第657回:登録済み未使用車を狙え! 新車は高いが、お買い得な輸入車5選
2021.09.20 エディターから一言 拡大 |
新車でも中古車でもない、登録済み未使用車という車両を見かけたことはないだろうか。この登録済み未使用車とは、一般に「ディーラーなどの法人名義で登録はされたものの、一度もエンドユーザーの手に渡っていない販売車両」のことをいう。つまり「ナンバーは付いているけれど誰も使っていないクルマ」だから、そう呼ばれているわけだ。新車価格が高いが、ひょっとしたら狙えるかもしれないというプライスタグを付けた、登録済み未使用車を5台紹介する。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
スタイリッシュなフレンチ4ドアはいかが?
「近ごろの新車は高すぎる!」というよくある意見に、筆者は必ずしも同意しない。あまりに高度化した運転支援システムや安全対策などを車両にぶっ込めば、昭和の頃のように、クルマの価格が200万円程度で収まるはずがないから──という理由がまずひとつ。もうひとつは、欧米先進国と比べると微妙に労働者の賃金が上がらなくなったニッポンの感覚で、グローバル商品たる自動車の価格をうんぬんしても意味がないと思うからだ。
とはいえ上記はあくまで机上の物言いでしかなく、いち労働者(庶民)である筆者の肌感覚は「最近の新車は高くて買えねえ……」と悲鳴を上げている。
しかし、だ。クルマというのは何も新車にこだわる必要もないわけで、世のなかには「中古車」という便利なモノもある。そして「いや自分は、設計年次が古いクルマはちょっと……」という人に対しても、昔の言葉で言う新古車、現在の用語で言う「登録済み未使用車」がある。新車ではなくそれを狙うことにすれば、筆者のごとき庶民であってもバリバリの新車……ではないにしても、それに近い欧州先進国車を購入することは十分可能なはずなのだ。
例えば、農業および工業大国であるフランスの「プジョー508 GT BlueHDi」である。
言わずと知れた最新のプジョーデザインをまとった、「苦み走ったいい男」的雰囲気の4ドアファストバックであり、特に2リッターディーゼルターボを搭載するGT BlueHDiは素晴らしいと、個人的には思っている。
だが、私がそれを個人的にどう思おうと「547万1000円」という新車価格が、まるで絶壁のように眼前に立ちはだかる。
しかし私には、登録済み未使用車という強い味方がいる。どういう理由かは知らないが自社登録された508 GT BlueHDiのうち1台を買うと決めれば、車両価格で390万円ぐらい、支払い総額で考えても415万円ぐらいでイケるのだ。
547万1000円(新車価格)のローンに加えて新車登録時の諸費用を払い切る自信はないが、これであれば私にも払えるはず。大勝利である。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
人気のSUVもリーズナブルに購入できる
昨今流行の(ハヤりすぎな気もするが……)SUVでいくなら、その名もズバリな「シトロエンC5エアクロスSUV」の登録済み未使用車がアツい。
いまさらご説明の必要はないと思うが、シトロエンC5エアクロスSUVとは、2019年5月に発売されたミドルサイズのSUV。デザインもすてきだが、「ハイドロニューマチックの現代的解釈」をうたう「プログレッシブハイドローリッククッション(PHC)」なるサスペンションシステムも魅力となる一台だ。
これも新車で買うとなると2リッターディーゼルターボモデルで車両価格441万2000円~(本革モデルは478万4000円から)+諸費用、途中追加された1.6リッターガソリンターボモデルでも422万1000円+諸費用となるわけだが、われらが登録済み未使用車であれば、ディーゼルターボで車両350万円ほどだ。
もしも「……車両350万円はちょい高い」と感じるなら1.6リッターガソリンターボにすれば、車両価格320万円ぐらいで、走行20kmとか40kmの個体が楽勝で見つかるだろう。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
北欧のプレミアムブランドも狙える
SUVというかクロスオーバー車ではあるが、「ボルボV60クロスカントリー」の登録済み未使用車もなかなか魅力的だ。
V60クロスカントリーは、中型のナイスなステーションワゴン「V60」のボディーをちょい拡大し、最低地上高を65mmアップさせたうえでSUV的な意匠も取り入れたモデル。駆動方式は全車4WDである……なんてことは皆さんには釈迦(しゃか)に説法だろうが、このすてきなクロスオーバー車の新車を買おうとすると、上級グレードである「B5 AWDプロ」の場合で674万円+諸費用という天文学的(?)な額になる。
しかし登録済み未使用車であれば、走行20kmぐらいのレザーパッケージ装着車が車両510万円とか520万円ぐらいである。高いは高いが、頑張れば手が届かなくもなさそうな線だ。
ちなみに筆者が住まう長屋のお隣さんも先日、クルマをV60クロスカントリーに替えたのだが、たぶん新車ではなく未使用車的なモノを買ったのではないかとにらんでいる。余計なお世話だが。
ただ、ここで言う510万円ぐらいのV60クロスカントリーは2リッターの直4ガソリンターボを搭載した「T5 AWDプロ」であり、現在販売されている48VハイブリッドモデルB5 AWDプロとはパワーユニットが異なる点には注意されたい。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
フラッグシップモデルも夢ではない
ここからは、そのほかの注目モデルをコンパクトにまとめよう。
「ボルボV90クロスカントリー」の登録済み未使用車もなかなかアツい。たたずまいからしてかなりステキなV90クロスカントリーだが、新車価格は844万~914万円もするので、庶民感覚ではどうしても買う気になれない。いや、正確には「買えない」。
だが「未使用車」ならば「D4プロ」が車両600万円ぐらいからイケる。まぁ600万円とて気軽に「イケます」などと言える立場にない筆者だが、一応夢は膨らむというものである。
なおこちらも現在販売されている電動車(48Vマイルドハイブリッド)ではなく、2リッター直4直噴ディーゼルターボになるわけだが、登録済み未使用車は、そういった細かいことを気にしていては買えない。「割り切り」あるいは「あきらめ」の心が重要である。「完璧」を求めたいのであれば、新車を買うしかないのだ。
拡大 |
拡大 |
普段なら手が出しにくいモデルもアリ?
フランス車に戻るが、DSオートモビルのフラッグシップである「DS 7クロスバック」は、その希少性ゆえの価値や魅力は大いに感じる。しかし「コレに520万3000円+諸費用かぁ(最新の「バスティーユBlueHDi」の場合)」と思うと実際には手を出すのは難しい、なんとも微妙な存在だった。
しかし走行30km程度の未使用車で車両440万円ぐらい、支払い総額でも460万円ぐらいとなれば、「……いっそ思い切ってDS 7クロスバック、買ってみるか?」という気持ちも湧き上がってくるものだ。
登録済み未使用車。それは、メジャーで王道なモデルを割安価格で買いたい場合に有効な選択肢だが、「いろいろと微妙なモデルだが、でも乗ってみたい!」と心が叫んだ場合にも、割と有効に機能する選択肢である。
(文=玉川ニコ/写真=ステランティス、ボルボ・カーズ/編集=櫻井健一)

玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
-
第869回:思わぬサプライズもいっぱい! クルマ好きのための祭典「シン・モーターファンフェスタ2026」で“最旬ニューモデル”に触れる 2026.4.24 日本最大級の“クルマ好きのための祭典”「シン・モーターファンフェスタ2026」に、発売を間近に控えるさまざまな注目モデルが終結! 会場の様子や、そこで得られた最新情報をお伝えしよう。
-
第868回:ウエット路面での実力は? ブリヂストンの新スタンダードタイヤ「フィネッサ」を試す 2026.4.22 2026年1月に発表されたブリヂストンの「FINESSA(フィネッサ)」は、次世代の商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載する最新のスタンダードタイヤだ。ドライ路面での試走報告に続き、今回は自慢のウエット性能をクローズドコースで確かめた。
-
第867回:ハイエースオーナー必見! スマホで操作できる可変ダンパー「KYBアクトライド」を試す 2026.4.22 KYBからスマートフォンのアプリで操作できる可変ダンパーシステム「ActRide(アクトライド)」が登場。まずは「トヨタ・ハイエース/レジアスエース」用からの展開となるこのシステムの仕上がりを、実際に試乗して確かめた。
-
第866回:買った後にもクルマが進化! 「スバル・レヴォーグ」に用意された2つのアップグレードサービスを試す 2026.4.17 スバルのアップグレードサービスで「レヴォーグ」の走りが変わる? 足まわりを強化する「ダイナミックモーションパッケージ」と、静粛性を高める「コンフォートクワイエットパッケージ」の効能を、試乗を通して確かめた。
-
第865回:ブリヂストンが新タイヤブランド「フィネッサ」を発表 どんなクルマに最適なのか? 2026.3.13 ブリヂストンが2026年1月に発表した「FINESSA(フィネッサ)」は、同社最新の商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載する乗用車用の新タイヤブランドである。高いウエットグリップ性能と快適な車内空間の実現がうたわれるフィネッサの特徴や走行時の印象を報告する。
-
NEW
ディフェンダー110オクタP635(4WD/8AT)【試乗記】
2026.4.29試乗記「ディフェンダー」シリーズの旗艦「オクタ」が2026年モデルへとアップデート。メカニズム面での変更はごくわずかのようだが、その速さと快適さは相変わらず圧倒的で、それはオンロードでもオフロードでも変わらない。300km余りをドライブした印象をリポートする。 -
NEW
第110回:新型BMW i3(前編) ―BEV版「3シリーズ」のデザインはなぜ「ノイエクラッセ」から変節したのか?―
2026.4.29カーデザイン曼荼羅いよいよ登場した新型「BMW i3」。スポーツセダンのベンチマーク「3シリーズ」がついに電気自動車となったわけだが、そのデザインにはどんな見どころがあるのか? ショーカー「ビジョン ノイエクラッセ」から様変わりした理由とは? カーデザインの識者と考えた。 -
NEW
「シビック タイプR」は入手困難 北米生産の「インテグラ タイプS」はその需要を満たせるか?
2026.4.29デイリーコラムホンダが北米生産の「アキュラ・インテグラ タイプS」の国内導入を発表した。エンジンなどのスペックから、それが「シビック タイプR」にほど近いクルマであることがうかがえる。果たしてタイプSは入手困難なタイプRの代替になるのだろうか。 -
クルマの開発で「コストをかけるところ」と「割り切るところ」はどのように決まるのか?
2026.4.28あの多田哲哉のクルマQ&A車両開発において、予算配分は「顧客に最も満足してもらえるクルマ」をつくるための最重要事項である。では、それはメーカー内で、どんなプロセスで決まるのか? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
ケータハム・スーパーセブン2000(FR/5MT)【試乗記】
2026.4.28試乗記往年のスポーツカーの姿を今日に受け継ぐケータハム。そのラインナップのなかでも、スパルタンな走りとクラシックな趣を同時に楽しめるのが「スーパーセブン2000」だ。ほかでは味わえない、このクルマならではの体験と走りの楽しさを報告する。 -
第334回:親でもここまではしてくれまい
2026.4.27カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。先日試乗した「トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ」はすごかった。MTと縦引きパーキングブレーキの組み合わせを用意してくれるトヨタは、カーマニアにとってもはや神である。













































