとなった、現行「トヨタ・ヴォクシー」。上部の細いランプは車幅灯&デイライトで、いわゆるヘッドランプ(ロービーム/ハイビーム)は、グリルの内側に配されている。
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28/28上から順に、「BMWコンセプト スカイトップ」と「ビジョン ノイエクラッセ」「ビジョン ノイエクラッセX」のデザインスケッチ。コンセプトが統一されないデザインの林立は、BMWの迷走の表れか? あるいは……。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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